2013/10/01
小川や用水路の水流で水車を回し、発電するマイクロ水力発電の活用方法を探ろうと、大阪府内の中小企業など10社・団体が「なにわのマイクロ水力発電を考える会」を結成した。わずかな発電量だが、「水の都」大阪に合った発電方式や電力の用途を来年春にまとめる予定だ。
マイクロ水力発電は一般的に出力が100キロワット以下と定義され、環境省の試算で、全国で計30万キロワットを発電できる可能性があるとされる。大阪は水が豊富だが、平野が多く、流れが緩やか。「発電量が小さく採算が合わない」などと、ビジネス化をためらう中小企業が少なくなかった。
元企業経営者やメーカーOBでつくる同府八尾市のNPO「中小企業サポート隊」が今年1月、府内の川や用水路で、水車を使ってマイクロ水力発電の実験を実施。街路灯などに利用可能な10〜21ワットの電力が発電できることを確認した。問い合わせが相次ぎ、サポート隊の浜田典弥(のりひろ)理事長が「技術や経験を持ち寄り、『水の都』にふさわしい発電を考えよう」と呼びかけた。
先月29日に大阪市内で初会合を開き、機械加工会社や環境団体などが参加。互いの実験施設を訪問し合うことなどが決まった。
同会メンバーで携帯型マイクロ水力発電機を研究する青木豊明・関西外国語大教授(環境科学)は「発電量が小さくても、携帯電話の充電や、防犯灯などの用途が考えられる」と期待する。問い合わせはサポート隊(072・991・6811)。【吉田卓矢】