2014/02/04
出光興産は中小型水力発電事業の参入に向けて検討を始めた。地方自治体などが所有する老朽化または休止中の中小水力を対象に事業案件を発掘し、補修・更新した上で活用する。出光は地熱、風力、太陽光の電源を持ち、バイオマスの共同事業にも参画している。これに中小水力も加えることで、再生可能エネルギーの総合発電事業者を目指す。加えて2016年の電力小売り自由化後に再生エネを電源とするグリーン電力で家庭用への参入を狙う。
中小水力には新規開発に比べて資金や時間のかからない既存施設のリニューアルによって参入する。すでに関東地方を中心に有望な案件を探している。出光では水力が再生エネの中でも地熱と並び安定的なベース電源になるとみて、当面は水力の開発に注力する。また、バイオマスも高知県の森林組合などと立ち上げた案件に続くプロジェクトを探索中だ。
「数千人の消費者を対象にアンケートしたところ、同じ価格ならグリーン電力を買っても良いという回答が3割あった。価値のある電力と認めてもらえる」(萩原栄治執行役員)として、16年までに中小水力をはじめとする電源の確保を急ぐ。