過去に投稿された記事の一覧です。

2016/06/21

住民主体の再生可能エネ紹介 7月、兵庫県庁で【神戸新聞】

2016年6月21日
 住民主体の太陽光発電や小水力発電の取り組みをテーマとした兵庫県のセミナーが7月4日午後1時15分から県庁で開かれる。県内の先行事例の発表のほか、再生可能エネルギーに関係する団体が交流・情報交換できる場も設けられる。
 県は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用して発電設備を導入する地域団体への無利子融資事業と、小水力発電の事業化に必要な調査・概略設計費に対する補助事業を希望する団体を同月29日まで募集している。
 セミナーでは、地域主導の太陽光発電導入に関わる企業や小水力発電事業のコンサルタントの発表がある。事業導入における地域課題などについての個別相談会も催される。
 定員30人で参加費無料。所定の用紙で6月28日までに申し込む。県温暖化対策課TEL078・362・3273
(辻本一好)

http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201606/0009208140.shtml

2016/06/21

“2本の翼” 流れつかむ 非常時や農機充電に 落差なくても小水力発電 用水路向け装置福岡工大など開発【日本農業新聞】

2016年6月21日掲載
 福岡工業大学(福岡市)は農業用水路などで落差がなく、流れが緩やかな水路にも設置できる小水力発電装置「フラッター水力発電装置」を開発した。災害時の非常用電源や電動農機具の夜間充電など農村部での活用が期待できる。2本の翼が水中で左右に往復運動しながら発電する仕組み。水路の形を変える大規模工事は必要なく、既存の水路で簡単に設置できるため、初期費用が抑えられるメリットがある。
 地方では、農業用水路を使った小水力発電の設置ニーズは高い。だが、高速でプロペラを回す速い水流が欠かせず、水車の設置には滝のような落差が必要になる。土木工事や高額な発電機本体の費用負担が、普及の課題となっているという。
 今回開発した「フラッター水力発電装置」は、水中に沈めた翼が流れに対して左右に往復運動する仕組みで、落差がない水路でも毎秒1メートルの低流速から発電できる。福岡市の(株)技術開発コンサルタントと産学連携で取り組む。
 同大学工学部知能機械工学科の阿比留久徳教授によると、落差1メートルの水路で1キロワット発電できる一般の水車でも、毎秒1メートルの流速では発電は10ワットしかできない。一方、同装置では30ワットの発電が可能。もし毎秒4メートルの流速があれば2キロワット発電できるという。装置にはプロペラのような高速回転部がないため、ごみの付着やカエルや魚など水中生物を巻き込まずに済む利点もある。
 2016年1月から、熊本県南阿蘇村で実用化に向けた効果を検証中だ。幅1.5メートル、水深約50センチの農業水路に設置し、20〜50ワットを発電、発光ダイオード(LED)の外灯3本に送電している。4月の熊本地震でも装置は壊れず、今も小学生の通学路を照らしている。
 設置水路を貸す南阿蘇村の久木野村土地改良区は「管内の農業水路を有効活用できればいい」と関心を高める。村と連携し、発電装置が止まらないように水路のごみ撤去に協力する。村企画観光課の今村一行主幹は「携帯電話の充電など災害用の非常電源としても利用できる」と期待する。
 今後はバッテリーへの充電と放電の組み合わせを最適に制御して、ためた電力を有効的に利用する研究も進める。複数台を連結させればより多くの電力の確保できるとする。阿比留教授は「夜間の農機具充電やハウスの照明など農業分野での活用を目指し改良を重ね、事業化していく」と強調する。

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37979

2016/06/21

徳島・佐那河内村、小水力発電順調に稼働 売電益は維持費に【徳島新聞】

2016年6月21日
 佐那河内村が同村上に初めて整備した小水力発電施設が、順調に稼働している。市町村単独での整備は県内で初めて。売電益は集落排水施設の維持管理費に充てる。
 鉄骨平屋45平方メートルの建屋に発電用の水車(高さ1・5メートル、縦横各1メートル)と電気設備を備える。県いきものふれあいの里キャンプ場近くにある農業用水の調整池から長さ450メートルの導水管を引き、落差130メートルの水流を利用して水車を回す。水車を通った水は農業用水路に流れる。
 村は、再生可能エネルギーへの関心の高まりや固定価格買い取り制度の導入を受け、小水力発電を検討。2014年に着工し、15年9月に完成した。事業費は7600万円。地域用水環境整備事業として国から半額補助を受けた。
 15年10月の本格稼働から今年5月末までの平均出力は35キロワットと、目標としていた28キロワットを上回っており、発電量は約20万キロワット時に上る。売電益は集落排水施設の維持管理費に充てており、年1千万円を超えそうだ。
 県環境首都課によると、県が整備した同様の施設が阿南、美馬両市と上勝町の計3カ所にあるが、市町村による整備はなかった。村は2号機の建設計画も進めていて、16年度当初予算に基本設計費500万円を計上している。
 村産業環境課の佐河敦主幹は「機械の状態、発電量も良好。自然のエネルギーを生かした発電を進めていきたい」と話している。
【写真説明】【写真上】小水力発電施設の中にある発電用水車【写真下】佐那河内村が整備した小水力発電施設=いずれも同村上

http://www.topics.or.jp/localNews/news/2016/06/2016_14664719653095.html

2016/06/21

小水力発電とメガソーラーが農山村を変える、下水バイオガス発電も活発【スマートジャパン】

2016年6月21日掲載
農山村を「スマートビレッジ」へ発展させる構想を進める栃木県では、小水力発電の電力を電気自動車に蓄電して農業施設に供給するモデル事業を実施中だ。高原地帯ではゴルフ場の跡地が続々とメガソーラーに生まれ変わり、都市部には下水の汚泥を利用したバイオガス発電が広がっていく。
[石田雅也,スマートジャパン]

 栃木県は東日本大震災の直後から、農山村を対象にエネルギーの地産地消を推進する「スマートビレッジ」の拡大計画に取り組んできた。そのモデル事業の先駆けになったのが「鬼怒中央飛山(きぬちゅうおうとびやま)発電所」で、2012年3月から運転を続けている(図1 「鬼怒中央飛山発電所」の全景と水の流れ。出典:栃木県農政部)。

 この小水力発電所は宇都宮市内を流れる農業用水路に設置した。発電能力は2.5kW(キロワット)と小規模ながら、農山村で再生可能エネルギーを有効に活用するための工夫が随所に見られる。蓄電池と急速充電器を発電所に併設して、小水力発電で作った電力を電気自動車に供給できるようにした(図2 発電した電力を電気自動車に充電して農業で利用。出典:栃木県農政部)。全国で初めての試みである。

 同じ市内にある農業大学校まで電気自動車で電力を運び、園芸施設や酪農施設で利用する。災害が発生して電力の供給が止まっても農作物や家畜の育成に影響を及ぼさない仕組みを構築した。このほかに電気自動車から電動草刈機に充電できるようにするなど、再生可能エネルギーを利用して農作業に伴う燃料費とCO2排出量の削減に取り組んでいる。

 小水力発電で工夫した点の1つに、ゴミ処理の効率化がある。農業用水路には木の枝をはじめさまざまなゴミが流れていて、水車の回転を妨げてしまう状況が頻繁に発生しかねない。そこで水車の上部に除塵機を設置して、農業用水路を流れてくるゴミを除去できるようにした(図3  農業用水路を流れるゴミを除去する除塵機。出典:栃木県農政部)。

 鬼怒中央飛山発電所に設置した除塵機は材質を金属からプラスチックに変更したほか、先端部を下に向けてゴミを落ちやすくするなどの改良を加えた。この結果、人手でゴミを除去する作業は1年間に3回程度で済み、発電機の停止や発電量の低下は1度も発生していない。小水力発電の運転維持費を軽減できるうえに、年間を通して安定した電力の供給が可能なことを実証した。

 農山村の小水力発電はダムでも始まろうとしている。栃木県の北部にある「五十里(いかり)ダム」は60年前の1956年に完成して、当時は日本で最も高い112メートルの堤体で造った(図4  「五十里ダム」の全景。出典:国土交通省)。しかし洪水時にたまった水が濁ってしまい、下流の農業用水路などに供給する水質を悪化させる問題が生じていた。

 この問題を解消するため、ダムの取水設備と放水設備を更新するのと同時に、放流する水を利用して小水力発電を実施することにした。ダムから水を取り込む位置を調整できる選択取水設備を導入して、水が濁っている場合には上部から汚れのない水を取り入れる。取水設備の下に放流設備を新設して水車発電機に水を送り込む方式だ(図5 水力発電設備の導入イメージ(上)、選択取水設備の仕組み(下)。出典:国土交通省)。

 ダムからの高い落差を生かして発電能力は1100kWと大きい。年間の発電量は800万kWh(キロワット時)を見込んでいて、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して2200世帯分の電力を供給できる。栃木県が9億2500万円を投入して実施する発電事業で、2018年度末に運転を開始する予定だ。

 ○ゴルフ場の跡地にメガソーラーが続々と誕生

 栃木県の北部に広がる那須高原は国内有数のリゾート地である。一帯にはゴルフ場が点在しているが、最近では閉鎖するケースが増えてきた。広大なゴルフ場の跡地をメガソーラーに転換するプロジェクトが相次いで始まっている。

 栃木県の北部に広がる那須高原は国内有数のリゾート地である。一帯にはゴルフ場が点在しているが、最近では閉鎖するケースが増えてきた。広大なゴルフ場の跡地をメガソーラーに転換するプロジェクトが相次いで始まっている。

 その中で最大の「KEN那須烏山太陽光発電所」は2016年4月に運転を開始した。ゴルフ場のレイアウトに合わせて太陽光パネルを設置して、発電能力は28.8MW(メガワット)に達する(図6  「KEN那須烏山太陽光発電所」の全景。出典:ケン・コーポレーション)。年間の発電量は3500万kWhになる見込みだ。一般家庭で約1万世帯分の電力を供給できる。

 同じ高原地帯で2015年11月に稼働した「神奈川電力栃木太陽光発電所」も、ゴルフ場の跡地を利用した大規模なメガソーラーである。40万平方メートルを超える用地に7万7000枚の太陽光パネルを設置した(図7  「神奈川電力栃木太陽光発電所」の太陽光パネル(上)、ゴルフコースの跡地(下)。出典:オーイズミ)。発電能力は20MWで年間に2300万kWhの発電量を想定している。

 このメガソーラーの近くにあるゴルフ場の跡地では、「LS那須那珂川発電所」が2016年4月に運転を開始した(図8 「LS那須那珂川発電所」の全景。出典:タカラレーベン)。発電能力は15MWだが、発電設備の構成を通常のメガソーラーから大きく変えた点に特徴がある。発電した電力を外部に供給するためのパワーコンディショナーに小型の製品を採用して、建設費を抑えながら故障時のリスクを分散させた。

 合計で750台の小型パワーコンディショナー(出力20kW)を配置して電力を供給している。ゴルフ場の跡地は土地の形状がさまざまで、1カ所に設置できる太陽光パネルの枚数にばらつきが出る。小型のパワーコンディショナーを使えば、区画ごとに最適な台数を設置して効率を高めることができる。

 海に面していない栃木県の再生可能エネルギーは太陽光発電を中心に、中小水力とバイオマス発電を加えた3種類が拡大中だ。固定価格買取制度の認定を受けた太陽光発電設備の規模は全国で4位に躍進した(図9  固定価格買取制度の認定設備(2015年11月末時点))。最近の1年間ではバイオマス発電の導入量も大きく伸びている。

 ○下水と食品廃棄物でバイオガス発電

 特にバイオマス発電の取り組みが活発に進んでいるのは、下水を処理する浄化センターである。栃木県が運営する4カ所の浄化センターでは、2015年2月から5月にかけてバイオガスを利用する発電設備が相次いで運転を開始している(図10 栃木県が運営する浄化センターの再生可能エネルギー導入状況。出典:栃木県県土整備部)。

 従来は下水の処理過程で発生する大量のバイオガス(消化ガス)を焼却処分してきたが、新たに発電用の燃料として用途が生まれた。4カ所を合わせて7台の燃料電池と8台のガスエンジン発電機を導入して、合計で935kWの電力を再生可能エネルギーで供給できる(図11 「県央浄化センター」に設置した燃料電池。出典:建築技術研究所)。年間の発電量は1900世帯分に相当する680万kWhになる。

 県営だけではなく市営の浄化センターにもバイオガス発電の取り組みが広がっている。県内で最大の下水処理量を誇る宇都宮市の「川田水再生センター」では、年間に330万立方メートルも発生するバイオガスを使って発電事業を実施中だ。発電能力が105kWの燃料電池8台を導入して2016年4月に運転を開始した(図12 「川田水再生センター」のバイオガス発電設備。出典:メタウォーター)。

 年間の発電量は717万kWを見込んでいて、2000世帯分の電力使用量に匹敵する。この発電事業は宇都宮市が民間企業に委託する方式で、市は初期投資なしにバイオガスと土地の使用料を得ることができる。一方で民間の発電事業者は固定価格買取制度で電力を売却して、建設費と運転維持費を回収するスキームである。

 宇都宮市の西側に隣接する鹿沼市でも、同様のスキームによるバイオガス発電事業に取り組んでいる。下水や食品廃棄物を処理する「黒川終末処理場」に発電能力250kWのガスエンジン機を設置して、2015年7月に運転を開始した(図13 「鹿沼市黒川消化ガス発電所」の全景(上)、ガスエンジン発電機(下)。出典:月島機械、サンエコサーマル)。

 当初は下水の汚泥だけを利用して年間に90万kWhの発電量を見込んでいる。2016年度以降に食品廃棄物も加えてバイオガスの発生量を増やし、160万kWhまで電力の供給量を拡大させる計画だ(図14 下水汚泥と食品廃棄物を組み合わせたバイオガス発電計画。出典:月島機械、サンエコサーマル)。そのために食品廃棄物からバイオマス液を作り出す装置も導入する。下水と食品廃棄物を混合処理するバイオガス発電は全国でも珍しく、先進的な事例になる。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1606/21/news026.html

2016/06/18

エネルギー革命 日本だけが置き去りか【東京新聞】

2016年6月18日掲載
 「われわれの既存電力は再生可能エネルギーのバックアップのためにある」。ドイツの大手電力会社幹部は言い放つ。欧州、中国、中東さえ、世界は変わり始めている。ためらう日本を置き去りに。
 昨年ドイツでは、総発電量に占める再生可能エネルギー(水力を含む)の割合が30%に到達した。
 二位の褐炭火力は24%。風力、特に洋上風力の増設が目立つ。
 日本では12・6%(二〇一四年度)。うち8・2%が水力だ。
 ドイツは3・11を教訓に、二二年までの原発廃止をめざし、再生エネの割合を80%以上にするとの目標を掲げている。
 ことし元日、ドイツ(欧州)最大手の電力会社「エーオン」が、売り上げの大半を占める石炭火力部門などを「ユニパー」という新会社をつくって切り離し、再生エネ中心の会社に生まれ変わった。
 エネルギーの未来を見据えたこの大胆な改革は“エーオン・ショック”と呼ばれている。
 ドイツは特別な国なのか。
 自然エネルギー財団(東京)によると、今年第一・四半期の米国の再生エネ導入量は、化石燃料の七十倍以上も増加した。
 中国の研究機関は昨年、二〇五〇年までに電力の85%を再生エネで賄うビジョンを公表した。
 産油国のドバイでさえ、太陽光による電気の売値が、わずか一年半で半分に値下がりした。それだけ増えたということだ。
 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、今後十年で太陽光の発電コストは59%、洋上風力は35%、削減可能と予想する。
 一方、原発の建設コストは3・11以降、安全対策の必要性から高騰を余儀なくされている。膨大な廃炉コストも経営の重荷になる。
 英南西部で二五年の稼働をめざすヒンクリー・ポイント原発は、当初百二十億ポンド(約二兆円)と見込んだ事業費がすでに一・五倍に膨らんだ。「原発は割に合わない」。もはや世界の常識だ。
 膨らむ再生エネ市場には、毎年三十兆円の資金が流れ込んでいる。ドイツの狙いはそこにもある。
 3・11や温暖化対策だけではない。
 コストと投資。資金の流れがエネルギー社会の基盤を根底から変えつつある。
 原発事故に膨大なコストを費やしながら、ウランや化石燃料への依存から逃れられない日本こそ、特別な国とは言えないか。
 風向きではなく、時代が大きく変わる。乗り遅れてはならない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016061802000136.html

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