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2016/04/26

伊勢志摩サミットを控える三重の「再エネ循環システム」 G7の中高生らも見学【環境ビジネスオンライン】

2016年4月26日掲載
NTN(大阪府大阪市)は、25日、同社が2015年3月に発表した中期経営計画「NTN100」で定めた重点施策である自然エネルギー事業推進のため、先端技術研究所(三重県桑名市)における取り組みについて、発表した。

同社は、研究所内の自然エネルギー循環型モデル「グリーンパワーパーク」で、自然エネルギーを効率よく回収し、必要な場所への最適分配を提案している。ここでは、NTNが開発した垂直軸風車を3基、小水力発電装置を1基、風力と太陽光のハイブリッド街路灯を3基設置し、自然エネルギー関連装置の実証実験を行っている。また、これらの設備で発電した電力を電気自動車(EV)の充電や、レタスやトマトなどを栽培する工場の空調電源等に使用することで、自然エネルギーの循環モデルを構築する。

今月23日には、「2016年ジュニア・サミット in 三重」(28日まで開催)に参加する、G7各国から選ばれた中高生28名が、この「グリーンパワーパーク」を視察に訪れ、同社が開発した風車や小水力発電装置、ハイブリッド街路灯、野菜工場などを見学した。

このジュニアサミットは 、国内外の中高校生が、持続可能な社会をテーマに、国際問題について討議などをおこなうもので、5月26・27日に行われる伊勢志摩サミットに先立ち開催されている。なお、伊勢志摩サミットは「持続可能な開発目標(SDGS)」を中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択後、初のサミット。

軸受・ドライブシャフトメーカーである同社は、中期経営計画「NTN 100」における重点施策のひとつとして自然エネルギー事業を推進 しており、小形風力発電装置や小水力発電装置の開発に取り組んでいる。同社は、今回のジュニアサミットメンバーの視察を、未来を担う子どもたちに、大規模ではなく、小規模コミュニティでも実現できる循環型モデルの事例を伝えることを目的とし、実施した。

https://www.kankyo-business.jp/news/012571.php

2016/04/26

長大/比ミンダナオ島で新たな再生エネ事業始動/6社が覚書交換、JCM獲得めざす【日刊建設工業新聞】

2016年4月26日掲載
 長大がフィリピン・ミンダナオ島で現地企業などと展開している地域開発プロジェクトで、新たな取り組みが始動した。同島北東部・北アグサン州ブトゥアン市を中心とするカラガ地域を対象に今後、現地企業などと共同で再生可能エネルギー事業のマスタープランを策定。既に実施している小水力・バイオマスに加え、太陽光や地熱を活用した発電事業を展開する。地域・経済開発に直結する事業として、長大らは温室効果ガス削減の2国間クレジット制度(JCM)の獲得を目指す。
 同島で展開する再生可能エネ事業には長大をはじめ、▽基礎地盤コンサルタンツ(東京都江東区、岩崎公俊社長)▽自然電力(福岡県中央区、磯野謙社長)▽アラムポート(東京都文京区、小谷文人社長)▽エクイパルコ(ブトゥアン市、ロニービック・ラグナダ社長)▽ツインピーク(同、高野元秀社長)-の6社が参画。22日に同市で事業実施に向けた覚書を交換した。
 6社は、産業振興や雇用創出と低炭素型地域開発を両立する電力供給の基本計画としてマスプラを策定。同市に提案して計画への理解と協力を求めていく。プラン策定と並行し、長大ら日系企業が持つ再生可能エネ開発のノウハウを活用して太陽光、風力、地熱の各発電事業を早ければ年内にも具体化させる。
 長大やエクイパルコは、11年から同市で小水力発電事業や水道供給コンセッション、アグリビジネスなどを展開。民間主導型PPPによる地域開発を進めている。事業着手から5年が経過し、各事業が軌道に乗りつつあることから、16年から5年間をプロジェクトの第2段階と位置付け、再生可能エネ開発の拡大や低炭素型工業団地の整備を推進。日本とフィリピンの行政機関も巻き込む形でPPPによる地域開発を本格化させる。
 長大は、自ら投資するなどして積極的にプロジェクトに関与するとともに、日本の企業や技術を事業に活用する橋渡し役を担当。海外で得た地域開発のノウハウを国内に逆輸入し、地方創生にも貢献する考えだ。

http://www.decn.co.jp/?p=66921

2016/04/25

水車発電機を地域で開発する ― 秀建コンサルタント「開放型振り子式下掛け水車」【環境ビジネスオンライン】

2016年4月25日
 事業性を前提に導入される小水力発電は、主に河川や農業用水路などから離れた場所に建てられた発電所まで水を引き込んで発電する。

今回紹介するのはそれとは異なり、農業用水路のような人工水路などに水車と発電機を設置して発電する方式で、一般的に水路設置型と呼ばれているもの。そのタイプで、「開放型振り子式下掛け水車」を開発した、山梨県中央市で土木コンサルタント会社を営む(株)秀建コンサルタントの社長、中込秀樹さんに話をうかがった。

水路設置型の課題と工夫

「水路設置型は導水路工事が省けます」。
通常、長い導水区間を設ける小水力発電では、導入コストのうち5~8割が土木費になるというから、水路設置型ではコスト面でメリットがある。

(続きは転載元より会員登録のうえ閲覧できます)

https://www.kankyo-business.jp/column/012529.php

2016/04/24

福島発 産業観光で再生手応え 風評被害克服へ土湯温泉の挑戦【産経ニュース】

2016年4月24日掲載
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から5年1カ月以上がたつが、福島の温泉街は風評などで大きなダメージを負い、いまなお傷跡は深い。福島市の土湯温泉もその一つだが、「産業観光」で町の再生を目指す企業「元気アップつちゆ」のユニークな取り組みに復活のヒントを探った。(黒沢通)

再生エネで町づくり

 土湯温泉は震災前は16軒の旅館があり、1日に2300人を収容できた。震災後の休廃業で現在は11軒が営業、収容可能人数も約1500人まで減った。

 被災で打ちひしがれる土湯に「元気アップつちゆ」が設立されたのは平成24年10月。加藤勝一(かついち)社長(67)は「途方に暮れる地域を何とか復興させ、再生したいとの思いから始まった」と振り返る。

 出資は湯遊(ゆうゆう)つちゆ温泉協同組合が90%の1800万円、NPO法人土湯温泉観光まちづくり協議会が10%の200万円出資。復興と再生、魅力ある地域の構築が設立の狙いだ。

 核となる事業は、(1)温泉を活用したバイナリー発電事業、(2)砂防堰堤(えんてい)を利用した小水力発電事業、(3)国と福島市と連携する都市再生整備計画事業-の3つだ。

 バイナリー発電は源泉段階のお湯や蒸気の熱を利用して水より低い沸点の液体(ペンタン)を蒸気化させ、発生した蒸気でタービンを回す仕組み。入浴に不要の余分な熱を使うため、湯量や成分に影響はないのも魅力だ。

 「土湯温泉16号源泉バイナリー発電所」は27年11月に完成。最大出力は400キロワット(一般家庭750世帯分の消費電力に相当)、売電額は1億円を見込む。商用バイナリー発電事業は東日本では初めてだ。

 また、砂防堰堤を利用した小水力発電所(27年4月完成)は出力140キロワットで売電額は3千万円だ。

 加藤社長は「再生可能エネルギーを通じた新たな町と観光地をつくる。売電収入の一部は復興に活用する方針だ」と話す。発電施設周辺には、再生可能エネルギーの体験学習施設を建設し、来場者が見学しやすい環境を整える。

「新しい光、見てほしい」

 土湯温泉への観光客などの入れ込み数は震災前23万人だったが、24年度は7万人にまで落ち込んだ。26年度は18万人まで回復したものの、「震災前に戻すだけではじり貧。発電施設の視察が1万人を超え、産業観光が新たな観光資源となった。選択は間違っていなかった」と加藤社長は言い切る。3年後に宿泊20万人、日帰り10万人の計30万人の入れ込みが目標だ。

 今年3月には都内で開かれた地熱資源開発を促すイベントにも参加。温泉とバイナリー発電事業を有機的に結びつけた観光の形を提案した。

 今年は3年にわたって行われた大型観光イベント「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」の集大成の「アフターDC」が6月まで開催されている。温泉は「花」「食」ともに主役の一つだけに期待は膨らむばかり。加藤社長が言う。

 「『観光』はその国の光を見ることと言われる。ぜひ、全国から土湯温泉を訪れ、地域に芽生えた新しい『光』を見てほしい」

http://www.sankei.com/region/news/160424/rgn1604240020-n1.html

2016/04/22

ダムの内部に水車発電機、19メートルの落差で160世帯分の電力を作る【ITmedia】

2016年4月22日掲載
山口県の企業局がダムに建設した小水力発電所の運転を開始する。ダムから水を取り込むための取水塔の内部に水車発電機を設置した。一般家庭で160世帯分の電力を供給しながら、取水量を制御する弁の役割も果たす。固定価格買取制度を通じて20年間に4億円弱の売電収入を得る見込みだ。
[石田雅也,スマートジャパン]

山口県の宇部市(うべし)は瀬戸内海沿岸の工業地帯で知られる。広大な工業地帯に水を供給する役割を担うのが「宇部丸山ダム」だ。このダムの湖面に突き出た取水塔の内部で、新たに小水力発電が始まろうとしている(図1)。

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図1 「宇部丸山発電所」の概要(画像をクリックすると取水塔を拡大して表示)。出典:山口県企業局

ダムを管理する県の企業局が4月26日に「宇部丸山発電所」の運転を開始する予定だ。貯水塔は40メートルを超える高さがあり、上部だけが湖面から上に出ている。内部の下のほうにはダムから水を取り込むための導水路が設けられていて、その途中に水車発電機を設置した(図2)。導水路を流れてきた水を取水塔の内部で垂直方向に分岐させて水車発電機に取り込む。

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図2 取水塔の内部と水車発電機の設置イメージ。出典:山口県企業局

このような仕組みでも実際に発電に利用できる水流の落差は19メートルになる。水がダムの上のほうから導水路を通って流れてくるからだ。水車発電機に取り込める水量は最大で毎秒1立方メートル弱になり、130kW(キロワット)の電力を供給できる。

年間の発電量は57万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して160世帯分に相当する。固定価格買取制度を適用して1kWhあたり34円(税抜き)で売電できるため、年間に1940万円の収入を見込める。買取期間の20年間の累計では3億9000万円になる。建設費は2億2800万円かかったが、運転維持費を加えても十分に採算をとることができる。

水力発電所12カ所で5万世帯分の電力に

もともと取水塔の中には導水路を流れてくる水量を制御するための調整弁(バルブ)が設置されている。常用と予備が2組あって、万一故障が発生しても調整弁を切り替えて取水に支障が生じない仕組みだ。このうちの予備の1台を水車発電機に置き換えて、取水量を制御しながら発電も可能にした(図3)。

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図3 水車発電機の設置状態。出典:山口県企業局

ダムから工業用水に必要な量だけを取り込んで発電するため、水量によって発電量は変動する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は50%になり、小水力発電の標準値60%と比べると少し低めだ。とはいえ従来は利用できなかった水力でCO2(二酸化炭素)を排出しない電力を供給できるメリットは大きい。

山口県の企業局は県内の各地でダムと水力発電所を運営している。宇部丸山発電所を含めて大小12カ所の水力発電所を運転中だ(図4)。発電能力を合計すると5万kWを超えて、年間の発電量は1億8000万kWhに達する。一般家庭で5万世帯分に匹敵する電力量である。

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図4 山口県の企業局が運営する水力発電所。平瀬発電所は建設中。出典:山口県企業局

宇部丸山ダムでは小規模な太陽光発電も実施している。ダムの湖面に筏を浮かべ
て、その上に20kW分の太陽電池を搭載した(図5)。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共同で2002~2006年度に取り組んだ「太陽光発電モデルプラント」を現在も使い続けている。

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図5 宇部丸山ダムの「太陽光発電モデルプラント」。取水塔の左側に太陽光パネルが浮かぶ。出典:山口県企業局

太陽電池で発電した電力は陸上のインバータに送って、そこから再び湖面に浮かぶ水質改善装置に供給する。この装置はダムに発生するアオコと呼ぶ微細藻類を防止するもので、水質の維持管理費の抑制につながる。さらに余った電力は中国電力に売電している。

 


http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1604/22/news028_2.html

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