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2016/08/16

小水力発電の遠隔監視好評【大分合同新聞】

2016年8月16日掲載
 大分市の中小企業が小水力発電の遠隔監視システムを開発した。導入した豊後大野市の土地改良区では、山深くにある取水口や発電所の異常把握と復旧処置が離れた事務所や外出先から可能になり、「安全面が向上し発電ロスが減った」と好評だ。小水力発電所の多くは山間部にあり、運営者の高齢化が進む。秋から大分発のシステムを全国の土地改良区などに売り込んでいく。
 システムは電気工事業の興栄(木原倫文社長)が中心となって開発。豊後大野市緒方町の長谷緒土地改良区が持つ小水力発電所(出力1300キロワット)に昨秋、設置した。
 インターネット回線を利用して改良区の事務所からそれぞれ5キロ、15キロ離れた発電所と取水口を監視。増水などでトラブルが起きると、事務所のパソコンと職員の携帯電話に異常の内容を知らせるメールが送られ、特定の復旧操作ができる。取水口にはカメラもあり、現地での復旧作業が必要か映像で確認できる。
 「以前は事務所の警報が鳴るだけで原因は分からず、必ず現地に行く必要があった。山道の移動は大雨などの時は特に危なかった」と首藤幸徳事務長(56)。復旧作業は3~4時間から30分に短縮。発電停止時間が減り「少なくとも年間80万円の損失を減らせそう」という。
 興栄によると、大手電力会社の水力発電所には高性能の遠隔監視システムがあるが、土地改良区などにとっては高額。新開発のシステムは約350万円で、出力20キロワット以上の発電所であれば採算が合う。
 小水力発電所は以前から土地改良区などが運営する施設が全国にあり、2012年の固定価格買い取り制度スタート後、さらに増えている。
 興栄は秋からシステムの全国販売を始める予定。木原社長は「多くの発電所が抱えている課題の解決をサポートすることで、小水力発電の普及にも貢献したい」と話している。

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/08/16/003518468

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