2016/01/22
2016年1月22日掲載
豊かな水資源を活用する小水力発電の可能性を探る住民向け勉強会が21日、兵庫県香美町小代区の小代地域局で開かれた。参加者は、施設の仕組みや他地域の成功例を学び、実現性を検討した。
小水力発電は、河川や用水路、水道施設などに水車を設置し、流水落差を利用して発電する。同区では再生可能エネルギーとして水資源を利用し、地域活性につなげようと、地元有志でつくる「香美里山再生協議会」が構想。計画では久須部川上流部に設置し、発電量を毎時82キロワットと推定。3年後の整備着手を目指す。関西電力などに売電し、利益を地域整備に活用する考え。
勉強会は、同協議会が企画し、約40人が出席した。小水力発電を推進する国土政策研究会の遠藤喜紀氏は「小水力発電は、住民管理が可能。年間を通して安定した電力を生み出す」と解説。同川の視察では、土砂崩れの痕跡がなく、設置に適していると評価した。
参加した同区秋岡の男性(85)は「谷間の地域で水量が多いので実現可能だと思う」と話していた。同協議会の田淵覚男会長(80)は「発電所の整備で雇用創出や観光促進、教育利用につながる。実現に向け頑張りたい」と意気込んでいる。
久須部川を視察する協議会のメンバーら=21日、香美町小代区久須部
2015/11/19
2015年11月19日 13時00分 兵庫県庁と2つの市が共同で小水力発電に取り組む。洪水対策のために造った県営ダムの放流水を利用して、発電能力が500kWの設備をダムの直下に建設する。ダムの水を利用する姫路市とダムが立地する朝来市も発電事業に参画して、2017年度末に運転を開始する予定だ。 [石田雅也,スマートジャパン] 小水力発電所を建設する「生野(いくの)ダム」は、兵庫県の北部に位置する朝来市(あさごし)の山間部にある(図1)。兵庫県が治水対策用のダムと して1972年度から運営を続けて、下流の都市部に工業用水や水道用水を供給している。このダムからの放流水を利用した小水力発電プロジェクトが始まっ た。
生野ダムは堤体の高さが56メートルに達して、放流水の有効落差は38メートルになる(図2)。最大で毎秒1.6立方メートルの水量を使って 500kW(キロワット)の電力を供給することが可能だ。年間の発電量は240万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の電力使用量(年間 3600kWh)に換算して670世帯分に相当する。
発電した電力のうち8万kWhをダムの管理用に使うほかは、全量を固定価格買取制度で電力会社に売電する計画だ。発電能力が200kW以上の水力 発電の買取価格は1kWhあたり29円(税抜き)になることから、年間の売電収入は約6700万円を見込める。20年間の買取期間の累計では13億円強に なる。建設費は7億円かかる見通しで、得られる収益はダムの維持管理費などに役立てる。 生野ダムの直下には放流バルブ室があり、隣接する場所に発電所を建設する予定だ。放流バルブ室から水管を敷設して、発電所内の水車に水流を取り込 む(図3)。発電に利用した水は直後に川へ放流するため、下流の水量は変わらない。自然環境に影響を与えずに電力を生み出せる小水力発電の特徴である。
兵庫県は本土に15カ所、淡路島に4カ所の治水ダムを運営している(図4)。さらに2カ所に建設中で、洪水対策に加えて県内各地に工業用水や水道 用水を計画的に供給する役割を担う。生野ダムのほかにも小水力発電を実施できる場所は数多く残っていて、今後さらに導入プロジェクトを拡大していく見通し だ。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1511/19/news024.html
2015/10/09
農業用水路に発電用水車を手作りし、地域に役立つ使い道を考える「高校生マイクロ水力発電アイディアコンテスト」の審査会が3日、兵庫県篠山市大芋地区で開かれた。地域住民ら約100人が実際に水車を見て回り、高校生たちがそれぞれの活用法を説明した。
同地区の小学校が本年度で閉校することから、新たな「地域の核」をつくろうと、同市地域おこし協力隊の瀬戸大喜さん(23)が小規模水力発電を提案。大芋活性化委員会とともに企画した。
https://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/201510/0008454204.shtml
2015/09/20
2015年9月11日
担当部署名/農政環境部環境管理局温暖化対策課計画班 直通電話/078-362-3273
2015/09/08
兵庫県宍粟(しそう)市は、清流として有名な揖保川水系を抱えており、その1つである福知川には景勝地として有名な福知渓谷がある。この景勝地で有名な福知地区が小水力発電に乗り出すため、EPC事業者を公募している。
[三島一孝,スマートジャパン]
福知渓谷は、「関西の風景100選」や「ひょうご風景100選」に選ばれたこともある兵庫県内でも有数の景勝地であり、清流とともに秋の紅葉などで多くの観光客が訪れていた(図1)。
しかし、2009年8月の台風災害により大きな被害を受け、復旧工事が完了した現在も以前に比べて観光客が減少している状況だという。加えて、少子高齢化や人口流出の影響などもあり、地域の活力低下への問題意識が高まっていた。
そこで、兵庫県宍粟市一宮町福知自治会は、エネルギー産業による活性化と将来的な観光振興の原資とするために、福知川を活用した小水力発電事業へ の参入を決め、2015年8月に事業推進母体として「福知水力発電」を設立した。福知水力発電は福知地区の住民により設立。出資者である福知救護社は福知 地区住民の交互扶助などを目的とした非営利型の一般社団法人で福知自治会と同じ構成員で構成されているという。
事業の目的は、以下の3点となる。
・地域活性化へとつながる小水力発電事業の実施(営利を目的とするのではなく住民がいきいきと暮らせる地域社会の実現に資することを第一の目的とする)
・地球温暖化対策およびエネルギー安全保障への貢献
・地球主導型の小水力発電事業モデルの確立(小水力発電を活用した地域活性化の先進事例としてモデルケースを目指す)
これらの実現向けて、新たに発電設備の設計・調達・施工(以下、EPC)を一括して請け負うEPC事業者の公募を開始した。公募は同年8月24日から開始され、参加申込書の締め切りは同年9月25日までとなっている。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1509/08/news020.html