2013/10/18
奈良県は北部の盆地と南部の山地に分かれ、気候も自然も大きく変わり、再生可能エネルギーの取り組みでも違いを見せる。大和盆地を中心に都市が集まる北部では浄水場の水流を生かした小水力発電が活発に進む。南部では杉や桜で有名な吉野山地を中心にメガソーラーが広がってきた。[石田雅也,スマートジャパン]
関西は府県ごとの自然環境に大きな差がある。導入できる再生可能エネルギーの種類もさまざまだ。奈良県は大阪府に次いで面積が狭いものの、中小水力発電のポテンシャルでは他府県を上回っている(図1)。面積の8割近くを森林が占めていて、山と川からの水資源が豊富にあるためだ。
これと同様の方法で小水力発電を実施することは多くの浄水場で可能である。奈良県内で最も新しい発電設備が、生駒市の「山崎浄水場」で2013年3月から運転を開始した(図3)。この浄水場でも近隣の調整池から送られてくる水を取り込む際に、調整池との間に70メートルの高低差がある。従来は高低差によって生じる水圧を浄水場で減圧していたが、減圧しないまま水車発電機に取り込めるようにした。
発電能力は桜井浄水場よりも低い40kWながら、24時間の連続運転を前提に年間の発電量は35万kWhを想定している。発電した電力は固定価格買取制度を利用して、1kWhあたり34円で売電することができる。年間の収入は約1200万円になり、買取期間の20年間で2億4000万円を見込める。設備の導入・維持費を差し引いても8000万円の利益が出る計画だ。
浄水場の水流は年間を通じて安定しているため、小水力発電の中でも特に天候に左右されにくいメリットがある。既存の水路を活用できる点で工事費も安く済む。確実な収益を予想できることから、今後さらに多くの浄水場へ同様の取り組みが広がっていくだろう。
以下略
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1310/15/news010.html
2013/10/15
東京都は、水を送る圧力を利用した小型の水力発電の設備を新たに江戸川区に整備し、発電した電力を事業者に販売する取り組みを始めました。
小型の発電設備が完成したのは、東京・江戸川区にある葛西給水所です。
給水所は、水道水を各家庭に送る前に一時的にためている施設で、浄水場から圧力をかけて水道水が届けられています。
今回完成した発電設備は、この水圧を利用して水車を回して発電します。
発電できる電力量は、420世帯が1年間に使うおよそ140万キロワットで、新たに電力事業に参入した東京に本社がある事業者に販売を始めました。
東京都は、再生可能エネルギーによって発電した電力を電気事業者が買い取る制度を使って、年間4600万円の売り上げを見込んでいて、都は整備にかかった費用を6年間で回収したいとしています。
東京都の施設で発電した電力をすべて販売するのは今回が初めてです。
東京都水道局は「今後も電力の販売を拡大して、社会全体の電力供給に貢献していきたい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131014/k10015255261000.html
2013/10/15
駒ケ根工業高校(駒ケ根市)は10日、創立50周年記念事業の一環として、同校生徒と同窓会、信州大学が連携した小水力発電プロジェクトの水車と発電機の組み立て作業を市内の企業で行った。発電システムは校内を流れる農業用水に設置し、11月28日午後1時から通電式典を開く。
プロジェクトは、3年生の課題研究授業として取り組み、信大工学部環境機能工学科の飯尾昭一郎准教授の指導を受けた同大学院1年の木本海花さん(23)が設計。水車は宮脇製作所、発電機はウィンベル、水路工事は富貴屋建設と、いずれも同窓生がいる市内の企業が協力した。技術的に難しい部分を除き、機械科と電気科の3年生10人が製作に当たった。
発電システムは、同校電気科棟横を流れる中田切川からの用水を利用。用水路にステンレス製の流路を設け、落差1.5メートルの水を利用して、水車を回すことにより最大2.3キロワット(出力300ワット)を発電する。電力は授業で活用し、売電はしない。費用は記念事業費で賄い、総額約320万円。
機械科3年の政岡アキラ君(18)は「水車のブレードの角度と溶接が難しかった。ここまで形になって達成感でいっぱい」と満足げ。水車の技術指導をした宮脇眞さん(65)は「生徒は一生懸命作業に取り組んだ」と褒め、設計者の木本さんも「自分の設計が実物になってうれしい」と喜んだ。
発電機は水路に装着する前に第23回全国産業教育フェア愛知大会(11月9、10日、名古屋市)に出品。「100%長野県内の技術で完成させた発電機」として紹介する。同校の青柳徹校長は「同窓会と信大の皆さんの協力で実現した」と感謝し、「目を輝かせて製作に取り組む生徒の姿が印象的だった」と述べた。
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=29650
2013/10/11
九州の自治体が自ら運営するダムの放流水などを使った小水力発電を相次ぎ始める。福岡県糸島市や佐賀県が県営ダムを活用して乗り出す。福岡市も水処理施設に発電機器を設置する。再生可能エネルギーの利用を促進する狙いがあるほか、電気料金引き上げなどで施設の運営費用がかさんでいるため、コスト抑制の一助にする。
糸島市は県営の瑞梅寺ダム(同市)の放流水を使う水力発電を2014年度末にも始める。同市は約2億1千万…
2013/10/08
福知山市の再生可能エネルギー活用調査に協力する石原の府立工業高校(田中邦明校長)が、大江町仏性寺にある農業用水路を利用した小水力発電の実証実験の準備を進めている。4、5両日には、生徒らが現場で力を合わせて水車を設置した。
市は1月に市再生可能エネルギー活用調査会(白石克孝会長・龍谷大学政策学部長)を立ち上げ、来年2月の活用プラン策定を目指して、専門的な研究を行っている。
その一つに小水力発電の研究があり、発電機器のノウハウを持っている府立工に、水車と発電機の製作を依頼。「地域貢献になるのなら」と学校側も快く引き受け、志願した機械プランニング科の3年生6人が取り組むことになった。
設置場所は、仏性寺にある古い水車小屋に決まったが、老朽化が進んでいたため、地域の人らと協力して小屋の修繕から開始。これと同時に、水車の設計にも取り掛かった。
設計図が完成したあとは、課題研究の時間に水車と発電機を製作。先に水車が完成したため、現場で設置作業を行うことにした。
■目標は出力500ワット 実用化も■
4日は、中心軸を置いて本体となる水車の組み立てをし、5日に部品のすき間をシリコンで埋めるコーキング作業などを実施。このあと水車に羽根を取り付けていった。
生徒たちは、雨に打たれながらも集中して作業を行い、丸2日がかりで直径約2メートル、重さ約170キロのステンレス製水車の設置を完了させた。
機械プランニング科の3年担任、中野保明教諭(30)は「高校生のレベルをはるかに超える取り組みにも関わらず、みんな前向き。自分で考えて動く力がついてきており、生徒たちの成長を感じています」と喜んでいた。
今後は、エネルギー効率を高めるための作業や発電機の設置を行い、完成後に数カ月のデータを記録。目標とする発電出力500ワットが達成できれば、実用化に向けて検討していくことにしている。
メンバーの大槻憲二君は「部品のサイズが一つでも狂えばバランスが崩れるので、レーザー加工などでの調整が大変でした。目標を達成するため、これからも頑張っていきたい」と話していた。
写真=雨のなか協力して水車を設置した