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2014/09/25

九電、再生エネ新規契約中断 自治体、企業に困惑【佐賀新聞】

再生可能エネの買い取り制度に基づく新規契約の中断を発表する九州電力の中武司佐賀電力センター長(中央)=県庁
再生可能エネの買い取り制度に基づく新規契約の中断を発表する九州電力の中武司佐賀電力センター長(中央)=県庁
九州電力が再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に基づく新規契約の凍結を発表した24日、県内の自治 体や企業から影響を懸念する声が広がった。小水力発電の設置計画を進める唐津市は、九電側と例外規定の個別協議に望みをつなぐ。工事業者は「新規契約でき るかどうかは死活問題」とし、情報収集を急いでいる。
2012年に県内の自治体で初めて再生可能エネルギーを推進する条例を制定した唐津市。土地開発公社が保有する3カ所を太陽光発電用地として公募する計画だが、九電の方針に市の担当者は「厳しいかもしれない」と影響を危惧した。
九電が凍結するのは太陽光だけでなく、風力や水力を含む再生エネルギー全般。市は藤ノ平ダムに小水力発電を設置する計画も進 めている。担当者は「まだ申し込みはしていないが、太陽光に比べれば水力は安定性もある。これまで九電側と協議も続けてきており、何とか個別協議に応じて くれるのでは」と例外措置に期待を込める。 一方、FITを前提に設置工事を進めてきた県内の業者には、顧客らから「今後どうなるのか」と問い合わせが相 次いでいる。
ある設置業者は、九電との契約に至っていない10キロワット以上の物件を約200件抱える。うち約30件は設備を導入するなどす でに経費が発生しているが、顧客からの支払いは完成後。九電は保留期間を「数カ月間」としているが、電力需給の状況に変化がなければ、長期化する恐れもあ る。「このままでは顧客からの支払いが遅れ、運転資金が不足しかねない。死活問題だ」と担当者は頭を抱える。
県内にメガソーラー13施設(合計出力1万3千キロワット)を建設している九電工(福岡市)は、さらに5施設を新設する計画で、うち2施設が契約に至っていない。「契約中断に該当するかどうかまだ分からない」と情報収集を急いでいる。
また、伊万里市の県有の工業団地にバイオマス発電施設を建設する日本新電力(東京)は「供給先をきちんと確保し、事業化に向けて九電と協議していきたい」として、計画継続の方針を示した。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/107779

2014/09/17

豊川用水 管内3カ所に小水力発電設備【建通新聞】

水資源機構豊川用水総合事業部は、管内3カ所の小水力発電設備の設置工事を発注する。宇連ダムと駒場池は第3四半期に、大野頭首工は2015年度以降に発注する予定だ。

 宇連ダムの計画出力は760㌔㍗。

http://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/140917300017.html

2014/09/10

めざせ変換効率95%! 東北2企業、フランシス水車の共同開発スタート【環境ビジネスオンライン】

2014年9月10日掲載
芦野工業(山形県)と東北小水力発電(秋田県)は、フランシス水車の高効率化(発電出力~10,000kW)に関する共同研究開発を行う。
開発目標は水車変換効率95%。随時、性能向上モデルを販売し、平成29年3月に最終開発目標達成を目指す。開発された水車は、両社のブランドにてそれぞれ販売。山形県・秋田県内の水力発電施設に限らず、全国展開を図る計画。

http://www.kankyo-business.jp/news/008707.php

2014/09/09

東北小水力発電と芦野工業、高効率発電の水車開発へ 【日本経済新聞】

 水力発電機器の東北小水力発電(秋田市)と芦野工業(山形市)は共同で、発電効率の高い水車を開発する。発電出力1万キロワット未満の小水力発電向けで、2017年3月までの商品化を目指す。

 開発するのは水の圧力と速度をランナー(羽根車)に作用させる水車で、多数の羽がついて水を取り込む。多様な落差と流量に対応できることから、国内の水力発電施設では最も多く採用されているという。

 東北小水力発電が水の流れを解析して、最適な羽根の形状を設計する。芦野工業が試作機を製造し、実証実験を行う。水流のエネルギーを電力に換える発電効率は、従来品で最も高い91%より4ポイント高い95%を目指す。価格は従来品とほぼ同じ2億円(設備一式)に設定したい考え。

 小水力発電設備は設置場所の状況に応じて個別に設計する。様々な場所で使えるよう解析データ蓄積し、設置場所ごとの設計変更などの経費を抑えられるようにする。

 製品は両社それぞれのブランドで販売する計画。固定価格買い取り制度を追い風に、発電設備の新設や既存施設の更新需要を見込む。5年後の年間販売額はそれぞれ20億円を目指す。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB29H3B_Y4A900C1L01000/

2014/09/09

「ふじのくに」を潤す農業用水、米と野菜と電力も作る【スマート・ジャパン】

エネルギー列島2014年版(22)静岡:「ふじのくに」を潤す農業用水、米と野菜と電力も作る
太平洋沿岸地域の日射量が豊富な静岡県では太陽光発電が拡大するのと並行して、広い平野を流れる農業用水路を利用した小水力発電の取り組みが活発になってきた。用水路に設けた「落差工」の水流を生かした発電方法で、農作物の栽培に影響を与えずに電力を作り出す。
[石田雅也,スマートジャパン]
静岡県の中央を縦断する大井川を水源にして、国営の「大井川用水」が山間部から太平洋沿岸の平野部を流れている。9つの市と町を含む7450万平 方メートルの農地に水を供給する全国でも有数の農業用水路だ。この大規模な用水路を利用した小水力発電プロジェクトが流域の各地に広がってきた。

その先がけになったのは「伊太(いた)発電所」である(図1)。大井川用水の上流を占める島田市で2013年7月に運転を開始した。発電能力は 893kWあって、用水路を利用した小水力発電では規模が大きい。年間の発電量は430万kWhを見込んでいて、一般家庭で1200世帯分の電力使用量に 相当する。

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図1 「伊太発電所」の全景と設備。出典:農林水産省

発電機を設置した場所は「落差工(らくさこう)」と呼ぶ用水路の設備の中にある。大井川から流れてきた用水路の水が支流の川に注ぎ込む地点に、水 流の落差を緩和するために階段状の落差工が設けられている。この落差工が老朽化して改修が必要になったことから、合わせて発電設備を導入することにした (図2)。

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図2 発電所の設置前と設置後(画像をクリックすると拡大)。出典:農林水産省

川にかかる橋に発電所を建設して、横軸のプロペラ水車による発電機を設置した。さらに水車の回転を速くする増速機を追加してプロペラの回転数を3倍に増やしている。水流の落差は6メートルになり、最大で毎秒17立方メートルの水が流れて発電する。

設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は55%で、通常は60%以上になる小水力発電としては低めだ。水量が季節によって大きく変動するか らである。用水路の水量は稲作の時期にあたる5月~9月に多くて、それ以外の時期は少なくなる(図3)。発電に利用できる水量も10月~4月の7カ月間は 最大時の4割くらいしかない。農業用水を小水力発電に使う場合の特性である。

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図3 農業用水と発電用水の水量。出典:農林水産省

伊太発電所は用水路の改修と合わせて23億円の費用を投じて建設した。発電能力が200kW以上の小水力発電は買取価格が1kWhあたり29円 (税抜き)である。年間の売電収入は1億2500万円になり、買取期間の20年間では約25億円を見込める。落差工の改修費を売電収入でカバーすることが できる。

国営の伊太発電所に続いて、県営の小水力発電所を3カ所に建設する計画が決まっている。そのうちの1つは伊太発電所と同じ島田市内に、残りの2つは大井川の西側を流れる「大井川右岸用水」に建設する(図4)。

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図4 「大井川右岸用水」に建設する2つの小水力発電所。出典:静岡県交通基盤部

右岸の2カ所は発電能力が100kW前後で、年間の発電量は60万~70万kWhを想定している。2014年度中に運転を開始する予定だ。このほかにも用水路とダムの水流を生かした小水力発電所の検討プロジェクトが県内の5カ所以上で進んでいる。

地域の有志が始めた小水力発電の取り組みもある。静岡県の東部にある富士宮市では1人の市会議員が中心になって推進している。市内を流れる農業用 水路の「北山用水」に小型の発電設備を導入した(図5)。「相反転方式」と呼ぶ独特の発電方法で、発電機の外側と内側が反対方向に回転して速度が2倍にな る仕組みだ。通常は小水力発電に向かない1メートル以下の落差でも発電することができる。

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図5 「北山用水」の発電設備。出典:静岡県富士農林事務所、協和コンサルタンツ

北山用水は落差が1メートル程度で、水量は毎秒0.25立方メートルしかない状況でも、1.4kWの電力を作り出す。発電した電力は冬季の温室栽 培にも利用する。発電機以外の設備が不要なため、建設費は200~300万円くらいで済む。地域の農業関係者が草の根方式で導入することが期待できそう だ。

静岡県の再生可能エネルギーは太陽光発電が圧倒的に多い。小水力発電も着実に増えて、固定価格買取制度による認定設備の規模は全国で第5位になっ た。しかも運転を開始した発電設備では全国のトップに立っている(図6)。恵まれた自然環境を生かした再生可能エネルギーの取り組みが都市部と農村部の両 方で広がっていく。

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図6 固定価格買取制度の認定設備(2013年12月末時点)
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