2015/11/19
2015年11月19日 13時00分 兵庫県庁と2つの市が共同で小水力発電に取り組む。洪水対策のために造った県営ダムの放流水を利用して、発電能力が500kWの設備をダムの直下に建設する。ダムの水を利用する姫路市とダムが立地する朝来市も発電事業に参画して、2017年度末に運転を開始する予定だ。 [石田雅也,スマートジャパン] 小水力発電所を建設する「生野(いくの)ダム」は、兵庫県の北部に位置する朝来市(あさごし)の山間部にある(図1)。兵庫県が治水対策用のダムと して1972年度から運営を続けて、下流の都市部に工業用水や水道用水を供給している。このダムからの放流水を利用した小水力発電プロジェクトが始まっ た。
生野ダムは堤体の高さが56メートルに達して、放流水の有効落差は38メートルになる(図2)。最大で毎秒1.6立方メートルの水量を使って 500kW(キロワット)の電力を供給することが可能だ。年間の発電量は240万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の電力使用量(年間 3600kWh)に換算して670世帯分に相当する。
発電した電力のうち8万kWhをダムの管理用に使うほかは、全量を固定価格買取制度で電力会社に売電する計画だ。発電能力が200kW以上の水力 発電の買取価格は1kWhあたり29円(税抜き)になることから、年間の売電収入は約6700万円を見込める。20年間の買取期間の累計では13億円強に なる。建設費は7億円かかる見通しで、得られる収益はダムの維持管理費などに役立てる。 生野ダムの直下には放流バルブ室があり、隣接する場所に発電所を建設する予定だ。放流バルブ室から水管を敷設して、発電所内の水車に水流を取り込 む(図3)。発電に利用した水は直後に川へ放流するため、下流の水量は変わらない。自然環境に影響を与えずに電力を生み出せる小水力発電の特徴である。
兵庫県は本土に15カ所、淡路島に4カ所の治水ダムを運営している(図4)。さらに2カ所に建設中で、洪水対策に加えて県内各地に工業用水や水道 用水を計画的に供給する役割を担う。生野ダムのほかにも小水力発電を実施できる場所は数多く残っていて、今後さらに導入プロジェクトを拡大していく見通し だ。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1511/19/news024.html
2015/11/18
2015年11月18日 10時35分
結果はどうあれ、大人たちの本気に拍手が起こった自力テスト
自宅と鶏舎を結ぶ森の小径(こみち)には四季がある。スーラの点描画のような多彩な色が木々を覆い、足元に重なる落ち葉を踏みしめる感触はどんな絨毯(じゅうたん)よりも心をくすぐる。
井手野集落で昨年から本格的に始まった小水力発電の試みが、紆余(うよ)曲折を経ながらも、少しずつ進んでいる。先月行われたデモンストレーション会は九州大学の指導のもと、地元メンバー自作の装置も用いて、泥まみれ、ずぶ濡れでの自力テストとなった。
水路から水を無駄なく取り込む難しさや勾配の加減、さらに水車と排水装置の接合など、机上で考えることとは全く異なっていた。
しかし、地域の条件を利用した自然エネルギーに関心ある多くの人が集い、活性化協議会のメンバーだけでなく、地元のベテラン勢が加勢に飛び込んでくれたことこそが、地域活性化のヒントを教えてくれた気がする。(養鶏農家)
2015/11/17
2015年11月17日 09時00分
鳥取県では太陽光からバイオマスまで5種類の再生可能エネルギーの導入が活発だ。農業用のダムを中心に県営の小水力発電所が続々と運転を開始する一方、民 間企業は木質バイオマス発電に取り組む。温泉水を利用した地熱発電所も稼働して、災害に強い分散型の電力源が県内に広がっていく。
[石田雅也,スマートジャパン]
鳥取県は2011~2014年度の4年計画で「とっとり環境イニシアティブプラン」を実行した。施策の第1に「エネルギーシフト」を掲げて、再生可 能エネルギーを中心にした小規模・分散型の電源へ転換を進めることが最大の目的だ。というのも県内には火力発電所や原子力発電所がないために、長年にわ たって他県で発電した電力に依存してきた事情がある。
再生可能エネルギーの比率は水力を中心に2010年度の時点では24.6%だった。これを2014年度までに28.8%へ引き上げる目標を設定し て対策に取り組んだ結果、目標を上回る31.0%を達成することができた(図1)。太陽光・小水力・バイオマスを利用した発電設備が着実に拡大した成果 だ。
その中でも特に積極的に取り組んだのは、山間部における小水力発電所の建設である。4年間に県内4カ所のダムで小水力発電所が運転を開始したほか、農業用水路を利用した小水力発電も各地に広がり始めた。
ダムに建設した小水力発電所の中では、2015年3月に稼働した「下蚊屋(さがりかや)発電所」が最も新しい。周辺の山から流れてくる水を農業用 水として供給するダムの直下に建設した。ダムは堤体の高さが50メートル以上もあり、下流の自然環境を保護するために「河川維持放流水」を常に流してい る。この放流水を発電所に引き込む方式を採用した(図2)。
発電能力は197kW(キロワット)で、年間の発電量は150万kWhを見込んでいる。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して 420世帯分に相当する。発電した電力は固定価格買取制度で売電するだけではなく、災害で停電が発生した時には周辺の地域に電力を供給できるシステムを導 入した(図3)。
停電時に電力を供給する対象は、発電所が立地する江府町(こうふちょう)の2つの地区だ。町内をカバーする中国電力の配電設備に開閉器を取り付けて、電力の供給ルートを切り替えられるようにした。停電が発生しても2つの地区には小水力発電の電力を供給し続ける。
<h4> 古い水力発電所を再生させる</h4>
江府町の東側に隣接する倉吉市では、農業用水路に設置した小水力発電所が1952年から60年間にわたって運転を続けていた。用水路から県内で最 大のため池までの落差を利用した「南谷(なんこく)小水力発電所」である。ただし老朽化が進んで修理の頻度も多くなったことから、新しい発電設備に更新す ることになった(図4)。
従来と同様の横軸フランシス水車を採用したが、発電能力は76kWから90kWに増やすことができた。新設備は2014年12月に運転を開始し て、年間の発電量は64万kWhを見込んでいる。発電所の建屋は県産の木材で造られている。地域の資源を利用した再生可能エネルギーのシンボルに位置づけ るためだ。
同様の取り組みは県西部の日南町でも見られる。2015年9月に運転を開始したばかりの「新石見(しんいわみ)小水力発電所」は、61年間も稼働を続けた旧・石見発電所の設備を全面的に更新したものだ(図5)。発電能力は従来と同じ90kWである。
日南町では小水力発電に加えて340kWの太陽光発電所を2012年に稼働させた。いずれの発電所も日南町が建設して運営している。現在は町内の家庭(総世帯数2200世帯)が使用する電力の約半分を再生可能エネルギーで供給できるようになった。
鳥取県の再生可能エネルギーは水力と風力が先行していたが、最近になって太陽光とバイオマスが急速に増えてきた(図6)。2015年に入ってからは県内の間伐材を燃料に使う木質バイオマス発電所が運転を開始した。さらに日本海に面した温泉では地熱発電も始まっている。
・・以下略・・
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1511/17/news027_3.html
2015/11/13
2015/11/6
大手商社の丸紅(東京)がグループで広島県内の小水力発電所3カ所を買収したことが5日、分かった。河川や農業用水を利用して発電する中国地方の小水力の施設を、同社を含めて大手商社が持つのは初めてという。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で太陽光発電の価格が下がる中、小水力に着目する企業が増えそうだ。
2015/11/10
自転車の車輪を使った小水力発電に取り組む兵庫県香美町村岡区の会社役員、片山正己さん(62)が、サイホンの原理で、水路の壁を越えて安定的に水を利 用できる発電システムを開発した。発電した電気は、シカによる農作物被害対策の照明に使うほか、水は魚の養殖にも活用。「誰でも簡単に水路の水を利用でき る方法」(片山さん)で“一石三鳥”を狙った手作りシステムが話題になっている。
片山さんは、津崎鋼材(養父市)の代表取締役。但馬の住民と兵庫県でつくる「但馬夢テーブル委員会」のメンバーで、豊富な水資源を小水力発電に生かす活動を進めている。軸の中に発電機が入った新タイプの自転車の車輪に着目し、羽根を付けるなどして発電機に再生している。
最初の試作機は3月から豊岡市内の水路で実験したが、大雨の時に流される危険があることが分かった。このため、環境や天候に左右されずに水を安定利用できる仕組みとして、サイホンの原理に思い至った。
養父市内の職場に近い水路の上流にパイプを設置。15メートル離れた池に設置した発電機の羽根に落水して発電する。採取地と発電機の場所の高低差が2・5メートルあるため、水は水路の壁を越えて発電機まで導かれる。
この電気で発光ダイオード(LED)ライトを点滅したところ、植栽のサツキの食害が全くなくなった。「シカが警戒して近寄らなくなった」と片山さん。発電機を設置した池ではホンモロコを育て、新鮮な水を供給する役割も果たしている。
「サイホンの原理を用いれば水路から離れていても水が供給できる。みんなでたくさん付ければ、いろんなことができるのでは」と話している。(辻本一好)
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201511/0008552807.shtml