2016/05/26
2016年5月26日掲載
◆2017年4月1日施行
再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担抑制の両立に向けた施策を盛り込んだ改正再生可能エネルギー特別措置法(改正FIT法)が25日、参議院本会議で可決・成立した。未稼働案件発生防止への新たな設備認定制度の導入や、入札制の導入を含む買い取り価格決定方式の柔軟化などが施策の柱。コスト低減と電源間のバランスの取れた導入を進めて、2030年度の電源構成(エネルギーミックス)で示した22~24%の発電電力量比率の達成につなげる。今後、有識者審議会で施策の詳細設計を行い、2017年4月1日に改正法を施行する。
法改正で太陽光発電に導入が偏った現状を改めて、風力・地熱・水力・バイオマスを含めバランスよく普及させる。賦課金の伸びを抑え、電源構成で示された30年度の負担上限内に収める。
新認定制度は、系統接続契約を締結した事業開始確度の高い案件を認定するもので、賦課金増加の潜在要因になる未稼働案件を防ぐ。普及が進んだ大規模な事業用太陽光は、買い取り価格を入札で決め、コスト引き下げを狙う。(1面)
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2016/05/25
2016年5月25日掲載
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を抜本的に見直す改正再生エネ特別措置法が25日、参院本会議で可決、成立した。事業用の太陽光発電に2017年4月から入札制度を導入。発電コストの安い事業者の参入を優先し、電気料金に上乗せされる買い取り費用を抑える。
再生エネの固定価格買い取り制度は東京電力福島第1原発事故を受け、12年7月に始まった。再生エネの普及が飛躍的に進んだ一方で、設備が容易に設置できる太陽光に事業者が集中した。買い取り費用は15年度に約1兆8千億円と電気を使う家庭や企業の負担が重くなっている。
改正法では、入札で談合すれば、3年以下の懲役か250万円以下の罰金を科す。設備の点検や保守を怠るなどした事業者に対し、改善を命令したり、認定を取り消したりできるようにする。
高い買い取り価格で認定を受けたのに、太陽光パネルなどの設備が値下がりするまで発電を遅らせ、もうけを不当に増やす悪質な事業者を排除する。事業計画を厳しく査定するなど認定の条件を厳格にする。
普及が遅れている地熱発電や、小規模水力発電は参入事業者が増えるようにする。事業の見通しが立てやすくなるよう、数年先の買い取り価格をあらかじめ示す。用地の買収手続きに時間がかかるといった、事業リスクを軽減する。