過去に投稿された記事の一覧です。

2014/07/04

本格的な小水力発電所 美郷町で建設へ (秋田県)【日テレNews24】

小水力発電を手がけている県内のベンチャー企業が、美郷町の農業用ため池を利用して、初めて本格的な小水力発電所を建設します。
事業費およそ2億5000万円をかけて小水力発電所を建設するのは秋田市に本社がある東北小水力発電株式会社です。美郷町にある仏沢ため池でまもなく建設をはじめ来年4月の運転開始を目指します。ため池や用水路などの水力で発電する小水力発電は、水利権の関係や安定した水量の確保など条件が多いことから事業化が進んでいません。今回、建設される仏沢小水力発電所は発電出力が199キロワットと全国の小水力発電の中でも比較的大きく、一般家庭およそ300世帯の年間使用量にあたる97万1000キロワットアワーを発電します。会社では発電所を多くの人に見てもらい、今後10年で、全国70~80か所で建設を目指したいと話しています。

http://news24.jp/nnn/news8616839.html

2014/07/04

砂防ダムに穴を開ける? 水を貯めないダムで水力発電【スマート・ジャパン】

日本工営は長野県高山村を流れる松川で出力420kWの小水力発電所「高井発電所」の建設を開始した。2015年9月の完成を予定する。貯水機能を持たない砂防ダムで初の取り組みを進める形だ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]2014年07月04日 11時30分 更新

「砂防ダムに直接穴を開けて水を引き出し、小水力発電所に導く事例として、国内でもいち早い取り組みだと考えている」(日本工営)。

日本工営が2014年7月3日に着工し、2015年9月の完成を予定するのは、「高井発電所」(長野県高山村奥山田)だ(図 1)<sup>*1)</sup>。7億円を投じ、出力420kW、年間発電量約270万kWhを生み出す小水力発電所である。 中部電力の配電線を通じて、新電力(PPS)への売電を計画しているという。

小水力発電所は安定した水を入手でき、落差があればさまざまな立地に建設できる。農業用水やダム放流水、水が自然に流れている送水管、はては水道管(本管)でも可能だ。

*1) 日本工営が資金と技術者を提供、同社と高山村が出資する長野水力が大林組の協力を得て設計・調達・建設を進める。施設を所有し、管理・運営を担うのは長野水力。

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図2 高井砂防ダムの標識 出典:日本工営

日本工営が今回選んだのは、信濃川水系の松川だ。山間部を流れる松川の「高井砂防ダム」(図2、図3)が発電所の舞台である。砂防ダムは土石流な どの土砂災害が起こらないように作られたダムであるため、内部に貯まるのは水ではなく岩や土砂だ。「ダム」と名付けられていても貯水機能はない。水が貯 まっていなければダム式の発電はできない。しかし川の水の流れはある。そこで、ダムの一部に穴を開けて水を取り出す。ダムの「越流水」の一部を利用して流 込式水路式の発電を進める。

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図3 高井砂防ダムの全景 出典:日本工営

高井発電所の完成予想図を図4に示す。

まず、砂防堰堤(えんてい)の左側に貫通孔を設け、取水設備を新設する。ここには沈砂池があり、水と土砂を分ける。土砂はU字溝を通って下部の堰 堤に戻る。水は新設する導水管(水圧管)に通す。導水管の直径は900mm、約100mの長さがある。導水管の末端に発電所の建屋を置き、横軸フランシス 水車と同期発電機を使って発電する。

発電量を決める未利用落差は36m、最大使用水量は1.4m<sup>3</sup>だ。川の上流部にある小水力発電所だが、設備利用率も73%ある。

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図4 松川、高井ダムと高井発電所の関係 出典:日本工営

同社は水力発電を中心としたコンサルティング部門と電力会社に納入する部材や発電機を製造するエンジニアリング部門からなる。「当社の強みはコン サルティング、ものづくり、完成後のモニターまでを一貫して取り組むことだ」(同社)。高井発電所ではコンサルティング部門がサイトを選定し、部材はエン ジニアリング部門が製造する。「河川を利用した小水力発電では漁業権や利水権の調整に時間を要する。松川は自然の条件によって酸性になっているため、漁業 権の調整はほとんど必要なかった」(同社)。

小水力発電では先進的な取り組みが多いという。例えば、自治体側が予算措置を講じないでダムに水力発電の機能を追加するESCO(Energy Service Company)事業を国内で最初に立ち上げている(関連記事)。 これは栃木県の寺山ダムの事例(190kW)だ。鹿児島県伊佐市では同市が「東洋のナイアガラ」と呼ぶ観光名所「曽木の滝」を利用した新曽木(しんそぎ) 水力発電所(490kW)を作り上げた。滝の「観光機能」を損なわず、そのまま小水力発電所に変えたところが新しい。

現在は、福島県でダムESCO事業に着手しており、北海道では破損により使えなくなった発電所を買い取り、再生する事業を予定している。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/04/news061.html

2014/07/02

ため池に小水力発電所…美郷【読売新聞】


小水力発電◎の開発企業「東北小水力発電」(秋田市)は2日、美郷町金沢東根の仏沢(ほとけざわ)ため池に最大出力199キロ・ワットの小水力発電所を建設すると発表した。9月に工事に取りかかり、来年4月の運転開始を目指す。

同社によると、事業費は約2億5000万円。想定年間発電量は97万1000キロ・ワット時で、一般家庭約280世帯分の年間使用量に相当するという。 電力は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して東北電力に売電する。年間売電額は3300万円と見積もり、7、8年で投資額を回収できると 計画している。

同社は「ノースエスコジャパン」の社名で自家発電機の販売などを行っていたが、11年3月の東日本大震災で再生可能エネルギーが注目されるなか、同年 10月に現社名に変更し、小水力発電事業に特化した企業として再出発した。これまで仙北市の農業用水路で小水力発電の実証実験を行っており、本格的な売電 事業としては仏沢ため池が第1号となる。

仏沢ため池は面積約14ヘクタール、貯水量約112万立方メートルの農業用ため池。年間を通じ水量が豊富なことや、発電設備を設置する水の出口と、取水 口の高低差が最大で約27メートルあるため、十分な落差が得られることから適地と判断した。ため池を管理している七滝土地改良区には使用料などが支払われ る。

計画では、灌漑(かんがい)用として仏沢ため池に整備されている配管を利用する。止水弁で配管内を水で満たした後、勢いよく落下した水で水車を回して発電する。

県庁で記者会見した同社の和久礼次郎社長は、「小水力発電は天候に左右されず、安定した発電ができる。今後、ため池活用方式の小水力発電所の建設を広めたい」と話した。

◎小水力発電 農業用水路などを利用して行う小規模な水力発電。既存の設備を活用するため、ダムを新たに造るより小さな資金で建設できる。再生可能エネルギーによる電力を高く買い取る固定価格買い取り制度で採算が合うようになり注目されている。

http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20140702-OYTNT50289.html

2014/07/02

山梨県企業局、小水力・大城川発電所の電力を一般入札で売却 公営事業者で初【電気新聞】

 山梨県企業局は、小水力の大城川発電所の電力について、売却先を一般競争入札で決定する。公営電気事業者(全国26自治体)が運営する小水力の電力売却で、一般競争入札を行うのは初めて。同県企業局によると、今回新たに開発し、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)適用の電源にあたることから、電力の売却に一般競争入札の導入を決めた。

 大城川発電所は現在建設中で、2014年9月に運転開始する予定。契約供給期間は、14年9月1日~16年3月31日。受給最大電力は49キロワット、年間売却電力量は37万5100キロワット時。契約期間内に発電を予定する約57万8900キロワット時の全量を売却する。予定価格は、1キロワット時当たり34円(税抜き)。

 また、応札要件として、6月1日時点で同県内の自治体や民間事業者に電力を供給している事業者とする。契約供給期間内についても、今回買い受けた電力量を同県内に供給する事業者としており、公営電気事業者として電力の地産地消を推進する。

 きょう(2日)に入札参加を締め切り、10日に開札を予定する。

 同県企業局によると、現在までに複数の事業者から問い合わせがあったという。

 同県では、ダムや上水道を利用した小水力の開発に力を入れている。今回、電力の売却を行う大城川発電所は、同県が進める小水力モデル事業の4例目となる。同県では「やまなし小水力ファスト10」を展開しており、15年から10年間にわたって、10カ所程度(約20億円規模)の小水力の開発を目指す。

 これらで発電した電力についても、一般競争入札で売却先を決める方向で検討している。

※紙面から転載

2014/07/02

日本工営/小水力発電施設整備に相次ぎ着手/長野県高山村と宮崎県椎葉村で 【建設工業新聞】

日本工営は、保有する技術やノウハウを生かした新分野として力を入れている「小水力発電関連事業」で、新施設の整備に相次ぎ着手する。長野県高山村にある砂防ダムを利用する事業で発電所の建設工事を2日に始動。4日には公募型プロポーザル方式で宮崎県椎葉村から受託した村営水力発電所の更新工事に着手する。同社は小水力発電事業で現在、自社開発で13年4月に商業運転を始めた新曽木水力発電所(鹿児島県伊佐市)など国内外で9件(検討中を含む)のプロジェクトを進めている。
 高山村で進める小水力発電事業は、信濃川水系松川に整備され県が管理する高井砂防ダムの堤体に貫通孔を設けて取水し、堤体直下に新設する高井発電所で発電を行う。日本工営と、同社と高山村の共同出資で設立した長野水力(長野市、横田裕史社長)の連携プロジェクト。最大出力は420キロワット、年間発電量は約270万キロワット時を計画しており、発電した電力は全量売電する。日本工営が発電所の建設資金と技術者を提供し、長野水力が事業主体となり発電所の建設、運転・維持管理を行う。15年9月の運転開始を目指す。2日に現地で安全祈願祭を行い、大林組の施工で工事に着手する。
 4日に着工するのは椎葉村間柏原(まかやばる)水力発電所更新工事で、老朽化した村営水力発電所をリニューアルするプロジェクト。日本工営は設計・施工一括で事業を受託。測量・地質調査、実施設計・監理、許認可手続き代行、土木・建築工事、機械設備製作据え付け、電気設備関連工事などを担当する。同社がEPC(設計・調達・施工)契約で水力発電関連事業を受注したのは今回が初めて。更新後の定格出力は740キロワット、年間発電量は386万キロワット時を計画しており、15年3月の運転開始を目指す。
 同社の小水力発電関連事業は、新曽木水力発電所とダムESCOとして受注した寺山ダム発電所(栃木県矢板市)が現時点で運転中。ダムESCOの塩原ダム発電所(栃木県那須塩原市)と福島県いわき市で行う四時ダム発電所は、来春の運転開始に向け建設工事が進む。
 高山、椎葉両村で今週着工する発電所以外にも、北海道遠軽町では16年4月の運転開始を目指して「(仮称)白滝発電所」プロジェクトが進行しており、現在詳細設計に入っている。鹿児島県薩摩川内市でも経済産業省の補助金を活用してらせん水車による水力発電の実証試験を行う。海外ではインドネシア・ジャワ島で定格出力7200キロワットの「チカエンガン水力発電」プロジェクトを計画している。

http://www.decn.co.jp/?p=14625

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