2013/11/27
小水力発電に関わる駒ケ根市の住民有志たちは23日、小水力発電開発プロジェクトの設立準備会を、同市の三和森クラブで開いた。有望な自然エネルギーと して注目される小水力発電だが、小水力発電に適した発電機器が少ないのが現状。小水力発電用の水車や発電機を開発し、「駒ケ根ブランド」として全国に発信 する計画だ。来月にもプロジェクトの設立総会を開き、本格的な取り組みを始める方針だ。
同市では昨年12月、市内の企業経営者などの有 志が太田切川右岸の農業用水排水路に小水力発電所を設置し、発電を開始した。今年8月には、同市下平の住民有志が地元の農業用水排水路(通称・銭亀洞川) を利用した小水力発電を計画し、合同会社を設立。来年度中の稼働を目指して準備を進めている。
今回のプロジェクトでは、こうした取り組みを通じて得たノウハウを生かし、地域主導の小水力発電に適した安価で効率の良い発電機器を開発。「駒ケ根ブランド」として全国に発信し、自然エネルギーの推進や地域の産業振興につなげる狙いだ。
設立準備会には二つの小水力発電に関わる企業関係者や建設コンサルタント、電力会社OB、市職員OBなど13人が参加。発起人代表で元駒ケ根商工会議所専 務理事の北原初美さん(81)=下平=があいさつし「安くて良いものを地元で作り、地域経済の活性化につなげていきたい」と改めて説明した。
技術開発には日立製作所OBの角田守さん(74)=茨城県日立市=が協力。現在は銭亀洞川の小水力発電所に設置する水車や発電機の設計を進めている。角田 さんは「大手メーカーが作る発電機は合わないし、特注だと高価になってしまう」と指摘し、小水力発電に合った機器の開発に意欲を示した。
プロジェクトでは一連の過程を記録映画として残し、自然エネルギーの普及、啓発に役立てる構想も。来年度の県地域発元気づくり支援金に申請する予定だ。
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=29992