過去に投稿された記事の一覧です。

2014/03/04

調達価格算定委が中小水力の新区分を了承 設備と鉄管更新時【電気新聞】

 FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の2014年度の買い取り価格を検討する調達価格等算定委員会(委員長=植田和弘・京都大学大学院教授)が3日開かれ、中小水力発電の新たな買い取り区分などについて議論した。事務局が提示した新区分は既存の導水路を活用し、電気設備と水圧鉄管を更新したケースに適用する「既存導水路活用価格」で、委員らからおおむね了承された。植田委員長は3月中旬までに開かれる次回の会合で、14年度の買い取り価格をまとめる考えを示した。

 現在のFITでは、発電設備のすべてを更新した場合に新設価格を適用している。だが、事業者の中には既存の導水路を活用し、電気設備と水圧鉄管の更新を計画するケースも多く、新区分を設定することでこれらの事業推進を促す。

 水圧鉄管の更新では接続部分の補修や防水工事、ペンキの塗り替えといった部分補修作業も認める方針。また、発電設備のすべてを更新しない場合でも、更新しない設備が河川や農業用水路となっている導水路など発電以外の用途に用いられている場合には、これまで通り新設価格を適用することも合意された。

 代表的な中小水力のコスト比では電気設備が4割、土木設備が6割。耐用年数は電気設備が約20年、導水路が100年、水圧鉄管が30~60年となっている。

 一方、中小規模の太陽光発電に新区分を設定するかについては、委員の間で意見が分かれた。中小太陽光は大規模太陽光に比べて、システムコストは高いが運転維持費用は低いという特徴がある。

2014/03/04

湧き水利用 エコ発電【読売新聞】

小水力発電を調整する荒井さん(右端)ら(東久留米市で)

都内で唯一「平成の名水百選」に選ばれた東久留米市の南沢湧水群の湧水が流れる落合川支流の水路で、住民などのグループ「東久留米・湧水力発電の 会」が“湧水力発電”を進めている。都心に近い住宅地内での小水力発電の試みは珍しく、同会代表の荒井和男さん(64)は「まだできる電力は小さいが、エ ネルギー問題に関心を持ってもらうきっかけになれば」と話している。

荒井さんは、地元の市民グループ「東久留米・川くらぶ」に参加し、落合川や黒目川の環境保全活動や、子供たちが参加できる川のイベントなどに取り 組んでいた。東日本大震災で停電になった岩手県大槌町で、水力発電で電力を補っていた人がいたことを知り、「大槌と同じ湧水の町である東久留米でもできる のでは」と思い立ったという。

だが、水力発電装置の設置には、河川法で土地占用や工作物設置の許可、そのための調査、水利権の取得など様々なハードルがある。都などに相談して も、設置の困難さを思い知らされただけだった。それでも、水利権も存在しない小さな川もあることを知り、管理者の市とも交渉を続けた。市も「地域の自然エ ネルギー活用の啓発になるなら」とバックアップした。

設置場所は、南沢水辺公園と住宅に挟まれている水路で、幅数メートル、深さ20センチ前後程度の水が安定的に流れている場所に決まった。発電装置 は、埼玉県行田市の自然エネルギー装置などを製造している株式会社「風憩セコロ」が提供。縦107センチ横83センチ高さ125センチの箱形の枠に入った 水車タイプ。発電力は3ワット程度で、昨年11月、まず装置を川に据え、騒音などの調査を経て、同12月23日、発電した電気を公園内のトイレに設置した 発光ダイオード(LED)ライトにつなぎ、点灯に成功した。この場所の近くでは、市内の私立学校・自由学園がかつて水力発電をしていたこともあり、活動に は自由学園の生徒有志も参加した。

機器の故障で発電が一時中断したが、修理して2月から再開。荒井さんは「第一の目的は啓発だが、災害時の予備電力に使えるぐらいに、発電量も大きくしたい」と話している。

都内では、都が奥多摩町と青梅市の多摩川水系に持つ三つの水力発電所など既存のものに加え、都水道局は給水施設を利用した小水力発電を行っている。民間でも奥多摩町などで設置された。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20140303-OYT8T01505.htm

2014/03/04

唐津市、水力発電を市営で参入 県内初【佐賀新聞】

 唐津市は、市が管理する農業用ダム「藤ノ平ダム」(東松浦郡玄海町、総貯水量351万トン)に小水力発電施設を設置する。自治体が事業主体となって水力発電に乗り出すのは県内で初めて。売電収入は、上場台地の土地改良事業運営費の一部に充てる考え。

上場台地には藤ノ平ダムなど五つの農業用ダムがあり、松浦川の水を揚げて貯めている。藤ノ平ダムは有浦川からも流入、河川機能を維持するために一定量の水を下流に流しており、市は発電に必要な水を確保できると判断した。新年度に設計し、2015年度に発電施設を設置、16年度には本格稼働させる。

総事業費1億4600万円のうち、55%は国の補助で、市の負担は6570万円。発電総量は年間約110世帯相当の381メガワットで、現在の固定買い取り価格(1キロワット=35・7円、20年間)なら年1424万円の収入が見込め、毎年の維持費約100万円を差し引いても、5年で建設費が回収できると試算する。

市は20年間で約2億円の収入を得ることになるが、揚水の電気代が近年の値上げで、年1億4千万円前後から、本年度は1億6千万円まで上昇しており、売電収入で電気代の一部を賄う。

唐津市は「再生可能エネルギー導入は市の責務」とした条例を一昨年7月に施行しており、市農林水産商工部の井手康喜副部長は「藤ノ平ダムが軌道に乗れば、ほかに活用できるダムや河川がないか探したい」と話している。

小水力発電事業は県営中木庭ダム(鹿島市、680万トン)でも進められ、県の公募で西技工業、九州電力、九電工の3社が発電事業者に選ばれている。県の契約では売電に比例した収入はないが、県営ダム建設費のうち約1億2千万円を3社が負担する。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2641978.article.html

2014/03/04

バリ島の棚田守る 富山市、小水力発電を支援【読売新聞】

富山市が「環境未来都市」構想の一環として進める「再生可能エネルギーを活用した農業活性化」プロジェクトが、インドネシア・バリ島のタバナン県で 展開されることが決まった。市は今月、プロジェクト協力の協定を同県と取り交わす。農業用水を活用した小水力発電施設の整備を支援し、伝統的な棚田の保全 にもつながることが期待される。

森雅志市長が3日、定例記者会見で発表した。

タバナン県はバリ島南西部にあり、人口約38万人。コメが主要作物で、1000年以上続く水利システムを使った棚田の景観が2012年、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。

市によると、今年1月に市が同県で環境未来都市の取り組みをPRしたところ、県知事が同プロジェクトに興味を持ち、森市長に協力を求めたという。

プロジェクトでは、市と県内企業の支援により棚田の水路に小水力発電施設を整備し、精米機や草刈り機、耕運機などの農業機械に電力を供給。化学肥 料を使わない自然に優しい農業の技術提供も行う。現地の電力不足を解消するとともに、市にとっては環境未来都市の取り組みを海外にアピールできる機会にも なる。

森市長は県内の小水力発電施設メーカーなど関係企業と今月下旬、現地を訪問し、21日に協定書を取り交わす予定。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20140304-OYT8T00019.htm

2014/02/26

「中古」追加に業界反発―小水力発電のFIT区分―経産省半年前の基準撤回 制度迷走「採算合わぬ」【環境新聞】

経済産業省が2月17日に開いた調達価格等算定委員会(委員長・植田和弘京都大学大学院経済学研究科長)で、中小水力発電について中古設備を活用した案件 を対象に、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づく調達(売電)価格を引き下げた新たな買い取り区分を追加する案を示したことに対し、関連 業界が「採算が取れなくなる」と反発を強めている。同じ中古設備活用型案件でもバイオガス発電は新設扱いとされるなど、電源によって中古活用型案件の取り 扱いに食い違いが生じているのに加え、経産省が昨年9月に打ち出した中古活用型中小水力のFIT認定基準を半年足らずの間に撤回した形になっているため だ。経産省が次回の算定委で提示する価格水準によっては、業界の反発がさらに強まる可能性も出ている。
経産省が2月17日の算定委で提示した資料では、中小水力発電の設備コストについて、寿命が 20年程度の水車や発電機などの電気設備が全体の4割導水路や水圧管といった土木設備が残りの6割を占めるなどとしたコスト構造を提示。このコスト構造を 基に、①電気設備のみを更新した場合は新設の4割②水圧管を併せて更新した場合は新設の5割③電気設備のほか土木設備の大半を更新した場合は新設扱い―― などとする方針を示している。
この方針に対し、小水力業界は一斉に反発。全国小水力利用推進協議会の中島大事務局長は「出力が半分になれば水車や発電機の値段が半分になるというわけで はない。小水力の場合は規模が小価格が、かつての相対取引価格を下回る可能性がある。これでは腰を据えて小水力発電に取り組む事業者がいなくなる」と憤 る。
また業界では、経産省が昨年9月に打ち出した、中古設備を活用した案件のFIT認定基準との矛盾を指摘する声も強い。この基準は、電気設備を更新した既設 の発電所について、専用水路を全面的に改修すれば新設扱いとするもので、経産省が算定委に示した方針とは全く異なる内容だ。中島事務局長は「中国地方を中 心に、経産省が昨年9月に打ち出した基準を拠り所とした小水力発電の設備更新計画が進んでいる。方針が変更されると、事業の推進に支障が出かねない」と、経産省の方針転換を批判する。
一方、再生エネ行政を統括する資源エネルギー庁新エネルギー対策課の村上敬亮課長は本紙の取材に対し、「事業者が利潤を得られないような価格設定にはしない」と答え、業界に理解を求める姿勢を示した。ただ、業界内にはバイオガス発電の中古活用型を新設扱いとしたこととの格差を問題視する声も根強く、次回の 算定委でどのような数字が示されるのかに関心が集まっている。

http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=50&NCODE=325

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