2013/08/17
2013年8月7日、神奈川県箱根町で東京電力グループの東京発電が190キロワットの小水力発電所(須雲川発電所)の営業運転を再開した。
Image from 東京発電
もともと箱根町の老舗旅館が自家消費用として開発した同発電所は老朽化のために1984年8月に廃止されたが、今回再生工事が行われよみがえったもので、年間発電電力量は110万キロワット時が見込まれており、発生した電力は再生可能エネルギー電力全量買収制度を利用して全量が東電に売電される。
同発電所は早川水系須雲川から毎秒0.58立方メートルを取水して約40メートルの落差を利用して発電を行っているが、今回の運転開始に伴って東京発電の保有する水力発電所は関東甲信越に69か所となった。
http://water-news.info/4749.html
2013/08/17
2013年8月6日、岐阜県岐阜市に本社を構える富士変速機が小規模水力・風力発電向けの増速器を開発したことが発表された。富士変速機は減速機・変速機・各種歯車・駐車場装置などの開発をしていることで知られているが、今回の増速器は再生可能エネルギーに対する関心の高まりに合わせて開発された。
Image from 富士変速機ホームページ
当面は特殊商品として発電量5.5キロワット相当で22万円程度で注文を受けるが、2014年12月期には1億円の販売を見込んでいる。
対応する発電機は1〜10キロワットで、設計は増速器専用のため、力を伝達する増速効率が90%以上と高いのが特徴となっている。独自の歯車技術によって低騒音も実現されているため、公園などでも使用することができる。
2013/08/13
福井県は原子力発電だけではない。未来に向けたエネルギーの拠点を目指して、太陽光や小水力発電によるエネルギーの多元化に取り組んでいる。市町村ごとに地域の特性を生かした再生可能エネルギーの導入を推進中だ。市民による共同発電所の建設プロジェクトも広がっている。
[石田雅也,スマートジャパン]
福井県は2005年に「エネルギー研究開発拠点化計画」を策定して、最近まで原子力発電に関連する研究開発に注力してきた。2013年からは新たにエネルギーの多元化を施策に加えて、太陽光や小水力発電などの再生可能エネルギーを促進することを宣言した。具体的な取り組みのひとつが「1市町1エネおこしプロジェクト」である。
県内に17カ所ある市町村が地域の特性に合った再生可能エネルギーを開発する計画で、これまでに10の市町村が協議会を設置して具体的なプロジェクトを開始した(図1)。原子力発電所が集まる若狭湾の周辺でも、美浜町で小水力発電、高浜町では森林資源を活用した木質バイオマス発電を「エネおこし」で検討している。
・・・中略・・・
現実には福井県を含めて日本海側の地域は日射量がさほど多くなく、必ずしも太陽光発電に適しているわけではない。むしろ再生可能エネルギーの中では小水力発電の可能性が大きく残っている。福井は米を中心に農業が盛んで、用水路も数多くある。「1市町1エネおこしプロジェクト」でも5つの市町村が小水力発電の導入を検討中だ。
そのうちのひとつが福井市内を流れる二枚田川(にまいだかわ)のプロジェクトである(図6)。この川には土砂災害を防止するための砂防設備があって、小水力発電に利用できる落差のある水流が存在する。小さな落差でも発電が可能なシステムを導入する計画である。
小水力の場合は発電量が小さいために、採算性の面で実施までこぎつけないケースが多くある。二枚田川のプロジェクトが成功すれば、ほかの候補地でも導入意欲が高まっていく期待は大きい。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1308/13/news008.html
2013/08/13
吉野町殿川地区で、住民が手作りの水車を回し、集会所の明かりをともした。同町三茶屋地区にも吉野杉の水車が設置され、身近な自然エネルギーを利用する小水力発電の取り組みが広がっている。
殿川集会所に設置された木製水車は直径1・6メートルで、排水溝の水流で24時間回転。中心部に自転車のハブ発電機を取り付けた。
1カ月間の蓄電で、2カ所の和室(12畳、9畳)と台所の照明、冷蔵庫、井戸ポンプの全電気量を約5時間分まかなえる。今後は「72時間」を目指す。
同地区は標高450メートルの山間にある集落で、雪や台風で停電が起きることも多い。大規模な災害が発生すれば孤立する危険度も高く、電源の確保は切実な問題になっていた。
ただ発電機の購入は当初から念頭になかったと言い、1年がかりで小水力発電に取り組んできた。「発電機を回すには燃料など大きなエネルギーが必要。身近な自然エネルギーで何とかしたいと思った」と制作グループの唯一行さん(66)は話す。
吉野町では今年1月、区長会や町、市民グループ、各種団体が町小水力利用推進協議会(竹内一会長)を発足。専門家のアドバイスも得て活動を広げた。
技術指導した京都市立伏見工業高校の足立善彦教頭(60)は「知恵と工夫があれば大丈夫。エネルギーを作り出すのは人のエネルギーだ」と力を入れる。
三茶屋地区には6月、常識をくつがえす吉野スギの大水車(直径3メートル)がお目見え。つくった電気でサクラをライトアップしている。
スギはマツなどより耐水性に劣るが「老朽化したらまた作ればいい」と地元産材を使うことに。大西治雄・前自治会長(66)は「自治会(35世帯)総出のボランティアで2カ月かけて完成した。こんな自治会はありません」と胸を張る。
東日本大震災以後、再生可能エネルギーへの関心が高まり、同協議会にも県内外から視察が相次ぐ。竹内会長(60)は「地域実情に合わせて小水力の利用の仕方は違うがもっと広げたい。そして町や吉野地域全体が活性化すれば」と期待する。
2013/08/13
農林水産省木曽川水系土地改良調査管理事務所は、農業水利施設を活用した小水力発電に向けて、矢作川総合第二期地区で実施設計を、青蓮寺用水地区で基本設計を2013年度に行う。