会長挨拶

地球温暖化防止とエネルギー資源確保の両面から、再生可能エネルギーに注目が集まっています。
そして再生可能エネルギー資源には太陽光、風力、地熱、バイオマスなど多くの種類があり特徴が異なるので、その特徴を活かしながら大量に導入することが望まれています。

小水力利用の最大の特徴は、水田灌漑農業を基盤として形成されてきた日本の村落社会において、くらしとの結びつきが強く日常に溶け込んでいる小規模水資源をエネルギー利用するという点にあります。村落周辺を流れる河川や農業用水(生活用水でもある)を利用し、村落・周辺地域の消費電力と同じくらいの規模で発電する小水力発電は、できるだけ地域社会の中で管理することが望ましいと私たちは考えています。
また、利用するエネルギー量や使い勝手の観点からは発電が中心になりますが、かつて全国各地で見られた水車小屋のような直接動力利用も、上手に活かせば効果的です。

再生可能エネルギーには、短時間の気象変化に大きく影響される太陽光や風力がある一方、ほとんど変化しない地熱や蓄積ができるバイオマスもあります。流れ込み式で水を使う小水力利用はこの中間に位置しており、比較的安定して稼働する一方、渇水時に出力が下がることがありますし、集中豪雨の際には停止せざるを得なくなったり土砂災害の被害を受けるといった弱点があります。この特徴を理解して利用することが必要です。

全国小水力利用推進協議会
会長 愛知 和男

起伏に富み降水が多い日本列島では、水は常に、恵みであると同時に災害の原因でもありました。その条件の下で私たち日本人は数千年の歴史を刻んできています。

人類は化石燃料を多用するエネルギー多消費社会を作り出しましたが、化石資源は枯渇性資源であり、いつまでも使い続けることはできません。更新性資源を基盤とした社会に転換するために、もう一度この日本列島の自然条件を活かし社会エネルギーシステムを構築する必要があります。
小水力利用を通じて多くの方々が社会のあり方を考え、地域から社会を変えていくことを願って、私たち全国小水力利用推進協議会は活動を続けて参ります。

設立の主旨

持続可能な循環型社会を目指して

全国小水力利用推進協議会は、小水力利用推進に関する調査研究を行うとともに、小水力利用事業の普及発展を図り、持続可能な循環型社会の構築と環境保全に寄与することを目的として2005年7月16日に発足した団体(法人格を持たない任意団体)です。

設立趣意書

「自然エネルギーの利用が大切だ」と多くのひとが考えています。太陽光・風力・バイオマスなどの利用は拡大しつつありますが、残念ながら小水力利用はほとんど広がりを見せていません。  水力は他の自然エネルギー源にくらべて、各地で利用された歴史が長く、しかも安定した良質のエネルギーが得られるのに、なぜなのでしょうか。

水力利用というと大規模水力発電しか頭に浮かばない方も多いようです。しかし、つい数十年前までは小川の水車から数十、数百キロワットの小水力発電などにいたる小水力利用が、この国の生活や産業を支え、エネルギー供給に大きな役割を果たしていました。いまでも、自然河川・灌漑水路・山間小渓流から上下水道・工場の余剰水圧利用等にいたるさまざまな小水力利用可能地点・場所がほとんど無数にあり、その総出力は数百万キロワットに達すると見込まれています。 小水力利用が普及するなら、その設備に必要な経費も大幅に安くなり経済性もどんどん向上していきます。なぜなら、小水力利用の場合は、事前調査も簡単であり簡易な土木工事で設置できることも多く、また必要な機械設備は普及に比例して技術的にも改良され、規格化・量産化がすすむと考えられるからです。
小水力は他の自然エネルギーにない経済面・普及面の特長があり、さらに地域の活性化とエネルギー自給を支える核として頼れる力を持っています。

小水力利用を進めるためには、小水力について一般の理解や関心を深め、その技術的進歩をはかり、実施上の障害を取り除き、規制緩和などをすすめ、情報を交換し知恵を出し合うため、関係者が相互に協力する必要があると考えます。こうした問題意識を共有する各方面の方々が力を合わせ、日本中に小水力利用の環を広げるため、本協議会を設立します。

組織概要

団体名 全国小水力利用推進協議会
代表者名 愛知 和男
設立年月 2005年7月16日
住所 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨2-11-4 第三高橋ビル8階
連絡先 Tel.03-5980-7880
Fax.03-5980-7065
E-mail:info@j-water.org
当サイトからのお問い合わせはこちらからも承ります。

設立呼びかけ人名簿肩書きは、設立時のものを掲載しています。

氏名 所属等
浅岡 美恵
弁護士 気候ネットワーク代表
阿部 嘉弘 全日本自治団体労働組合(自治労)公営企業局長
安藤 満 富山国際大学教授 環境情報ビジネス学科環境系
飯田 哲也
自然エネルギー促進法推進ネットワーク代表
逸見 次郎 崇城大学工学部教授
糸長 浩司
日本大学 生物資源科学部生物環境工学科 教授
岩井 国臣 参議院議員  国土交通副大臣 元建設省河川局長
牛山  泉
足利工業大学教授
大友 詔雄 北海道大学大学院工学研究科/北海道自然エネルギー研究センター
大原 一三 前衆議院議員 元農林水産大臣
氏名 所属等
小野寺 英輝
岩手大学助教授 岩手県地球温暖化防止活動推進員
加藤 修一
参議院議員 前環境副大臣/自然エネルギー促進法議員連盟事務局長
小泉 修吉 グループ現代社長 環境TVトラスト日本委員会理事長
古賀 康正
NPO法人クリーンエネルギー・フォーラム顧問
小林 久 茨城大学助教授
小林 功
(株)光と風の研究所 顧問
酒井 勝弘 埼玉工業大学教授
佐藤 由美
環境ジャーナリスト
塩川 鉄也 衆議院議員 経済産業委員会委員
篠原 孝 衆議院議員 農林水産委員会委員
氏名 所属等
菅沼 康男
財団法人 新エネルギー財団水力本部
須藤 良作
須藤技術士事務所/NPO法人クリーンエネルギー・フォーラム顧問
瀧本 裕士
富山県立大学教授
竹林 征三
富士常葉大学教授・付属風土工学研究所所長
竹村 公太郎
(財)リバーフロント整備センター理事長/元国土交通省河川局長
段本 幸男
参議院議員 元農水省中国四国農政局長
千矢 博道
NPO法人クリーンエネルギー・フォーラム顧問
都築  建
自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)理事長
中島  大
気候ネットワーク運営委員 環境自治体会議専門委員
西田 親文 (株)リポートサービス北海道
氏名 所属等
波多野 和明 (株)府中技研社長
福島 瑞穂 参議院議員
古栃 一夫 早月川沿岸土地改良区副理事長 早月川電力(株)
堀内 道夫 (株)光と風の研究所所長 静岡大学客員教授
前田 典秀 NPO法人クリーンエネルギー・フォーラム専務理事
町田 和美 NPO法人彩の国エコロジーセンター理事長/NPO法人CEF理事
森 武昭 神奈川工科大学教授 日本山岳会評議委員
谷津 義男 衆議院議員 元農林水産大臣

(2005年5月14日現在、五十音順)

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