過去に投稿された記事の一覧です。

2017/05/31

みつせ通信 小水力発電 先人の遺産を未来へ【佐賀新聞】

2017年5月31日掲載
 佐賀平野の麦秋が刈り取られ、稲の苗代づくりが始まる頃、三瀬村の田植えはほぼ終わっている。冷涼な山間部ではあるが、つい先日の早朝の温度計が8度を差していたのには目を疑った。
 嘉瀬川の源流を戴(いただ)く三瀬村の豊富な水の流れを利用して、集落が主体となった小水力発電の実現がいよいよ近づいてきた。発案・検討から2年以上の紆余(うよ)曲折の歳月を経て、地域の特性に合った再生可能エネルギーへのチャレンジだ。先人が遺(のこ)してくれた同じく水力装置の水路や小屋を再活用して、それを未来の集落へ繋(つな)いでいく仕事に地域住民自らが携わっていく。技術をリードしてくれる九州大学と共に、出来ることは自分たちでしていく作業をほぼ月1回積み重ねてきた。
 この事業で地域がどのようになれるかはまだこれからだ。それでもただ一つ確かなことは、先人から継いで未来を作ろうとする今の仕事そのものこそが地域を元気にしているように思えることだ。(小野寺睦・養鶏農家)

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/433876

2017/05/30

富山の環境技術・経験、インドネシアに 小水力発電や公害教育【日本経済新聞】

2017年5月30日掲載
 富山市の企業や団体がインドネシアに環境関連の技術や経験を伝える動きが広がっている。水門など製造の水機工業は同国の棚田群に小水力発電システムを導入。富山大学の教授らで構成する一般社団法人は現地の学校でイタイイタイ病などの教訓を伝える。同市は国から環境未来都市に選ばれるなど官民の環境意識が高く、国内外で活躍の場が広がりそうだ。
 インドネシア・バリ州で29日、小水力発電施設の普及を目指す「バリ州小水力システム普及展開実行委員会」が発足した。同委員会はバリ州や現地の水路管理組合、大学などで構成。その事務局を務めるのが、富山市と水機工業などの市内企業だ。
 水機工業は中小企業の海外展開を後押しする国際協力機構(JICA)と連携し、バリ州南西部のタバナン県で小水力発電の導入を進めている。同県はユネスコの世界文化遺産の棚田を有するコメの一大生産地。だが電気が届かない地域も多く、農業や商業活動などが制限されていた。
 同社の小水力発電システムは既存の農業用水を生かすため大規模な工事が不要で、地形の落差や流量変動にも柔軟に対応。そのため環境負荷が少なく、安定した発電が可能だ。9日に着工、11月をメドに4機の小水力発電システムを設置する。
 29日に設立した委員会では、設置した小水力発電システムの効果を検証。運営や維持管理など持続可能なモデルを構築し、同国の他の地域に普及させることを目指す。
 一方、富山大の教授らで構成する一般社団法人インドネシア教育振興会は、学校での環境教育導入に取り組む。富山県を流れる神通川沿いで多くの被害者を出したイタイイタイ病の教訓や、ごみの回収・分別の取り組みなどを伝える教科「環境」を導入している。
 2014年からJICAと連携し、ジャカルタ近郊の南タンゲラン市の小学校30校で展開。教科書や教員の指導書を作成したほか、教員らを富山に招き、排ガス規制を設ける立山黒部アルペンルート(立山町)やイタイイタイ病資料館(富山市)などをめぐった。
 同市内では17年度中に小学校全300校に導入する見通し。21年5月までに新たに同市の中学校21校にも導入するほか、ボゴール市(ジャワ島)など他都市の小学校にも導入を広げる。中央政府や自治体と連携し、現地で環境教育推進セミナーも開催する予定だ。
 インドネシアではごみの不法投棄や環境汚染が深刻な都市が多く、住民の環境意識とマナーの向上が課題。同会の窪木靖信代表は「富山発の環境プロジェクトを将来、全域に広げていきたい」と意気込む。
 富山市は国から11年に環境未来都市に選ばれ、高齢化などの課題を乗り越えた成功例となることが期待されている。富山県も16年5月に主要7カ国(G7)環境相会合が開かれた際、レジ袋の削減や次世代型路面電車(LRT)など環境問題への先進的な取り組みを世界に発信するなど、環境への官民の意識は高い。
 「富山の技術を世界に広め、環境未来都市としての役割を果たしたい」と市担当者。発展途上国では経済成長に伴い環境問題の重要性が高まっており、富山が果たせる役割は今後、大きくなりそうだ。(富山支局 長谷川雄大)

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17029140Z20C17A5LB0000/

2017/05/24

白山山麓で小水力発電 金沢工大など、流雪溝の流れ活用【日本経済新聞】

2017年5月24日掲載
 金沢工業大学は石川県の企業やNPO法人と協力し、同県白山市の白山山麓地域に小水力発電施設を設けた。除雪された雪を河川まで運ぶ流雪溝の水の流れを活用し、発生した電力を販売して地域活性化に役立てる。発電所から得られたデータは再生可能エネルギーの研究に生かす。
 豪雪地帯で知られる同市白峰地区に「白峰まちづくり発電所」を開設した。26日に完成式典を開き、発電を本格的に始める。出力は7キロワット程度という。地域の除雪に使う流雪溝の水の流れを利用する。雪が積もる時期には雪を運ぶのに水が必要なため、雪が降らない春から秋に流れる水を活用して発電し、北陸電力に売電する。年間数十万円の収入を見込む。
 金沢工大地方創生研究所が白峰地区のまちづくりを推進するNPO法人と協力。連携するエンジニアリング会社の荏原商事(東京・中央)が発電設備の施工を手掛け、電気機器メーカーの別川製作所(白山市)が配電設備を提供した。
 金沢工大は産学連携による地方創生の研究に取り組んでおり、今回の発電所はプロジェクトの第1弾となる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16758670T20C17A5LB0000/

2017/05/20

住民が出資 小水力発電 高知・土佐山、売電収入を地域活動に【日本経済新聞】

2017年5月20日掲載
 高知市北部の中山間地、土佐山で住民らが出資して小水力発電会社を設立した。集落内を流れる谷川に最大出力49.9キロワットの水車型発電設備を建設し、再生エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に基づき全量を四国電力に売電する。売電で得た収入は集落維持や活性化の資金にあてる。地域活動を目的にした住民主体の小水力会社設立は四国初という。
 土佐山の高川地区の住民で組織する一般社団法人「高川区」と、小水力発電所の企画・設計をてがける地域小水力発電(高知県香美市)がそれぞれ100万円出資し、4月末に「土佐山高川区小水力発電株式会社」を設立した。今後さらに増資を募る。
 建設費は大半を民間金融機関からの融資でまかなう予定。今後、水路を管理する高知市へ使用許可申請などの手続きに入る。2017年内に建設に着手し、18年中の発電開始を計画する。
 集落内を流れる高川川の支流、工石谷の標高494メートルの地点に取水口を設置する。総延長540メートルの導水管に水を通し、取水地点から87メートル下の河川沿い地点に設置した水車を回して発電する。
 発電量は年間約28万キロワット時。1キロワット時あたり34円(税別)の固定価格で四国電力に販売する。期間は20年間。売電収入は年間930万円を見込み、総事業費8400万円や減価償却費、維持費を差し引いても年間約50万円が地域の収入になる。
 高川地区には現在は約60世帯130人が暮らす。過疎化で地域活動への参加人数や活動資金が細る中、共用施設の管理・修繕などの費用を売電収入でまかなう。高橋幹博・高川区長は「桜の植樹や祭り開催など地域に人を呼び込む活動にも生かしたい」と話す。
 全国小水力利用推進協議会(東京・豊島)によると、ここ数年で住民がかかわる小水力発電会社は長野県飯田市や岐阜県郡上市などで立ち上がっているが四国では今回が初のケースという。
 地域小水力発電は高知県馬路村などで小水力発電所の企画・管理を手掛けている。自社設計のノウハウやコストダウンの手法を積み上げており、古谷桂信社長は「四国の恵まれた水資源を生かして小規模でも地域が収入を得るモデルを高知から発信したい」と話す。

 ▼小水力発電 ダムのような大規模構造物を必要としない、小河川や用水路などを活用した小規模な水力発電。はっきりした定義はないが出力1000キロワットト以下の発電設備を総称して呼ぶことが多い。様々な場所に設置することが可能で、環境負荷が小さいなどのメリットがある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16646230Z10C17A5LA0000/

2017/05/19

地域の再エネを発掘せよ 兵庫県、小水力発電や再エネ発電設備に支援【環境ビジネスオンライン】

2017年5月19日掲載
 兵庫県は5月18日、バランスのとれた再生可能エネルギーの導入拡大に向け、地域団体等に対して、小水力発電の事業化に向けた取り組みを支援する補助金、および再生可能エネルギー発電設備導入に無利子貸付を行う事業の募集を開始すると発表した。
 小水力発電の補助金については5月31日、6月9日、6月13日に、無利子貸付事業については6月中旬に公募説明会を開催する。
 この事業の名称は、「平成29年度地域創生!再エネ発掘プロジェクト事業」。同県の再生可能エネルギーによる発電量を2015年度の約30億kWhから2030年度に70億kWhに増大させることを目標に掲げた「兵庫県地球温暖化対策推進計画」に基づくものだ。

  小水力発電の勉強会、現地調査、先進地視察等に補助金

 小水力発電についての補助金では、地域団体等に対して事業化検討に必要な立ち上げ時の取り組み(勉強会、現地調査、先進地視察等)および事業化に必要な基本調査・概略設計等(流況調査、測量調査、既存設備劣化診断、地質調査等)の経費の一部を補助する。
 補助限度額は、立ち上げ時の取り組み支援が30万円、基本調査・概略設計等補助が500万円(補助率1/2)。募集締め切りは6月30日。前者は書面審査、後者はヒアリング審査も行い、採択団体をそれぞれ7月中旬、8月下旬に決定する。

  再エネ発電設備導入に無利子貸付。優れた事業は補助金申請も

 再エネ発電設備の導入経費の一部を支援する無利子貸付は、小水力発電や小規模バイオマス発電など全県的なモデルとなり得る地域団体等の取り組みに対して、ひょうご環境創造協会(兵庫県神戸市)と連携して実施する。
 対象事業は、県内に地域団体が主体となって新たに再生可能エネルギー発電設備を導入し、固定価格買取制度を活用して、継続的に発電を行う事業(太陽光発電については、特に先進モデルと認められるもののみ)。
 対象団体は法人格を有する自治会、マンション管理組合、NPO法人等。貸付期間は20年以内、貸付利息は無利子、手数料は毎年、貸付残高に0.2%を乗じた金額、貸付限度額は3,000万円(ただし、設備導入に必要な経費の80%を上限)。
 応募があった書類について書面審査を実施し、書面審査通過団体を対象に、学識者、専門家等で構成する審査会においてヒアリング審査を実施し、採択団体を決定する。
 また、審査会において特に優れている事業として採択された団体は、ひょうご環境創造協会が実施する「再生可能エネルギー発掘プロジェクト支援事業」(補助率1/3、補助限度額3,000万円)に申請することができる。
 募集締切は8月31日、10月中旬に審査を実施し、11月中旬に採択団体を決定する。

https://www.kankyo-business.jp/news/014893.php

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