ニュース記事の詳細です。

2014/07/29

上水道利用し小水力発電所 茅野市初の実証実験へ着工【長野日報】

 茅野市は28日、上水道を利用した小水力発電事業の実証実験に向けて、発電機を収納する仮設建屋の基礎工事を上原山第1配水池(玉川上原山)で始めた。八ケ岳山麓の水源と配水池の標高差(約60メートル)から生じる水圧を利用して発電機を回す初めての試み。実証実験は11月に行われる予定だ。

 同事業は、産学官連携で2012年に発足した「茅野市環境未来都市研究会」の取り組みの一環。同市では水源と配水池に標高差があり、大きな水圧が生じるため、配水池に減圧弁を設置して水圧を下げている。この未利用エネルギーを着目し、電気エネルギーに変換する計画だ。

 市は、発電機と制御盤を入れる建屋(建築面積約10平方メートル)を配水池敷地内に建設。減圧弁をう回する形で、直径15センチの水道管を発電機に取り付け、平均0・5~0・6メガパスカルの圧力で発電機の水車を回し、最大出力10キロワットの電気をおこす計画だ。

 発電機は動力ポンプ製造メーカーの小松製作所(諏訪市)が、国の「ものづくり中小企業・小規模事業者施策開発等支援補助金」を活用して開発。モーターで水を回すポンプ本来の動きを”逆転”させて、水圧で発電機を回す仕組みを構築した。

 実証実験は約1カ月間行い、日量1500立方メートルとされる流量の安定性や発電量、発電機の性能などを評価する。市は事業効果が確認できれば、市内他所への設置や他の自治体への情報提供を検討する考え。建屋建設費用と試験委託料は約950万円で、小松製作所が請け負った。

 市自然エネルギー推進室は「小水力発電事業を実用化し、周辺施設への電力供給や売電による収入確保、地域の活性化、雇用の創出につなげたい」と話す。また「24時間の利用が見込める小水力は、太陽光に比べて効率の高いエネルギー。市内には適地が多い。農業用水路で発電して農業用ハウスの暖房に使うといった動きが出てくれば」と期待している。

http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=31927

お問い合わせ
候補地点についてのご相談や、「小水力」に関するお問い合わせ、 当サイトへのご連絡は、こちらより承ります。
お問い合わせはこちら