2013/11/08
福島第一原発の事故後、全国的に関心が高まっている再生可能エネルギー。県では、企業や自治体の首長などが小水力利用推進協議会を立ち上げるなど、小水力発電にも力を入れている。小水力発電とは、最大出力が1000キロワット以下の水力発電のこと。流れる水の勢いで水車を回し、その力を電気に変えるというもので、設置場所は、川や用水路など、水が流れている場所であれば可能。太陽光発電の場合は、発電時間が日中の5,6時間に限られるのに対し、水力発電では24時間発電ができる。去年7月、電力会社による再生可能エネルギーの買い取り制度が開始されたことにより、企業が水力発電への参入に乗り出した。今年5月には、伊佐市に新曽木発電所が完成。100年前に利用されていた発電所の水路を改造したもので、曽木の滝の水流や落差を利用し、年間に一般家庭約1000世帯分の電力を賄うことができる。一方、県小水力利用推進協議会が初めて手掛ける肝付町の船間水力発電所では現在、川の水を220メートル下の発電所に流すための工事が進められていて、来年8月に完成予定。県小水力利用推進協議会では、平成30年までに40基の建設を目指している。鹿児島工業高等専門学校電気電子工学科の楠原良人教授は、「鹿児島県の山間地域には、まだ使える水のエネルギーが残っていると言われている。電力を自分たち作って売電できるので、中小企業も十分、電力を製品化していける」と話した。鹿児島市の市民文化ホールなどでは、7日から3日間、全国小水力発電サミットが開催され、小水力発電についての講演や取組みなどが発表される。