2017/05/11
2017年5月11日掲載
前橋市と群馬大は7月、同市大手町の中央児童遊園「るなぱあく」内で小水力発電の実証実験を始める。来年3月まで園内にある滝の下に水車発電機を設置して効率的な発電法を検証する。発電した電気は園内のイルミネーションに活用し、市民の再生可能エネルギーへの関心を高める。
滝は落差約1メートルで、最大出力は70ワット。群馬大大学院理工学府の栗田伸幸准教授が開発中の「磁気浮上技術」を活用することで、効率良く静かに発電できるとみられる。
園内を流れる利根川の支流、風呂川の水を利用する。水利権を所有する地元の土地改良区から使用承諾を得た。6月に水車や配管の工事を行う。
市環境政策課は「市街地でも小水力発電が可能なことを多くの市民に見てもらいたい」としている。
2017/05/10
2017年5月10日掲載
日本工営は2017年5月8日、小水力発電などの電力事業を対象とするシンガポールの投資会社、アイロンモントハイドロに出資することで同社と合意した。投資判断などに関与することで、民間主導で実施する電力事業の知見を獲得し、実績を積むことなどが狙いだ。個々の投資案件で、アドバイザリー業務などの受注も目指す。
アイロンモントハイドロの第三者割当増資を引き受ける形で、事業の進捗に応じて総額1000万米ドル(約11億円)を出資する。日本工営は2017年5月にシンガポールで拠点を開設しているが、アイロンモントハイドロの投資判断などに関与するため、新たに社員を派遣する。
アジア地域では、電力供給網の整備や民間資金を活用した電力事業の開発などで大きな伸びが見込まれている。日本工営は中期経営計画で再生可能エネルギー事業の強化を打ち出しており、今回の投資もその一環。得られた知見を、東南アジアを中心としたエネルギーインフラ事業関連の業務受注の布石としたい考えだ。
アジア地域での再生可能エネルギー事業に関して、日本工営は2016年からインドネシアのチカエンガン川で現地法人を通じて小規模水力の独立系発電事業(IPP)に参入しているほか、フィリピンの電源開発会社に出資している。アイロンモントハイドロが出資するインドネシアの水力発電事業者、アルコラハイドロなどが手掛ける複数の中小水力発電事業では、日本工営のグループ会社が技術レビュー業務などを受注している。(フリーライター 山崎一邦)
2017/05/10
2017年5月10日掲載
若狭町は日本遺産・鯖街道の宿場町「熊川宿」を流れる農業用水路3カ所に4基の小水力発電機(出力5~10ワット)を設置した。発光ダイオード(LED)を使った街灯や案内看板の照明などに利用する。
発電機は、水面に対し垂直に入れた軸の先にある羽根車を水の流れで回転させて発電する仕組み。滋賀県湖南市の電装品加工メーカー「マツバ」が、同町に子会社を置いている縁で町に寄付した。
2日夜には旧熊川村役場前で点灯式が開かれた。発電機で作った電気で会場に張られた青色の電飾が照らされると、参加した約50人の住民から拍手が起こった。
町では既に若狭瓜割名水公園(天徳寺)にも同社製の発電機が設置されており、木製水車のライトアップなどに活用されている。
マツバグループの高畑松夫会長(81)は「東京電力福島第1原発事故後に、小水力発電の開発に取り組んでいる。自然エネルギーの普及につながれば」と話した。【高橋一隆】
2017/05/10
2017年5月10日掲載
日本工営は5月8日、小水力発電などの電力事業を対象とするシンガポールの投資会社、アイロンモントハイドロに出資することで同社と合意した。
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2017/05/09
2017年5月9日掲載
新日本コンサルタント(富山市吉作、市森友明社長)は、インドネシア・スマトラ島に2万世帯超の電力を賄う小水力発電所を建設する。国内で培った建設・運営のノウハウを生かした同社初のインフラ輸出となる。約30億円を投じ、2020年の本格稼働を目指す。
富山市や水機工業(同市黒崎)、国際協力機構(JICA)と共に、同国バリ島の電力不足解消を目指して進めている小水力発電プロジェクトの一環で、新日本コンサルタントは現地調査などに携わる。
プロジェクトには小水力発電に関する設計・施工の技術を新興国の発展に生かすとともに、東南アジアの経済成長を日本側にも取り込む狙いがある。
同社グループが運営する再生可能エネルギーの発電所は、富山市八尾町のメガソーラー、南砺、金沢両市の小水力発電所各1カ所に続き、今回で4カ所目。建設と運営は、グループ企業のニックスニューエネルギー(富山市吉作)を通じて設立した現地法人が担う。設備投資の資金の一部は商工中金富山支店などから融資を受けた。
小水力発電を行うのはスマトラ島南西部ブンクル州のケタウン川。現地の地形は急峻(きゅうしゅん)で降水量が多く、発電に適しているという。標高約400メートルの川沿いに全長2・7キロの設備を設け、毎秒36トンを取水する。
39メートルの落差を生かして水車を回し発電する。最大出力は約1万3千キロワット。現地の国営電力会社に全て売電し、年間約6億6千万円の収入を見込む。18年の着工を目指し、用地買収を進めている。同社は今後も東南アジアに向けた小水力発電の輸出の可能性を探る。