2016/09/01
2016年9月1日掲載
農業用水用の青蓮寺ダム(名張市中知山)に小水力発電の「青蓮寺用水発電所」が完成し、三十一日から運転を始めた。ダムから取水した農業用水を大小二基の水車で発電する。発電所を設置した東海農政局によると、小水力発電は津の安濃ダムに次いで県内二カ所目という。
ダムは、伊賀や名張市の田畑千ヘクタールに五十年近く農業用水を供給している。発電所は、ダムの水を農地に送るパイプの修繕に併せて二年間かけて造った。
大きい水車の発電機と小さい水車の発電機を組み合わせることで夏や冬など季節ごとの放水量の増減に応じて、小さな流量でも利用できるのが特長。
高所にあるダムの水をパイプで農地に緩やかに送るため、水圧を弱めていた部分に発電所を設置。発電の水も農業用水に回すことで、エネルギーも水も効率的に利用する。
年間百四十世帯分の電気を生みだし、二酸化炭素(CO2)二百八十トン(乗用車百六十台分)の削減効果がある。発電機の大は百六十キロワット、小は二十三キロワットを発電し、中部電力に売電する。その収益で取水施設の保全も図る。
同日、発電所で運転開始式があり、農林水産省や県の関係者、伊賀、名張の両市長らが「地元で作った再生可能エネルギーを地元で消費するすばらしいしくみ」と祝った。 (飯盛結衣)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20160901/CK2016090102000019.html