2019/01/20
2019年1月20日掲載
徳川家康の命で掘られた農業用水路を起源とする静岡県富士宮市の「北山用水」で、小水力発電所の建設が相次いでいる。大手商社・丸紅の100%子会社・三峰川(みぶがわ)電力(東京)や、地元NPOなどが手掛ける計4カ所。16世紀末から農民らに恩恵を与えてきた家康の遺産は、環境に優しい再生エネルギーを現代にもたらそうとしている。
北山用水は、富士山麓(さんろく)の湧水(ゆうすい)群を水源とする芝川から取水され、市内北部の水田や畑など約150ヘクタールの農地を潤している。
その歴史は古く、戦国時代までさかのぼる。北山本門寺の寺伝「鉄砲御本尊の霊験と本門寺堀縁起」によると、天正10(1582)年、徳川家康が甲斐の武田氏を攻める途中、本門寺に立ち寄り、陣中守護として御本尊の借用を頼んだ。貫首(住職)の日出(にちしゅつ)は、日蓮聖人真筆の曼荼羅(まんだら)を貸し与え、家康はこれを馬前に立てて戦い、勝利した。
曼荼羅の日蓮の花押の部分には…【以下有料記事】