2014/07/11
丸紅は10日、完全子会社の三峰川電力(東京都千代田区、福田知史社長)を通じ、福島県下郷町に小水力発電所を建設すると発表した。同町の公有地や民有地を活用し175キロワットの発電設備を設置する。南会津地方の阿賀川水系大沢川の流水で発電し、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)によって20年間売電する計画。来年4月の商業運転開始を目指す。
三峰川電力は2006年から小水力発電所の運営を開始している。同社にとって、既に稼働している長野県伊那市の2カ所、同県茅野市の2カ所、山梨県北杜市の3カ所に続く8カ所目で、福島県内では初の案件となる。
同プロジェクトでは水力発電設備メーカーの芦野工業(山形市、鈴木末三代表取締役)が発電設備を納入する予定だ。年間発電電力量は約100万キロワット時を見込んでいる。
総事業費は約3億6千万円。福島県が「再生可能エネルギー先駆けの地」へ向けて実施している「市民交流型再生可能エネルギー導入促進事業」に採択されており、事業費の一部の補助を受ける。同事業の趣旨に沿って、発電所近隣で一般市民が再生可能エネルギーを学べるパネルや映像による展示を行う予定だ。
下郷町は「下郷町新地域エネルギービジョン」の中で、再生エネルギーの導入可能性の検討を進めていることから、三峰川電力では今後も同町での小水力発電事業での協力・貢献を進める考えだ。 また、国内各地域で20年までに30カ所程度の中・小水力発電所の開発を目指す方針を掲げている。
紙面より転載