2017/03/11
2017年3月11日掲載
関西広域小水力利用推進協議会(京都市下京区)は20日午後1時半から、下京区の東本願寺真宗教化センター「しんらん交流館」で学習会「大胆シミュレーション! あの疏水でなぜ小水力発電ができへんの?」を開く。
琵琶湖疏水は1890年に完成し、第1期蹴上(けあげ)発電所が91年に送電を開始した水力発電発祥の地。その疏水を利用して、環境に配慮したエネルギーである小水力発電ができないかを、法的手続きや技術的課題などの面から議論していく。
京都市琵琶湖疏水記念館学芸員による出前トーク「京都のまちに電気の灯(あか)りを 琵琶湖疏水と水力発電」の後、参加者らによるワークショップ学習会。
参加費500円。
定員70人。
申し込みは15日までに協議会事務局(info@kansai-water.net、080・7051・5830 里中さん)。
【榊原雅晴】
2017/03/07
2017年3月7日掲載
ダム放流水を活用した水力発電所など、再生可能なエネルギーを積極的に取り入れたまちづくりを推進する有田川町は、廃校になった小学校校舎の屋根にソーラーパネルを設置して、町営の太陽光発電所事業を開始した。町環境衛生課は「さらに環境に優しい“エコのまち”作りを進めていく」としている。
同町岩野河で10年以上前に廃校となった旧峯口小学校校舎を利活用しようと、同小学校の屋根にソーラーパネル172枚(計約250平方メートル)を設置し、今年2月末から稼働を始めた。
同発電所は、1時間に13世帯分の電力を発電可能で、関西電力への売電を通して、年間136万円の収入を見込んでいる。また、災害時には避難所となる隣接する公民館などへ電力を供給することも可能という。
同町はこれまでに、水力、風力、太陽光発電施設を整備し、その取り組みが評価され、昨年11月に資源エネルギー庁の「次世代エネルギーパーク」に認定されたほか、県営ダムの放流水を使った町営二川小水力発電所整備の取り組みが新エネルギーの普及に貢献したとして、「資源エネルギー庁長官賞」を受賞するなど、再生可能エネルギーを活用したまちづくりを推進している。
同町では今後、町内に整備した小水力発電所や今回の太陽光発電所などを希望する企業や自治体に公開するほか、町内の子供たちの環境教育の教材としても活用する方針。同課の担当者は「環境を守る大切さを伝え、地元住民に誇りを持ってもらえれば」と話した。
http://www.sankei.com/region/news/170308/rgn1703080018-n1.html
2017/03/01
2017年3月1日掲載
福岡県の山間部にある治水用のダムに新しい小水力発電所が完成した。4月1日に運転を開始する予定で、年間に270世帯分の電力を供給できる。売電収入は年間3300万円を見込む。ダムが立地する県南部の、うきは市が建設・運営する。3億円を超える総事業費のうち1億円を福岡県が補助した。
[石田雅也,スマートジャパン]
福岡県が管理する15カ所のダムの中でも、うきは市にある「藤波ダム」は最も新しくて2010年に運用を開始した。県の南部を通って有明海へ注ぐ「筑後川」の上流にある。川の流域の洪水を防ぐ目的で造った治水用のダムだ。
通常時も下流の自然環境を保護するために放流を続けている。その放流水を取り込んで小水力発電に利用する。
うきは市は2015年度から小水力発電所の建設に着手、2017年2月に工事を完了した。藤波ダムの取水設備から延びる既設の放流管に水圧管路を追加して、発電所の内部にある水車発電機まで放流水を取り込む仕組みだ。この間の水流の落差は40メートルに達する。
最大で毎秒0.55立方メートルの放流水を使って、発電能力は162kW(キロワット)になる(図3)。現在は発電設備を調整中で、4月1日に運転を開始する予定だ。年間の発電量は98万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して270世帯分に相当する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は69%になり、小水力発電の標準値60%を上回る。
発電した電力は全量を固定価格買取制度で売電する方針だ。1kWhあたりの買取価格は34円(税抜き)で、年間に3300万円の売電収入を見込める。20年間の買取期間の累計では6億6000万円になる。一方で建設工事にかかった総事業費は3億4400万円である。そのうち1億円を福岡県の補助金でまかなった。稼働後の運転維持費を加えても十分に採算がとれる。
20年間に約1億円の利益を見込める
福岡県は再生可能エネルギーの導入量を拡大する施策の1つとして、県営ダムの放流水を利用した小水力発電の可能性を2013年度に検討した。すでに水力発電を実施中のダムを除く12カ所を対象に、想定できる発電量と建設工事費・運転維持費をもとに収益性を評価して候補を絞り込んだ。
その結果、藤波ダムは買取期間の20年間に9300万円の利益を上げることが可能で、15年で投資を回収できるめどが立った。この時点では発電能力を153kW、年間の発電量を86万kWhと見込んでいて、実際よりも少し低い水準で収益性を評価していた。発電能力と発電量を増やすことができたため、投資回収年数は短縮する見通しだ。
12カ所の中で収益性の評価が最も高かった「瑞梅寺(ずいばいじ)ダム」では、2016年11月に小水力発電所が運転を開始している。発電能力と発電量は当初の想定どおりで、20年間に1億4800万円の利益を上げられる見込みだ。ダムが立地する糸島市が2億1200万円の総事業費で建設した。うきは市と同様に福岡県から1億円の補助金を受けている。
県営ダムの放流水を利用する2カ所の小水力発電所は、ほぼ同じ構造で造られている。ダムの放流管から水車発電機へ水流を取り込む仕組みだ。この方式だと落差が大きくて水量も安定しているため、水車発電機には最も汎用的な横軸フランシス水車を採用した。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1703/01/news055_2.html
2017/02/27
2017年02月27日掲載
黒部市が整備を進めていた小水力発電所の黒瀬川発電所(同市若栗)が完成し、開所式が27日、同発電所で行われた。宮野用水発電所(同市宇奈月町内山)に続き、市が運営する2カ所目の小水力発電所となる。
同発電所の最大出力は180キロワット。年間可能発電電力量は119万7千キロワット時で、一般家庭約400世帯分に相当する。火力発電に比べ、年間約660トンの二酸化炭素を削減できるという。全て売電し、売電収益は農業施設や土地改良施設などの維持管理費に充て、経費削減を図る。近くのJR黒部宇奈月温泉駅をイメージした外観で、市と水との関わりや、小水力発電の仕組みなどを紹介するギャラリーを併設している。
開所式には関係者約50人が出席。堀内康男市長があいさつし、新村文幸市議会議長と橋本正義県新川農林振興センター所長が祝辞を述べた。荻野幸和黒部川左岸土地改良区理事長と米田吉博県新川土木センター入善土木事務所長、川村昭一若栗自治振興会長が加わりテープカットし、堀内市長と広瀬恵一北陸電力魚津支社長がボタンを押して運転を開始した。
県内で自治体単独で小水力発電に取り組んでいるのは黒部市のみ。市は2017年度予算案にマイクロ水力発電所の調査費を計上している。式後、堀内市長は「今後はマイクロ発電でつくった電気を地元で使い、地域の特性が住民に見えるようにしたい」と話した。
2017/02/22
2017年2月22日掲載
小水力発電所の取り組み評価
県営ダムの放流水を使った有田川町営二川小水力発電所の取り組みが、新エネルギーの普及に貢献した団体などに贈られる一般財団法人「新エネルギー財団」の「新エネ大賞」で、「資源エネルギー庁長官賞」を受賞した。多目的ダムに町営の小水力発電所を作って売電する取り組みで、県内では初の受賞。同町では「環境教育なども行い、子供たちにとって地元の誇りの一つになれば」と話している。
同大賞は、新エネルギーの普及や導入の促進に貢献した団体などに贈られ、平成8年度に始まった。
有田川上流にある県営二川ダムでは、下流の水質維持のため約30メートルの高さから、毎秒約0・7トン放流。その未利用の水「維持放流水」を利用して発電する。県営ダムを利用して全国にも例がない町営の小水力発電所を作った先行事例となったことが評価された。
同町は、21年4月から県と協議。維持放流設備の費用の町負担分を50%から0・3%へ減額するなど協議を進め、28年2月、同発電所が完成した。総事業費約2億8千万円。
現在は、約300世帯分にあたる年間約120万キロワットを発電し、関西電力に売電。年間約4300万円以上の利益が出ており、事業費も7年後には回収できる見通しで、今後は再生可能エネルギーの普及や環境教育などに活用していく予定という。
同町では、ごみの分別が徹底され、資源ごみ収集のコストが低く抑えられることから従来、町が業者に委託料を支払っていた資源ゴミの収集業務について、業者が町に料金を支払う「マイナス入札」を実施。削減分を取り組みに活用していることなども高く評価された。
同町環境衛生課の担当者は「老朽化したインフラを使った太陽光発電の取り組みも進めている。個人や地域コミュニティーでも参画してもらい、『エコのまち』のイメージをつくっていきたい」と力を込めた。
http://www.sankei.com/region/news/170222/rgn1702220057-n1.html