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2014/06/06

河川維持放流による小水力発電【AsiaBiomassOffice】

ダムからは、下流域にダムがなかった場合と同量の流水を確保することで水生生物などの生育環境・生態系を維持するために、常に一定量の放流が行われる。こ の維持の目的でダムからの放流される流量を発電に利用する場合は、環境に影響を与えないとして、2013年12月に河川法が改定された。改訂内容は河川維 持放流による水力発電の設置が「許可制」から「登録制」となり、手続きの簡素化・円滑化が図られた。

この規制緩和により、福岡県では県営ダムの放流水を活用した小水力発電について、事業の採算性の調査を行った結果、12ダムのうち4ダム(瑞梅寺、藤波、力丸、陣屋)で採算性が成り立つ結果が得られた。この中で最も採算性の良い瑞梅寺ダムが着工されることになった。

また、日本工営は中小水力発電を対象として、全国初のダムESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)事業を開始した。これは、水力発電設備を建設し、 発電の事業主体となって固定買取制度で売電収入を得ると同時に、これまで栃木県が負担していたダム管理の電気料金をESCO業者が負担し、設備の維持管理 費を除いた残りを利益するという事業である。

表1に維持流量発電所計画を運転開始予定順に示す。中部電力は自社のダムに対し、自らが事業者となり維持流量発電所を設置するだけでなく、グループ企業のシーテックとも協力し、事業を進めている。(2014年6月号)

表1 維持流量発電所計画

維持流量発電所 ダム名 発電所出力 運転開始 発電事業者
寺山ダムESCO事業発電所 栃木県寺山ダム
(栃木県矢板市) 190kW 2013年9月 日本工営
瑞梅寺ダム放流水小水力発電所 福岡県瑞梅寺ダム
(福岡県糸島市) 99kW 2014年末(予定) 糸島市
新串原(しんくしはら)水力発電所 中部電力矢作第二ダム
(岐阜県恵那市) 220kW 2015年6月(予定) 中部電力
阿多岐水力発電所 岐阜県営阿多岐ダム
(岐阜県郡上市) 190kW 2015年6月(予定) 中部電力
秋神水力発電所 中部電力秋神ダム
(岐阜県高山市) 290kW 2016年4月(予定) シーテック
中木庭ダム小水力発電所 中木庭(なかこば)ダム
(佐賀県鹿島市) 195kW 2016年4月(予定) 西技工業・九州電力・九電工連合体
出典:各プレスリリースから作成

参考資料:
? 国交省 小水力発電普及促進への取り組み
https://www.mlit.go.jp/river/riyou/syosuiryoku/131211_syousuiryoku_pamphlet.pdf
? 福岡県・糸島市 プレスリリース
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/81088_16532244_misc.pdf
http://www.city.itoshima.lg.jp/uploaded/attachment/8372.pdf
? 佐賀県 プレスリリース
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1261/kk-damu/_76143.html
? 株式会社シーテック プレスリリース
http://www.ctechcorp.co.jp/news/wp-content/uploads/2014/04/26-04-21.pdf
? 中部電力 プレスリリース
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3219938_6926.html
? 日本工営 プレスリリース
http://www.n-koei.co.jp/news/2013/20130920.html

http://www.asiabiomass.jp/topics/1406_03.html

2014/06/06

新城市作手で小水力発電スタート 鳥獣害対策や非常用電源など有効活用【東日新聞】

再生可能エネルギーによる自立・分散型の供給システム実現を図る愛知県新城設楽農林水産事務所(高橋常昭所長)は30日、新城市作手清岳で高里第1地区小水力発電施設引渡式を実施。施設を維持管理する作手村土地改良区(菊地勝昭理事長)に対し目録が贈呈された。

 愛知県は、農業用水を利用した小水力発電の導入を推進。今回、作手地区に県内6カ所目(新城市内では四谷地区に続き2カ所目)の施設が完成し、地元の鳥獣害対策用電気柵や街灯・防犯灯、非常用電源となる地産地消電力の有効活用が期待されている。

 作手地区を南北に流れる古宮川両岸の揚水機場に、工事費220万円で2台設置された発電機は、最大出力3~10㍗らせん式ピコ水力発電装置で、流水の落差を利用して発電。

 発生した電力は、シカ・イノシシなど鳥獣害の防止電気柵用バッテリー充電や揚水機場内照明に利用され、地元農家の農作業維持管理費の省力化も図る。

 新城市では、作手地区を中心に発電所跡地7カ所を含む21カ所が発電適地として報告され、貴重な資源として稼働の期待が高まっている。

 二酸化炭素の排出量が少ない小水力発電は、環境負荷が小さく昼夜・天候に左右されない安定発電が特徴。

 引渡式に出席した穂積亮次市長は「地元地域の新しい活動の拠点として次世代に引き継ぎ、地域産業活性化につなげたい」とした。

http://www.tonichi.net/news/index.php?id=37445

2014/06/06

岡山県、小水力発電導入の為の調査費に補助金【環境ビジネス】

岡山県は、県内の河川、上・下水道、農業用水路等において、1,000kW以下の小水力発電を導入するために「基礎調査」または「基本調査」を実施する発電事業者に対して、調査委託費の一部を助成する「岡山県小水力発電導入促進補助金」の公募を開始した。

補助率は、「基礎調査」は補助対象経費の1/2以内(上限50万円)、「基本調査」は補助対象経費の1/2以内(上限200万円)。申請希望者は6月9日から7月8日までに調査計画書等を提出すること。7月中旬以降に交付申請者を決定する予定。なお、今回はデータ収集目的の調査や実証実験等一時的な設備導入のための調査などは対象外。

http://www.kankyo-business.jp/news/007937.php

2014/06/06

水田を潤す用水路で小水力発電、37メートルの落差を生かして280世帯分【スマートジャパン】

自然エネルギー:水田を潤す用水路で小水力発電、37メートルの落差を生かして280世帯分 稲作が盛んな福井県の内陸部で、農業用水を活用した小水力発電所が運転を開始する。洪水と干ばつを繰り返してきた河川にダムと用水路を整備して8年が経過 したところで、新たに未利用の水力エネルギーを生かして発電事業を実施することにより用水路の維持管理費を軽減する狙いだ。 [石田雅也,スマートジャパン]

福井県の中央を流れる日野川の流域には水田が広がり、水を安定して供給するために「日野川用水」がはりめぐらされている。幹線と支線を合わせて 170キロメートルの農業用水路で、4つの市と町にまたがる5000万平方メートルの水田を潤す。この用水路の水流を活用した「日野川用水発電所」が6月 8日に運転を開始する(図1)。

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図1 「日野川用水発電所」の位置と用水路。出典:日野川用水土地改良区

農業用水路では幹線から水流を分けるために、「分水工(ぶんすいこう)」と呼ぶ施設を主要な地点に設置している。分水工には水流の落差が必要で、 小水力発電に適した場所になる。日野川用水発電所は分水工に水流を送り込むために造られた37メートルの大きな落差を利用して発電する仕組みだ(図2)。

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図2 小水力発電の仕組み。出典:日野川用水土地改良区

発電能力は141kWあって、年間の発電量は102万kWhを想定している。一般家庭で280世帯分の電力使用量に相当する。発電した電力は固定 価格買取制度で売電して、年間に約3500万円の収入を得ることができる。売電収入は用水路の維持管理費の低減に生かす方針だ。

発電所を建設する総事業費は2億1000万円かかった。総事業費のうち50%を国が負担して、30%を福井県、残り20%を地元の自治体と用水路を管轄する日野川用水土地改良区が分担した。

発電設備の利用効率を表す設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は83%で、小水力発電の中でも高い水準になる(通常は60~70%程 度)。農業用水は季節によって水量が変わり、それに伴って発電量も変動する。水を必要としない冬の「非かんがい期」や、田植えの直前に大量の水を必要とす る春の「代掻期(しろかきき)」の前後で水量の変化が激しい(図3)。

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図3 発電に利用する水量の変化(単位:立方メートル/秒)。出典:日野川用水土地改良区

水力発電の発電量は水量と落差で決まるため、年間を通じて安定した水量を利用できる状態が望ましい。日野川用水発電所の場合は、水量が少なくなる期間が春先の1カ月強で短いことから高い設備利用率になる。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/06/news015.html

2014/06/05

Misumi、小水力発電に参入 10年で30~40カ所【日本経済新聞】

Misumiは小水力発電事業に参入する。第1号の水力発電所を鹿児島県南大隅町で9日に着工し、来年11月の完成を目指す。今後、約10年間で水力発電所を主に九州全域で30~40カ所建設する。バイオマス発電も検討する。再生可能エネルギー関連の事業を、主力の石油・ガスのエネルギー事業に続く新規事業の柱に育てる。

 九州の南端、大隅半島の南大隅町に建設する「佐多辺塚水力発電所」は最大出力199キロワット。年間発電量は約110万キロワット時で、一般家庭約300世帯分に相当する電力が賄えるという。全量を九州電力に売電し、年間売上高は約3800万円を見込む。JA鹿児島きもつき(同県鹿屋市)などから山林などを購入。総事業費は土地代を含めて約3億円。

 同社によると、約60年前に建設された水力発電所跡地を活用、取水ぜきの導水路に新たに管路を敷設して発電装置を設置する。落差62メートルを流れ落ちる水で水車を回して発電する。日常の点検や管理業務は地域住民に委託する。

 小水力発電所は一般的に発電能力が1000キロワット以下で、新たに大きなダムを建設する必要がない。天候に左右されにくい再生可能エネルギーとして注目されている。

 同社では鹿児島、熊本、宮崎の南九州3県を手始めに、同様の小水力発電の適地を探し、建設を進める。軌道に乗れば九州全県のほか、中国地方にも事業を広げる。10年後には年間で15億~16億円の売上高を目指す。

 水の利用については権利が複雑に絡むため、県や市町村に豊富な雨量や保水能力がある未利用地などの適地を探してもらう。さらに木材チップを利用したバイオマス発電も視野に入れる。

 MisumiはJX日鉱日石エネルギー系の石油卸。2015年3月期の連結売上高は745億円(前期比10%増)を見込んでいる。鹿児島県を中心に給油所を展開しているほか、工場向けの石油製品やガス製品を販売している。ただ今後、ハイブリッド車の普及やガス事業の自由化で、販売競争が一層激化することが予想されている。有望な再生可能エネルギー分野に進出し、収益拡大を狙う。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO72279330U4A600C1LX0000/

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