2014/02/14
岐阜県中津川市に完成した小水力発電所は売電収益をそのまま農業環境整備に使う。高い設備利用率が得られる立地を選ぶことで実現した。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

図1 岐阜県中津川市と発電所の位置
2014年2月に完成した「加子母(かしも)清流発電所」(岐阜県中津川市加子母)の特徴は農業環境を整備するために作られたこと(図1、図2)。「加子母で小水力発電を始めた理由は、年間約4900万円の売電収益を得ることだけではない。収益を用いて、さまざまな土地改良事業を進めることが目的だ」(岐阜県農政部農地整備課)*1)。
農業用水である加子母小郷(おご)用水の維持管理の他、農業集落排水事業(下水処理)、加子母防災ダムなどの電気料金を売電収益でまかなう形だ。コミュニティセンターなど農林水産省の補助を受けた施設にも用いる。「中部電力への売電を経ているが、農業関連施設12カ所へ間接的に電力を供給している形になる」(農地整備課)。
*1) 県が立ち上げた農業用水を利用する小水力発電所として、東海三県(愛知県、岐阜県、三重県)では初の事例だという。
yh20140214Gifu_powerhouse_590px.jpg
図2 加子母(かしも)清流発電所の外観 出典:岐阜県
設備利用率が高い理由とは
これを支えるのが、発電所の高い設備利用率だ。発電所の出力は220kWであり、想定年間発電量は168万kWh(一般家庭400世帯分の年間使用電力に相当)。つまり、年間の設備利用率が87%もある。環境省によれば小水力発電では一般に設備利用率は70%程度だ。
同発電所は、普通河川白川から取水する小郷用水の水を利用している。「農業用水は非灌漑(かんがい)期には水量が減ることが多い。しかし、白川は水が豊富であり、ほとんどの期間、発電所に0.46m3の水量を供給できる」(農地整備課)。渇水期がないことが設備利用率向上に効いた。前提条件として、白川は普通河川であるため、河川法上の水利権の制約がないことも大きいとした。
農業の邪魔にならない発電所
加子母清流発電所と関連施設などの関係を図3に示す。加子母川(白川の最上流部)には、発電所の計画以前から、小郷用水に取水するための設備である頭首工(とうしゅこう)が設けられている。小郷用水をショートカットする形で上水槽と付属する除塵機、管路、発電設備を建設し、発電後の水は小郷用水にそのまま戻す。「頭首工と発電所の間には農業用水の受益者がいないため、発電所を建設しても、農業には影響がない」(農地整備課)。
yh20140214Gifu_3Dmap_400px.jpg
図3 発電所と付帯設備などの関係 出典:岐阜県
上水槽の役割は、水をためて圧力を調整することと、小さなゴミの除去だ。管路は水を発電所に送るためのもの。直径70cmの強化プラスチック製であり、長さは1069mある。上水槽と発電所の高低差は64.6m、有効落差は61.55mだ。発電所では横軸フランシス水車とかご型三相誘導発電機で電力を生み出す(図4)。
yh20140214Gifu_generator_590px.jpg
図4 水車(手前)と発電機の外観 出典:岐阜県
加子母清流発電所の総事業費は3億3800万円。農林水産省の農山漁村地域整備交付金(地域用水環境整備事業)を用いており、事業費の負担率は、国50%、岐阜県25%、中津川市25%。
岐阜県が事業主体となり、2011~2013年度にわたって作り上げた。2011年度は詳細設計、2012年度は管路工事と発電設備の製作、2013年度は発電設備の据え付けと建屋の工事を進めた。完成後は県が市に設備一式を無償で譲与している。
2014/02/13
再生可能エネルギーへの取り組みとして県は、7年後をめどに小水力発電所の数を現在の2倍に、また、太陽光発電の設備の容量を現在の3倍以上を目標に推進する方針です。
これは、13日開かれた県の再生可能エネルギーのビジョンを検討する会議で示されたものです。
県が導入、活用を推進するのは小水力発電と太陽光エネルギー、地熱資源、バイオマスエネルギーの4つです。
具体的には県の総合計画の期間である7年後をめどに小水力発電所を現状のおよそ2倍の45か所以上、太陽光エネルギーは発電設備の容量を現状の3倍の14万キロワット以上、また、県内初の地熱発電所の建設を目標に掲げています。
13日の会議では目標の達成には民間導入を資金的に支援する制度が必要ではないかとの意見が出されました。
会議では、このあとパブリックコメントを実施し今年度中に案をまとめる予定です。
2014/02/13
姶良市加治木町反土の観光名所「龍門滝」付近に、西技工業(福岡市)が3月、小水力発電所の建設に着手する。同社は発電所の土木設備や補修などを行う九州電力グループの一つで、姶良市と7日に協定を結んだ。年間発電量は一般家庭300世帯分に相当する約1100メガワット時を見込む。来年6月の完成を目指す。
予定地は龍門滝一帯の高低差約50メートルの台地で、滝から約500…
http://mainichi.jp/area/kagoshima/news/m20140213ddlk46040543000c.html
2014/02/12
小水力発電の取り組みなどを紹介する「しずおか小水力発電フォーラム」が12日、静岡市内で開かれた。基調講演した全国小水力利用推進協議会の松尾寿裕理事は、「水力は地域資源であり、専門家でなくても地域の人たちが担い手になれる」とし、「勇気を持って一歩を踏み出してほしい」と来場者に呼び掛けた。
2014/02/11
県が中津川市加子母で整備していた農業用水を活用した小水力発電所「加子母清流発電所」が完成し、10日に同市に譲渡されて運転を開始した。県が国の補助を受けて農業用水を活用した小水力発電施設を整備したのは、東海3県で初。

加子母小郷(おご)地区を通る既存の農業用水の有効落差約62メートルを生かして発電。最大出力は220?。年間発電量は約168万?時で、一般家庭約400世帯分の年間使用電力量に相当する。これにより、年間で約705トンのCO2排出が削減できる。
発電した電気は売電し、年間最大5300万円の収入が見込まれており、市内の農道や用水路など土地改良施設の維持管理費に充てられ、農村振興につなげる。
総事業費3億3800万円のうち、5割を国の補助金、残りを県と市で負担しており、県から譲渡されて市が運営していく。
同日行われた完成式には、県や市の関係者ら約50人が出席。上手繁雄副知事や青山節児市長らがスイッチを入れて運転を開始した。青山市長は「リニアを迎えるに当たって、中津川市のさまざまな産業が魅力となる。完成した施設も、中山間地のこれからの活力につなげることができる」と完成を祝った。
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140211/201402111145_21944.shtml