2013/09/24
川根本町が国土交通省長島ダム(同町犬間)を活用した小水力発電の設置を検討していることが19日、分かった。町によると、自治体が既存のダムを利用して小水力発電を設置するのは全国でも珍しいという。町議会9月定例会の一般質問で、佐藤公敏町長が明らかにした。
町や同ダム担当者によると、発電にはダム水位を調整するための放水を利用する。出力は600キロワット前後を想定している。発電した電力はダム周辺の町有施設の電源に使い、余った電力は売電する。大規模災害時はダムを運用する電力として使う予定。
町は来年度の予算で、数億円規模の発電機整備事業費を計上する見込み。合併特例債や過疎債を有効活用するという。
同ダムは現在、水位を調整する放水を活用した自家発電を行っている。佐藤町長は「地域に一層開かれたダムを目指し、町北部地域の活性化につなげたい」と期待を込める。
2013/09/17
上村小水力発電検討協議会(前島忠夫会長)は12日、地区懇談会をスタートした。程野地区を流れる小沢川への設置を視野に入れた検討経過や今後のスケジュールなどを説明。20日まで上村地区内4会場で開き、年度内の合意形成を目指す。
再生可能エネルギー全量固定価格買い取り制度の開始と、小沢川流域の適した地形を踏まえて飯田市と検討協議会が小水力発電の設置を検討している。
初日は、現場となる程野地区を対象に開催。約30人の住民が参加し、協議会や市の説明を受けた。
2011年度の試算では、小沢川に200キロワット未満の発電所を設置した場合、年間に96万5000キロワット時の発電量が想定され、建設費や人件費を差し引いても1年間で約1000万円の純利益が得られるとしている。
協議会と市は「収益を上村の地域振興につなげることができる」として、地域主体で取り組む意義を強調。課題となっている建設費の調達については「専門家チームの助言を得て検討する。市民ファンドや金融機関の融資が有力な手段だ」とした。
市は4月に施行した「再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」を説明し、再生エネ資源を市民が優先的に活用できる「地域環境権」の考え方を強調。年度内に地域合意を得て、来年度の事業主体立ち上げ、16年度の運転開始を目指したい考えを伝えた。
先進地のドイツを視察した上町の委員(21)の報告もあり、同委員は「設置により上村になかったものが生まれ、課題解決につながると確信できた」と語った。
前島会長は冒頭あいさつで「これまでの検討で、地域にとってプラスになるものだと確信している。地域で事業主体をしっかり立ち上げなければ」と話していた。
2013/09/17
落雷で故障 復旧は来月か 修理に遅れ、視察対応に苦慮
都留市が市役所周辺の家中川に設置している小水力市民発電所「元気くん」が、8月の落雷で故障し、停止したままだ。3カ所にある1〜3号すべての機械が故障。部品が届かず、修理が始められない。庁舎の電力の一部を賄い、国内外から年間で千人を超える視察者が訪れる施設で、市のエコ活動のシンボル的存在だけに、担当者は「いち早い復旧を目指したい」としている。
2013/09/13
神奈川県企業庁は、「砂防えん堤における小水力発電調査」の一般競争入札を公告した。9月17日まで競争参加資格確認申請を受け付ける。入札書の提出は10月2・3日。4日に開札する。
砂防えん堤における小水力発電に取り組む。
2013/09/13
仙台市は、市水道局の施設を活用した小水力発電事業に乗り出す。川崎町にある「上追沢沈砂池」で、民間企業に委託して2015年10月から発電を始め、全量を東北電力に売電する。
発電施設は釜房ダムと、ダムから水を引いている沈砂池の高低差(18.6メートル)を利用し、導水管に発電設備を取り付ける。最大出力は199キロワットで、一般家庭430戸分に相当する128万キロワット時の年間発電量を見込む。
公募型プロポーザルを行い、東芝(東京)を事業運営者に選んだ。同社が約2億6000万円かけて発電施設を整備。売電で得た利益のうち、市が賃借料として年270万円を受け取る。契約年数は20年。
水道局の谷口秀樹次長は「使わなかったエネルギーを電力に変換し、自然環境にやさしいエネルギーの創出に役立てたい」と話している。
市は、津波で被災し、かさ上げ工事を進める下水処理施設「南蒲生浄化センター」(宮城野区)にも、かさ上げ高を利用した小水力発電を導入する予定。県企業局は14年、太白区にある仙南・仙塩広域水道の調整池で小水力発電事業を始める。