2014/07/18
産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)の電力安全小委員会(委員長=横山明彦・東京大学大学院教授)の会合が17日に開かれ、小水力発電所で選任するダム水路主任技術者について、免状を持たない者を選任できる発電所の範囲を広げる方向でほぼ一致した。8月に意見募集を行い、9月末に「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」を改正する予定。
現在、自家用電気工作物に当たる水力発電所は同技術者の免状を持たない者を選任できるが、その範囲は内規で出力500キロワット未満であることや、同技術者が高校(土木工学科)卒業者などと決められている。今回の見直しにより、自家用電気工作物でダムの高さが15メートル未満の水路式水力発電所であれば、2千キロワット以下まで免状を持たない者を同技術者に選任できるようになる。
また、同技術者には経済産業省が主催する講習を受けた者がなれるようにする。講習内容は電気事業法における同技術者の意義や異常時の対応などで、日程は数日間。座学に加え、実地研修も行う。経産省は2014年中に講習を開く考え。
FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)が始まったことで、中小水力発電に対する開発機運が高まっており、同技術者の確保が困難な状況になっている。このため、開発事業者から選任要件の見直しを求める声が多く出ていた。
会合ではこのほか、火力発電設備に関する規格の国際適合化を進める方針を事務局が説明。
出席した委員からは「(適合化は)民間の活力になり、技術力向上のインセンティブになる」と支持する意見があった。
紙面より転載