過去に投稿された記事の一覧です。

2016/09/08

30年ぶり、水しぶき豪快 発電所工事が影響? 根尾の滝【中日新聞】

2016年9月8日掲載
 滝の町として知られる下呂市小坂町で、「日本の滝百選」に唯一選ばれている「根尾の滝」が、通常の三倍という豊富な水量で見頃になっている。近くの水力発電所の工事の影響とみられ、“期間限定”の絶景が観光客を楽しませている。
 根尾の滝は小坂川上流の濁河川にあり、落差六十三メートル、幅五メートル。同じ水源から取水する中部電力小坂川水力発電所が、六月から鉄管の塗装工事で取水を止めているため、増水しているとみられる。
 根尾の滝は、近くの駐車場から徒歩で往復約二時間半。激しい水流が滝つぼにたたきつけるように落ちた後、豪快に水しぶきを上げる様子が楽しめる。
 NPO法人飛騨小坂200滝のガイドらによると、これほど水量が豊富なのは三十年ぶりという。初心者向けに、同法人のガイドツアーもある。
 中部電力飛騨電力センター(小坂町)によると、工事は十二月まで続くが、取水停止は十月末まで。登山道入り口で、環境維持協力金二百円を募っている。
 (問)飛騨小坂200滝=0576(62)2215
 (小柳津心介)

http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160908/CK2016090802000025.html?ref=daily

2016/09/08

コンパクト・工事簡単な小水力発電システム 用水路などに直列設置も可能【環境ビジネスオンライン】

2016年9月8日掲載
 NTN(大阪府大阪市)は、6日、既存の水路に簡単に設置できる小水力発電装置「NTNマイクロ水車」の実証試験が完了し、発電性能や水路への影響および、保守性などが確認できたと発表した。同実証は6月から3か月間にわたり、福島県須賀川市の新安積疏水(しんあさかそすい)で実施されたもの。
 一般的な水力発電装置は水位の落差を利用するため工事費用が高額だが、マイクロ水車は自然の水流による発電が可能なコンパクトな水車で、工事費も低コストだ。同社のマイクロ水車は、農業・工業・飲料用水など既存の用水路の壁面に簡単に設置できる。
 同社のマイクロ水車の特長は下記の通り。

(全文は、転載元より会員登録いただき閲覧できます。)

https://www.kankyo-business.jp/news/013302.php

2016/09/07

小水力発電実証完了「マイクロ水車」年内販売へ【河北新報】

2016年9月7日掲載
 自動車部品のベアリング(軸受け)製造大手、NTN(大阪市)は6日、福島県須賀川市を流れる用水路で続けてきた小水力発電の実証実験を公開した。水路に取り付ける小型の「マイクロ水車」をほぼ開発できたとして年内にも発売する。
 水車は5枚の羽根を水流で回して発電する。羽根が描く円の直径が60センチ、90センチ、120センチの3種類ある。羽根は先端部分を広くして発電効率を高め、水路などへの設置も容易にした。
 実証実験は6月から今月10日までの計画で実施。約100メートルの区間に最大10台の水車を設置して発電量を計測した。配置による発電効率の違いなども調べた。
 その結果、毎秒1.6メートルの流速で、90センチ型の発電量は1日約12キロワット時と一般家庭の1日分の消費量に達した。発電した電力は近くの同社事務所で利用した。
 NTNは発売までに部品の耐久性や発電効率をさらに高める。90センチ型の販売価格は設置費を含めて1台150万円程度を見込む。農業関係者や周辺住民による利用を想定。石川浩二事業部長は「自然資源を有効活用し、社会や地域の発展につなげたい」と期待した。
 須賀川市での実験は、市議会が東京電力福島第1原発事故からの地域復興に向けてNTNに働き掛けた。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201609/20160907_62044.html

2016/09/06

原子力の地にバイオマス発電が拡大、木材と下水から電力を作る【スマートジャパン】

2016年9月6日掲載
福井県でバイオマス発電の導入プロジェクトが相次いで始まった。林業で発生する用途のない木材や下水の汚泥を処理する時に生まれるバイオガスを燃料に利用する。風力発電や小水力発電の取り組みも広がり、停止中の原子力発電所から離れた場所で再生可能エネルギーの電力が増えていく。
[石田雅也,スマートジャパン]

 日本海に面した福井県の中で最も内陸にあるのが大野市だ。周囲を水田に囲まれた広大な土地の一角に、新しい木質バイオマス発電所が2016年4月に運転を開始した。神戸製鋼グループが地元の森林組合や運送会社などと共同で設立した福井グリーンパワーが運営する。
 総事業費40億円をかけて建設した木質バイオマス発電所は7MW(メガワット)の発電能力がある。年間に7~8万トンの木質チップを燃料に使って、5000万kWh(キロワット時)の電力を供給できる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万4000世帯分になり、大野市の総世帯数(1万1000世帯)を上回る。
 燃料になる木質チップの原材料は製材工場などから出る端材のほか、森林で発生する用途のない木材や道路工事などに使われた廃材を調達する。発電所に隣接して森林組合の貯木場と木質チップの製造施設を整備して、年間を通じて燃料を安定供給できる体制になっている。
 発電所の中で高くそびえ立つのはバイオマスボイラーである。最初に木質チップを高温の状態にしてガスを発生させて、そのガスをボイラーの中で燃焼して高温・高圧の蒸気を作る。蒸気でタービン発電機を回しながら、ボイラーの排ガスから熱を回収して発電効率を高める仕組みだ。
 さらに規模の大きい木質バイオマス発電所の建設が沿岸部の敦賀市で進んでいる。丸紅グループが東洋紡の事業所の遊休地を賃借して巨大なバイオマス発電所を建設中だ。発電能力は37MWに達して、年間に7万世帯分の電力を供給できる。敦賀市の総世帯数(2万7000世帯)の2.5倍に匹敵する規模になる。
 運転開始は2017年の夏を予定している。燃料は立地を生かして国内と海外から未利用の木材を調達する。発電した電力は固定価格買取制度を通じて、同じ丸紅グループの新電力がFIT電気として企業や家庭に供給する計画である。

  浄化センターにバイオガス発電が広がる

 福井県内では木質バイオマス発電に加えて、下水の汚泥を利用したバイオガス発電の導入プロジェクトが広がってきた。越前市の「家久(いえひさ)浄化センター」では2017年度にバイオガス発電設備の運転を開始する予定だ。
 浄化センターには下水を処理する工程で大量のバイオガス(消化ガス)が発生する。従来はバイオガスを自家消費するだけだったが、最近は全国各地の下水処理場でバイオガスを利用した発電事業が活発に始まっている。家久浄化センターを運営する越前市は民間の事業者に委託して発電事業を実施する。
 バイオガスの発生量は年間を通じて一定ではない。気温や地域の特性によって影響を受ける。さらに自家消費する量も季節によって変わるため、発電に利用できるバイオガスの量は常に変動する。発電設備の導入にあたっては、バイオガスの利用可能量を想定して最適な発電能力を決めることになる。
 家久浄化センターのバイオガス発電は公募で選ばれた県内企業のマルツ電波が建設・運営を請け負う。越前市はバイオガスの売却と発電設備の土地使用料を合わせて年間に最大90万円を得られる見込みだ。発電事業を実施する20年間の累計では1800万円になり、余剰のバイオガスが新たな収益をもたらす。
 これまでにマルツ電波は福井県内の2カ所の浄化センターでバイオガス発電設備を稼働させている。福井市の「日野川(ひのがわ)浄化センター」と坂井市の「九頭竜川(くずりゅうがわ)浄化センター」で2014年に運転を開始した。発電能力が25kW(キロワット)の発電機をバイオガスの利用可能量に合わせて複数台の構成で導入している。
  日野川浄化センターでは12台のバイオガス発電機を導入して、合計で300kWの発電能力がある。年間に8600時間(約358日)の稼働で228万kWhの電力を供給できる。一方の九頭竜川浄化センターは10台の構成で208万kWhの電力量を想定している。それぞれで一般家庭の600世帯程度の使用量に匹敵する。

  滝の近くに太陽光と小水力のエコビレッジ

 このところ福井県では再生可能エネルギーの中でも、風力・中小水力・バイオマス発電の導入事例が増えてきた。固定価格買取制度の認定を受けた発電設備の規模では、風力が全国で19位、中小水力が26位、バイオマスが25位に入っている。
 風力発電では日本海に面した福井港の先端に、北陸電力グループが4基の大型風車を建設中だ。1基あたりの発電能力は2MWで合わせて8MWになる。2017年1月に運転を開始する予定で、年間の発電量は1440万kWhを見込んでいる。一般家庭の4000世帯分に相当する。
 小水力発電のユニークなプロジェクトもある。原子力発電所が数多く集まる若狭湾から内陸に10キロメートルほど入った山間部で、「若狭瓜割(うりわり)エコビレッジ」の開発が進んでいる。美しい滝の周辺に、環境と共生することを目指して新しい街をつくる計画だ。
 住宅の屋根に太陽光パネルを搭載する一方、滝と住宅の近くに小水力発電設備を導入してエネルギーの地産地消を推進する。環境に優しい生活スタイルに魅力を感じる若者が全国から移住してくることを期待している。
 福井県のエネルギー政策は現在も原子力が中心だが、発電所が立地していない地域では再生可能エネルギーの取り組みが活発になってきた。原子力と比べれば発電規模は圧倒的に小さい代わりに、大規模な停電を引き起こす心配がなく、深刻な放射能汚染のリスクも避けられる。原子力の再稼働が滞る間に、再生可能エネルギーの電力が山間部を中心に浸透していく。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/06/news021.html

2016/09/06

送配電ネットワークの利用料、発電事業者も2020年度から負担へ【スマートジャパン】

2016年9月6日掲載
電力市場の構造改革に伴って送配電ネットワークの費用負担を見直す。現在は小売電気事業者が電力会社の送配電ネットワークを利用するために託送料金を支払う仕組みになっている。2020年度に実施する発送電分離に合わせて、発電事業者も送配電ネットワークの費用を負担する制度に変わる。
[石田雅也,スマートジャパン]

自由化で電気料金が安くなったが、小売電気事業者にとっては電力会社に支払う送配電ネットワークの利用料(託送料金)の負担が大きい(図1)。地域によってばらつきはあるものの、小売価格の4割強を託送料金が占めている。一方で電力を供給する発電事業者には託送料金は発生しない。

図1 現在の電気料金の仕組み。出典:資源エネルギー庁

電力市場の健全な競争を促進する電力・ガス取引監視等委員会が、こうした送配電ネットワークの費用負担の仕組みを変更する検討に入った。送配電ネットワークの費用には発電所から変電所、さらに住宅・商店やビル・工場まで電力を送る配電のコストが含まれている(図2)。

図2 送配電ネットワークの費用の対象(原価・単価は東京電力の例、画像をクリックすると拡大)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

このうち発電所の費用は電力会社の火力発電所と水力発電所が対象になる。送配電ネットワークを流れる電力の周波数を調整する「アンシラリー」と呼ぶサービスのコストだ。電力は需要と供給力の変動によって周波数が不安定になるため、火力発電所や水力発電所の出力を上げ下げして調整する必要がある。需要家に供給する電力の品質を維持するコストであることから、小売電気事業者が負担する託送料金の原価に入っている(図3)。

図3 託送料金原価の算定方法。NW:ネットワーク。出典:電力・ガス取引監視等委員会

ところが電力市場の構造変化によって新たな課題が出てきた(図4)。再生可能エネルギーの電源を含めて発電設備が拡大すると、それに合わせて送配電ネットワークの容量を増強しなくてはならない場合がある。増強にかかる工事費は原則として電力会社が負担することになっているため、託送料金の原価が増える。発電設備に関連したコストであるにもかかわらず、小売電気事業者が託送料金として負担する。

図4 送配電ネットワークの費用負担の課題。VPP:仮想発電所。出典:電力・ガス取引監視等委員会

地産地消などを対象に割引制度も検討

電力・ガス取引監視等委員会が検討している新しい費用負担の仕組みは、小売電気事業者を対象にした託送料金に加えて、発電事業者にも発電設備の容量に応じて課金する方法である(図5)。すでに欧州ではイギリスやフランスをはじめ各国が発電設備に課金する制度を導入している。

図5 送配電ネットワークの費用負担の変更イメージ。NW:ネットワーク。出典:電力・ガス取引監視等委員会

送配電ネットワークの費用は発電設備の立地場所によって変わる。このため地域ごとに料金を変える案も検討していく。現在でも地域によって託送料金を安くする制度はある。「需要地近接性評価割引制度」と呼ぶもので、需要の多い地域に立地する発電設備から電力の供給を受ける場合などを対象に託送料金を割り引く(図6)。

図6 「需要地近接性評価割引制度」の適用対象地域(画像をクリックすると理由も表示)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

典型的な例は東京電力の管内で、供給力に対して需要の多い1都4県が割引制度の対象に指定されている。このほかにも新しい発電設備が加わることによって送電時の電力の損失を低減できるような地域は割引制度の対象になる(図7)。

図7 送配電ネットワークの潮流の変化。出典:電力・ガス取引監視等委員会

今後は現行の割引制度を見直しながら、送配電ネットワークの運用コストを低減させる効果が期待できる利用方法に幅広く適用していく方針だ。発電した電力を地域内で消費する地産地消のケースが好例で、送配電ネットワークを広域で利用しないことから運用コストの低減につながるとみなされる(図8)。

図8 送配電ネットワークの高度な利用例と託送料金インセンティブ。出典:電力・ガス取引監視等委員会

送配電ネットワークの費用負担の見直しに関しては、2016年度中に基本方針をとりまとめる。2017年度には料金の算定方法を含めて詳細な制度の設計を完了させる。その後の2年間で電力会社のシステムの改修など準備を進めて、2020年度から新しい料金体系を導入する予定だ。

2020年度には電力会社の送配電部門を分離・独立させる発送電分離を実施することが決まっている(図9)。この段階では電力会社の発電部門も他の発電事業者と対等の立場で競争する必要がある。送配電ネットワークの運用コストを発電事業者と小売電気事業者が適切に負担する仕組みは発送電分離にも欠かせない。

図9 発送電分離(送配電部門の中立化)の実施イメージ。出典:資源エネルギー庁

 

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/06/news031.html

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