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2019/01/19

大野で小水力発電所が開所 砂防ダム放水を活用【中日新聞】

2019年1月19日掲載
砂防ダムの放水を生かした県内初の小水力発電所が、大野市上大納の黒谷川堰堤(えんてい)近くで稼働を始め、十七日、市和泉体育館で開所式が開かれた。災害時の非常用電源として地域への送電も可能で、関係者が再生可能エネルギーの普及と地域の活性化を願った。
 地域の特色を生かした県の再生可能エネルギー事業「一市町一エネおこし」の取り組みが始まり、福井市の再生可能エネルギー専門企業「みどり環境研究所」が七千万円を投じて設置。黒谷川小水力発電所として十五日に稼働を始めた。
 落差十七メートルの堰堤を流れ落ちる水の力で発電し、最大出力は四二・七キロワット。年間電力量は一般家庭八十二軒分の年間消費量に相当する。使用水量は毎秒〇・五二立方メートル。自然災害などで上大納区に電気が供給されなくなった場合は、非常用電源としてこの発電所から集落に送ることも可能だという。

 県環境政策課などによると、砂防ダムを生かした小水力発電所はこれまでにも計画はあったが、採算が取れないことや安定的な水量を確保できないことなどから実現に至らなかった。黒谷川小水力発電所は黒谷川堰堤の立地条件や水量から事業性が高いと判断。発電した電力は北陸電力に売電し、試算では年間千二百万円の売り上げを見込む。
 開所式には関係者や地元住民ら三十人が出席。前田初蔵社長(70)は「長きにわたり安定的発電量を目指して努力していきたい」とあいさつ。上大納区の長崎吉久区長も「限界集落の上大納区で新しい事業展開は活力になる」と喜んだ。
 (山内道朗)

http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20190119/CK2019011902000009.html

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