2017/02/20
2017年2月20日掲載
兵庫県神戸市水道局は、水道水を貯蔵・配水する水道施設の藤原配水場(藤原ポンプ場内)において、小水力発電設備を設置・運営する民間事業者の募集を開始した。
設置する小水力発電設備の規模は、発電出力20kW未満。発電した電気は再エネ特措法に基づき電気事業者に売却する。発電開始時期は、2017年度下半期を予定。入札参加資格を満たす事業者のうち最も高い金額の施設利用料を提示したものを事業者として選定する。
応募期限は2月28日(火)17:00。3月3日(金)に現地見学会を開催。3月16日(木)に入札が行われる。
飲料水で小水力発電
利用可能水量は藤原配水池入水量約7700立米/日(2015年4月1日~2016年3月31日の平均値)。ただし、入水量は、今後の水需要の動向により変動する可能性がある。現状では、日常の入水量の幅は、0~約450立米/hである。
なお、水車(発電機)側で入水量を確保できない場合は、バイパス等を設けるか、既設流量制御設備で補うなど、日常の入水量を確保できる設備とすること。現状では、維持管理のため、既設流量制御設備側に約620立米/hを一時的に入水している。
有効落差は約31m(運用水位時における週平均実測値)。場所は藤原配水場入水管φ500(地下配管室)。流体は水道水(飲料水)。藤原配水場は、神戸市兵庫区にある水道局浄水管理センターの中央監視室(テレメータ・テレコントロールシステム)から遠隔操作・監視を行っており、常時は無人の施設である。
施設利用料は、発電電力量1kWhあたり2円以上(消費税・地方消費税を除く、10銭単位)とし、事業者の提案によるものとする。貸付けする土地・設備等の使用料は、神戸市道路占用料条例別表等相当とする。詳細は公募要領を参照のこと。
同市水道局では、2016年3月に策定した「神戸水道ビジョン2025」「中期経営計画2019」において、環境にやさしい水道システムの構築を目指し、マイクロ水力発電の導入促進など再生可能エネルギーの活用をすすめている。今回の募集は、同市の公有財産の活用を図るとともに、未利用エネルギーの有効利用を目的としている。
【参考】神戸市 – 藤原配水場小水力発電事業者の募集
2017/02/17
2017年2月17日掲載
神戸市水道局は、藤原配水場(神戸市北区藤原台北町7ノ11)で小水力発電事業を行う事業者を公募する。応募締め切りは2月28日まで。
藤原配水池の入水量は1日約7700立方㍍。
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2016/12/16
2016年12月16日掲載
関西の自治体や大学が企業と連携し、水力や地熱を活用した再生可能エネルギーの新技術開発に乗り出している。地球温暖化の目標を定めた枠組み「パリ協定」が11月に発効し、温暖化ガス削減が急がれているが、再生エネルギーの利用はこれまで太陽光に偏っていた。多様なエネルギーの利用が進めば自治体の収入源や企業の新事業創出につながる可能性がある。
神戸市はダイキン工業と組み、これまで未利用だった上水道管の水流エネルギーを発電に活用する実験を始めた。ダイキンが開発した小水力発電システムをさらに小型化する。同システムはエアコンのインバーター技術などを応用し、水流エネルギーを効率よく電気に変える。流量を制御し、水圧を安定させることもできる。
神戸市は「山と海に挟まれ高低差があり、小水力発電の設置に適する」(水道局)。まず発電出力22キロワット級のシステムを西区の配水池に設置。機能や運用コストを検証し、出力10キロワット以下の超小型システムの開発を目指す。水圧調整に広く使われるバルブに代わって取り付けられ、設置可能な場所が大幅に増える。2018年度まで実験や試作機の開発を進める。
厚生労働省と環境省によると小水力発電を導入している水道施設は全国の3%弱にとどまる。将来、利用が進めば自治体の新たな売電収入につながる可能性がある。
神戸市はスターバックスコーヒージャパン、近畿大学と組み、市内のスターバックスで出た廃棄物を燃料にする実証実験も始めた。コーヒーの豆かすや食べ残しを使い、植物由来の固形燃料(バイオコークス)を製造する。活用先も検討する。
京都大学はエネルギーベンチャーのジャパン・ニュー・エナジー(東京・千代田)と組み、新しい地熱発電システムを開発した。地下深くに水を循環させる管を埋め込み、地上から注入した水を地中の熱で温めて地上に戻し、減圧して蒸気にしてタービンを回す。温泉水を使わないため、温泉地との権利調整が不要。大分県九重町で試験運転を始めた。18年度をめどに商業運転を始める。
木質資源を使ったバイオマス発電も広がる。洸陽電機(神戸市)は17年3月に岐阜県高山市で始まるバイオマス発電で、小規模の電力を効率よく作り出せるドイツ社の発電機を導入する。
バイオマス発電は一定規模がないと利益を上げづらく、大型施設を造ってから燃料を調達する例も多い。独社のシステムは燃料となる木質資源の乾燥に発電の排熱を活用するため、エネルギー効率が高く、地産地消のエネルギー利用が可能だ。洸陽電機の乾正博社長は「地域資源の活用に考慮し取り組む」と話す。
政府はパリ協定に基づき、温暖化ガスを2030年度に13年度比26%減らす目標を掲げた。発電量に占める再生エネの電源比率は14年度の12.2%から30年度に22~24%まで高める。課題は太陽光に偏る利用エネルギーの拡大。17年4月には再生エネの固定価格買い取り制度が改正され、太陽光以外の再生エネの普及促進が期待されている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10720810V11C16A2LDA000/URL
2016/09/15
2016年9月15日掲載
環境省と厚生労働省が全国1500以上の水道事業者を対象に、水道の施設を利用した小水力発電の導入ポテンシャル調査を実施した。水源から浄水場や配水池へ流す水の圧力差を使って、全国の274カ所で発電できることがわかった。北海道から九州・沖縄まで各地に可能性が広がっている。
[石田雅也,スマートジャパン]
水道事業の中核になる浄水場や配水池には、標高の高い場所にある水源から大量の水が常に流れてくる。この水流が生み出す圧力差のエネルギーを発電に利用できるのだが、実際に発電設備を導入している水道施設は全体の2.7%に過ぎない。
環境省と厚生労働省は小水力発電によるCO2(二酸化炭素)の排出量削減と水道事業者の収入拡大を推進するため、全国1500以上の水道事業者を対象にアンケート調査を実施した。その結果、小水力発電を実施できる可能性がある施設は全国に563カ所あることが明らかになった。
地域ブロック別に見ると、中部が最も多くて103カ所、次いで中国・四国の99カ所、九州・沖縄の91カ所と続。関東にも83カ所あり、そのうち発電能力が20kW(キロワット)以上になる可能性がある施設数は65カ所で最も多かった。
全国で20kW以上の発電能力を見込める施設は合計で274カ所にのぼり、発電能力を合計すると1万9000kWに達する。水量をもとに算出した年間の想定発電量は1億5800万kWh(キロワット時)になった。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して4万4000世帯分に相当する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は95%になり、水道を流れる安定した水量で電力を供給できるメリットがある。
1カ所あたり年間1900万円の売電収入
小水力発電による電力の供給量が増えることで、CO2排出量は全国で年間に9万2000トンを削減できる。さらに発電した電力を固定価格買取制度で売電すれば、1kWhあたり34円(税抜き)で年間に53億円の収入を見込める。1カ所の平均額は1960万円になり、買取期間の20年間の累計で4億円近い収入を得られる計算だ。売電収入によって水道施設の維持管理費を軽減できる効果は大きい。
水道施設で小水力発電を実施する方法の1つとして、水道管そのものに発電設備を組み込む方法がある。環境省の実証事業で開発した「管路用マイクロ水力発電システム」が代表的な例で、これまでに富山県の南砺市、福島県の相馬市、兵庫県の神戸市の水道施設で導入実績がある(図4)。
発電能力は1台で22kWと75kWの2種類がある。水道管1本ごとに1台ずつ水車発電機を設置する方法で、1カ所の施設に複数台を導入することも可能だ。相馬市の水道施設では3台を導入して、最大79kWの電力を供給できるシステムを構築した。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/15/news038_2.html
2016/06/21
2016年6月21日
住民主体の太陽光発電や小水力発電の取り組みをテーマとした兵庫県のセミナーが7月4日午後1時15分から県庁で開かれる。県内の先行事例の発表のほか、再生可能エネルギーに関係する団体が交流・情報交換できる場も設けられる。
県は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用して発電設備を導入する地域団体への無利子融資事業と、小水力発電の事業化に必要な調査・概略設計費に対する補助事業を希望する団体を同月29日まで募集している。
セミナーでは、地域主導の太陽光発電導入に関わる企業や小水力発電事業のコンサルタントの発表がある。事業導入における地域課題などについての個別相談会も催される。
定員30人で参加費無料。所定の用紙で6月28日までに申し込む。県温暖化対策課TEL078・362・3273
(辻本一好)
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201606/0009208140.shtml