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2016/07/13

発電事業者の顔をのぞかせる山梨県の「蓄電エコノミー」  先進的な実験場を提供、進出企業に電気代の割引も【日刊工業新聞】

2016年7月13日掲載
山梨県が再生可能エネルギーの蓄電技術の開発を進めている。コンデンサー、リチウムイオン電池、水素貯蔵の3通りの蓄電方法を組み合わせた先進的な実験の場を企業に提供。参加企業は新技術を実践さながらの環境で試し、開発にフィードバックできる。パナソニックは、2020年以降の発売を目指す純水素型燃料電池を持ち込み、実証運転を始めた。

  「メガソーラー」が珍しかった12年に運転開始

 山梨県内の山で最も低い米倉山(標高380メートル)に、太陽電池パネル8万枚が敷き詰められている。県と東京電力が共同設置した出力1万キロワットの太陽光発電所だ。「メガソーラー(大規模太陽光発電所)」という言葉自体が珍しかった12年1月に運転を開始した。
 発電所の入り口にある施設「ゆめソーラー館やまなし」は、屋根に搭載された同20キロワットの太陽電池パネルと、雨水を利用した同1・5キロワットの小水力発電で電力を自給自足している。この施設が蓄電技術の実験の場だ。
 自給自足の課題は、天候による太陽光発電の変動。県企業局電気課の坂本正樹主査は「変動の種類でデバイスを使い分ける」と説明する。まず、出力(キロワット)が増減する瞬間的な変動(短周期変動)が起きると、館内に設置した電気二重層コンデンサーが稼働する。瞬時に充放電ができるコンデンサーの特性を生かし、出力の急変を緩やかにする。
 発電量(キロワット時)が増減する中・長周期変動は、大量の電力貯蔵に向くリチウムイオン電池が担う。発電量が増えると充電し、雨や曇りの日に放電して館内に送電する。
 リチウムイオン電池が満充電になると、水を電気分解して水素を生成する。再生エネを水素に変換して貯蔵し、電力が必要となると燃料電池に送って発電する。蓄電池と水素を組み合わせた変動吸収は珍しい。
 燃料電池は水素を直接、利用して発電する純水素型。パナソニックアプライアンス社技術本部の尾関正高部長は「使いながら最適な運転方法を見つけ出す」と実用化に向け、実証の成果に期待する。

  世界最大級の円盤蓄電システムで地方創生

 施設の近くでは、世界最大級のフライホイール(円盤)蓄電システムの実験も進む。増強した1000キロワットのメガソーラーの電力でホイールを回転させ、再生エネを運動エネルギーとして蓄電。電力が不足すると運動エネルギーを発電に使う。フライホイール蓄電で鉄道運行を省エネルギー化したい鉄道総合技術研究所などが、実証に参加している。
 県は安価な電力を県民に供給しようと、蓄電技術の開発を始めた。蓄電技術の普及に県内企業が携わることにより、地域経済の活性化も目指す。すでに県は進出企業の電気代の割引も始めており、蓄電を起爆剤とした地方創生が始まっている。
(文=松木喬)

http://newswitch.jp/p/5338

2016/07/12

大阪ガス、地域新電力に参入【産経WEST】

2016年7月12日掲載
 大阪ガスは、自治体が運営にかかわる地域新電力事業に参入する方針を固めた。平成28年度内にも奈良県生駒市との共同出資で会社を設立する。大手電力、ガス会社が地域新電力に加わるのは初めて。地域内の再生可能エネルギーを買い取り、地域内で販売する電力の「地産地消」を目指す。
 生駒市が環境的配慮や市民生活の向上のために計画した事業で、公募型プロポーザル(提案)に大ガスが参加。今年6月にパートナー事業者に選定された。生駒市議会の承認など手続きを経たうえで、地域新電力会社を作る。
 計画によると、電気は、市内の住宅や施設が持つ太陽光発電の余剰分、小水力発電など再生可能エネルギーを中心に調達し、卸電力市場なども活用する。足りない需要分は、天然ガス火力発電所などを持つ大ガスが補う。
 市内の公共施設への電気供給からスタートし、将来的には一般家庭や企業など市民への販売も進める。

http://www.sankei.com/west/news/160712/wst1607120075-n1.html

2016/07/10

農村実習 和歌山大生ら、高齢化集落の工夫実感 自前で発電、道路整備も 古座川町平井 /和歌山【毎日新聞】

2016年7月10日掲載
高齢化が進み、集落人口も100人弱まで減っている古座川町平井で、和歌山大の学生ら約20人が農作業などに取り組んだ。農村技術を学ぶ実習で、国有形文化財の北海道大和歌山研究林本館を拠点に毎年実施している。学生たちは「生き残ろうと必死に工夫している集落の努力を感じた。驚くことがたくさんあった」と口々に話した。【稲生陽】

 町や岩本功区長(72)によると、集落の人口は現在93人で8割を65歳以上の高齢者が占め、平均年齢は72・3歳。高齢化率は、県内30市町村で最も高い古座川町内でも特に高い。だが、約50年前から栽培するユズや山中で採る蜂蜜を使った特産品作りのほか、自前で小水力発電や道路整備にも取り組んでいる。
 2、3両日にあった実習は、和歌山大産学連携・研究支援センターの湯崎真梨子教授の授業の一環。参加した2、3年生たちは、前区長の農業、松林秀起さん(74)が山中に無数に設置された養蜂用の巣箱「ゴーラ」から蜂蜜を採ってみせると、驚いた表情で見入っていた。
 経済学部3年の本田昌也さん(20)は「道や橋だけでなく、電気まで作っていることに驚いた。集落を絶やさない、という強い思いを感じた」。システム工学部3年の堀内泰貴さん(20)は「この授業がなければ、農村がこれほど工夫していることを知らないままだった。来て良かった」と話していた。

http://mainichi.jp/articles/20160710/ddl/k30/100/293000c

2016/07/09

小水力講座 基礎から学ぶ 京都で29、30日 推進協 /京都【毎日新聞】

2016年7月9日掲載
 関西広域小水力利用推進協議会(京都市中京区)は29、30両日、京都市内で研修会「小水力をやってみたい! 基礎から学ぼうキャッチアップ講座」を開く。

 初日は東山区の東山いきいき市民活動センターで、住民参加型の小規模発電を実践しているNPO関係者による報告や、経産省担当者による固定価格買い取り制度の変更点などについての説明。鴨川の「みそそぎ川」での流量観測の体験もある。

 2日目は中京区玉蔵町121の美濃利ビルで、流量観測の基礎知識や関西エリアでの事業化案件の報告など。

 いずれも午前9時半~午後5時半。一般は1日3000円(会員2000円)、2日通し5000円(同3000円)。各会場とも先着50人(締め切り24日)。申し込みは希望日と氏名、住所、連絡先を書いてファクスかメール(075・371・0794、info@kansai-water.net)で。問い合わせは事務局の里中さん(080・7051・5830)。【榊原雅晴】

http://mainichi.jp/articles/20160709/ddl/k26/040/452000c

2016/07/08

インドネシアの再エネ普及を後押し、発電量46.7GWhの水力発電所を建設【スマートジャパン】

2016年7月8日掲載
再生可能エネルギーの普及進めるインドネシアでは水力発電の設備容量を、現在の約4000MWから2028年には1万5000MWに増強する計画を掲げている。同国で50年以上にわたって水力発電設備の設計監理に携わってきた日本工営は、現地法人を通じて今年の夏から同国のFITを活用した水発電事業に本格的に乗り出す。
[長町基,スマートジャパン]

 電力・公共社会基盤整備などの総合建設コンサルタント事業を展開する日本工営(東京都千代田区)のインドネシア現地法人が、このほどジャワ島で水力発電施設の建設に着手した。
 西ジャワ州チカエンガン川で小水力発電の開発権を持つインドネシア現地法人の Cikaengan Tirta Energi(以下、チカエンガン社)は、インドネシアの国有電力会社であるPLNと売電契約を2016年5月に締結。これに合わせてチカエンガン社は水力発電施設の建設を開始するなど、インドネシア版FIT(固定価格買取制度)を適用した売電事業に本格的に乗り出す。
 水力発電設備の建設場所はバンドン市の南東約90kmに位置する西ジャワ州ガルット県。設備容量の合計は約7.2MW(メガワット)で、出力3.59MWの横軸フランシス型水車を2基設置する。発電方式は流込み式で、1秒当たり8.2立方メートルの水量と101.6メートルの有効落差を利用して発電する。設備利用率は74%、年間発電量は46.7GWh(ギガワット時)を見込んでいる。
 同事業では、日本工営グループが水力発電施設の施工監理を行うことで事業費節減に努め、水車・発電機など設備の一部についてリースファイナンスを利用することでリスク分散を図る。
 同社は中期経営計画で「新事業の創出と拡大」を基本方針の1つとしており、小水力発電だけでなく太陽光発電、地熱発電など長期的な成長が見込める再生可能エネルギー発電事業への投資を検討している。同事業は日本工営グループ第1号の海外水力事業案件となる。将来的には水力IPP(Independent Power Producer)事業のグローバル展開を視野に入れている。
 インドネシアでは増大するエネルギー消費に対し、省エネと再生可能エネルギーの利用促進が課題となっている。さまざまな再生可能ネルギーの中でも、特に水力発電の導入ポテンシャルは大きいとされており、普及に期待がかかっている。同国では現在の水力発電容量約4000MWを、2019年に6300MW、2028年には1万5000MWに増強する計画である。
 日本工営は50年以上にわたってインドネシア水力発電事業の計画・設計・施工監理を行ってきた。その実績と同国における降水量や河川流量、地質などに関する知見を生かし、引き続きインドネシア国電源開発に貢献してく方針だ。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1607/08/news036.html

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