2013/07/04
松本平の農地を潤す主たる農業用水は、上高地へ向かう松本電鉄新島々駅の西約2kmにある梓川頭首工で取水され、水路を通じて各地域の隅々まで導かれています。
本水路は、先人たちの情熱とたゆまぬ努力により建設されましたが、経年変化による老朽化が著しいことから、平成17年度から国営農業水利事業により改修工事を実施しています。
併せて、再生可能エネルギーの導入を目的に、農業用水を利用した小水力発電所が完成し、この6月27日に、発電を開始するための「発電安全祈願祭」及び「運転始動式典」が、主催者である、中信平土地改良区連合井口理事長さん始め関係者の出席のもと執り行われました。 当日は、前夜まで続いた雨も上がり晴天となり、今後の発電施設の安全を予感する一日となりました。
式典は、松本市梓川上野の花見会館横の「中信平小水力発電所」で、中信平土地改良区連合役員、行政機関、建設業者及び地元関係者など約80名の出席により、神事が厳かに執り行われました。
この発電所は、梓川頭首工から取水する水路系の梓川左岸幹線水路の落差(最高7.3m)を利用し、水の流量(最大毎秒11立方メートル)で発電を起こす環境に優しい電力発電です。
水をとる取水口(ヘッドタンク)から、約350m下流の発電室に径2,400mmの管路により導き、水が水車に流れタービンが回転することで発電します。
発電量は、一般家庭の約950世帯分の年間消費電力量に当たり、その効果が期待されています。
おわりに、本県では、「長野県総合5か年計画」が本年度からスタートし、「自然エネルギーの普及拡大」を推進しています。
小水力発電施設を目前で見て、今後、松本管内で水力や太陽などの身近な地域資源を活用した施設で発電されたクリーンエネルギーの普及がどんどん進めば良いなあと感じた一日でした。 以上
※こちらの内容は、長野県魅力発信ブログのサイトより転載しております。
参考
・経済産業省「再生可能エネルギーの全量買取に関するご意見の受付」(平成21年11月6日、資源エネルギー庁)