2014/03/28
県は宇都宮市竹下町の鬼怒中央飛山発電所で24日、農業用水を使った小水力発電を電源にした電気自動車(EV)急速充電施設を公開、小水力発電からEVに直接充電する取り組みを披露した。7月ごろをめどに、EVから農業用施設に電力供給も行う予定だ。県農政部によると、東京電力などの電力会社と接続しない独立型の小水力発電からEVへの直接充電、EVから農業用施設への電力供給は全国初の試みだという。
小水力発電は、水路にたまる葉や枝などのごみによる発電の停止、発電の効率性が課題だった。同発電所の施工業者の中川水力(福島市)が試行錯誤し、ごみを取り除く設備を改良。発電用の水車と連動して動く樹脂製の爪を水車のカバーに設置することで、ごみをかき出し、安定的な発電を可能にした。
蓄充電設備は小山市に生産拠点を持つ高岳製作所(東京都中央区)が開発。蓄電池充電用変換器や鉛蓄電池を備え、充電量が50%前後の電気自動車の場合、約1時間でフル充電できる。
この日は県や宇都宮大、関連企業などで構成する県スマートビレッジモデル研究会の会員ら約20人が参加。県の担当者が小水力発電を活用した急速充電施設からEVに充電を行った。
2014/03/28
入善町入膳の農業用水路に、町が取り組む小水力発電の設備「入善用水小水力発電所」が設置され、開所式が24日に関係者を集めて催された。黒部川水系の豊かな流水を利用した設備で、近くにある入善高校の上田農場に、ハウス運営用の電源として、発電した約3キロワットの電気を供給する予定だ。
「水の小径(こみち)」と呼ばれる遊歩道沿いの用水路に設置されたのは、水車を持つ2機の発電設備。導水路で水を流して水車を回す装置で、町の委託を受けた黒部川扇状地研究所で約2年前から、研究や実験を重ねてきた。同研究所長の水嶋一雄・日大教授らが改良を重ね、ごみや雪を設備の上側で素通りさせる方法を考えだし、実用化を容易にしたという。町は約600万円の予算をかけたが、コスト低減も目指しており、設備だけなら500万円弱で設置できるという。
開所式では、米沢政明町長が「身近な農業用水を使って再生可能エネルギーをつくろう、と取り組んできた。このノウハウを普及させたい」などとあいさつ。テープカットや電球点灯などで始動を祝った。(鵜飼真)
2014/03/27
富山市が進める環境未来都市計画の事業の一つが、初めて海外展開する見通しとなりました。
先日、市や県内企業でつくる訪問団がインドネシア・バリ島のタバナン県を訪れ、農業用水を活用した小水力発電施設の整備など現地でのプロジェクトに協力する協定を結びました。
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/index.html?TID_DT03=20140327192339&MOVE_ON=1
2014/03/24
東海北陸の高専七校の学生による「小水力発電アイデアコンテスト」の発表会が二十三日、鯖江市河和田町の河和田コミュニティセンターで開かれ、福井と金沢の両高専が優勝した。福井高専は昨年に続く連覇。
ものづくりを学ぶ高専の学生たちが、地域の川などを使って小水力発電の設計などに取り組むコンテスト。各高専でつくる実行委員会が開催し今年が三回目。今回は鯖江市河和田地区を舞台に学生たちが昨年八月から取り組み、その地形や地域の実情に合った発電装置を設計した。
コンテストでは関係者が各校の発電装置を見た後、発表会が開かれた。福井高専は尾花町の尾花川に水車を設置し、ポンプを動かして川の水をくみ上げる「自動融雪装置」のシステムを発表した。
学生らは、この装置の利用で、冬はくみ上げた水で道の雪を溶かし、夏は打ち水などにも利用できることをアピール。大雨などの増水時の対応を問われると、「せき止め装置を外して水を流すことができる」と対処法も紹介した。
(平林靖博)
◇各賞
優勝 福井、金沢▽市長賞 鈴鹿▽地域貢献賞 福井、岐阜▽地域住民賞 金沢▽学生大賞 金沢▽学生優秀賞 鳥羽▽技術大賞 福井▽アイデア賞 金沢▽技術賞 豊田▽効率賞 (1)福井(2)金沢(3)鈴鹿▽出力賞 福井、金沢、鈴鹿、豊田、富山
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20140324/CK2014032402000054.html
2014/03/19
前回は、神奈川県内における小水力発電の事例として、足柄地域の「文命用水」に設置されたものを紹介しました。今回は、箱根町と小田原市における小水力発電について見ていきたいと思います。
箱根町にある「須雲川発電所」は、元は地元の温泉旅館が自家発電用に設置したものを改修して、昨年8月から稼働されています。須雲川は芦ノ湖の近 くから流れ出て箱根湯本付近で早川に合流している河川で、初めに運転を開始したのは1954年とかなり歴史がありますが、1984年には老朽化を原因とし ていったん稼働を停止。その後は箱根町の所有となっていました。
その後、東京電力の子会社である東京発電株式会社が施設を譲り受けて再生工事に着手。現在も運営・管理を行っています。仕組みとしては、須雲川の 上流から毎秒0.58立方メートルの水量を取り込んで約42メートルの落差を利用し、発電機を作用させるという形。最大発電出力は190キロワット、年間 の発電量は約110万キロワットアワーを見込んでいるそうです。これは一般家庭250~300世帯分の電力使用量に相当し、発電された電気は固定価格買取 制度によって売電されています。
また、小田原市荻窪にある「駒形水車」では、小水力発電への活用も見据えて昨年11月に17年ぶりの改修が行われました。水車は約3.8メートルの木製のもので、小田原城址公園で倒木した松の木が活用されています。
この事業は同市による再生可能エネルギーの普及啓発のためのモデル事業にも位置付けられていて、発電機設置の準備にあたっては小田原城北工業高校電気研究部の生徒も協力。建屋内の清掃や周辺の除草なども行われました。
こちらは水量や落差に関してはそれほど大きくなく発電量もある程度限られるとのことですが、比較的市街地にも近いため、市の再生可能エネルギー活 用のシンボルとするべく、得られた電気を街灯に用いるなどの使い道が検討されています。現在はその準備段階として、水車の回転数把握や適した発電設備の選 定、発電出力の算定が行われており、この春には実際の発電がスタートする見込みとなっています。
(Keep Green & Blue Web編集部)