2018/07/04
関西広域小水力利用推進協議会HP(http://kansai-water.net/)に関西広域小水力利用推進協議会が2018/06/02~09に開催した『第2回オーストリア小水力ツアー』の報告が掲載されています。
ご参考にぜひご覧ください。
2018/07/03
2018年07月03日掲載
ひおき地域エネルギー(鹿児島県日置市)が地元企業、自治体と開発を進めてきた「永吉川水力発電所」(愛称=水永吉(みなきち)君)がこのほど営業運転を開始した。
新発電所は川や農業用水路などを流れる水の力を使って発電する小水力発電所で、大規模なダム型の水力発電に対して、流れている水をそのまま取り込み使うため、環境負荷が少ないなどの特徴がある。
ひおき地域エネルギーは、出資者でもある地元企業とともに、自治体や地元金融機関の協力も得ながら、前身のひおき小水力発電推進協議会当時の2013年から小水力発電の開発を進めてきた。永吉川水力発電所は、2017年に着工し、2018年6月に運転を開始。発電出力は44.5kWで、有効落差は8.65m、最大使用水量0.68m3/s(立法メートル毎秒)。約70世帯分に相当する年間発電量を見込んでいる。発電した電気は地産地消の電気として地域内で使われる予定だ。
発電所の仕組みは、まず、取水設備から水車を回すための水を取り込む。沈砂池・ヘッドタンクで、砂や石などを沈ませ、水車の羽根が壊れないように余計なものを取り除いた水を水車まで送る。発電所建屋には水車・発電機・配電盤などを装備しており、取り込んだ水が水車を回し、その回転力で発電機を動かし発電する。水車を回した水は放水路から川に戻す。
永吉川水力発電所の水車は、クロスフローという種類の水車(独ヴァッサークラフトフォルク社製)で、二つのガイドベーン(案内羽根)の効率が落ちないよう水の量を自動調整する。水が少ない場合は片方のガイドベーンが閉じ、もう一方のガイドベーンのみが開いて水車を回す構造となっている。水車のサイズは約1.2×1.2m(メートル)。また、発電機には永久磁石発電機を採用した。
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1807/03/news026.html
2018/07/02
2018年7月2日掲載
グリーン電力エンジニアリング(東京都千代田区)は6月27日、長野県塩尻市に小水力発電所「塩尻市奈良井川萱ヶ平小水力発電所」を建設すると発表した。7月5日に起工式を行う。
信濃川系奈良井川の流水を利用した小水力発電所で、取水部流域面積は19.6km2。総落差55.7mを利用して、一般家庭約830世帯分に相当する年間300万kWhを発電する見通し。2019年秋ごろの供用開始を目指す。
同社にとって第1号の小水力発電所となる。発電設備は、同社グループ会社の朝日機工(大阪府守口市)が製造したものを使用し、計画から供用開始までの期間短縮と発電設備の調達コストを低減する。
同社は今後、自らが発電事業者として小水力発電所を展開するほか、ノウハウを活用して小水力発電事業を検討する他事業者へのコンサルティング業務も積極的に行っていく。朝日機工と協働して発電設備の販売にも取り組む。
塩尻市では、木質バイオマス発電所の整備を含む「信州 F・POWERプロジェクト」を推進しており、将来的には地域電力会社の設立によるエネルギー地産地消も検討している。
グリーン電力エンジニアリングは、ISホールディグス(東京都千代田区)が2016年2月に設立した再生可能エネルギー開発会社。小水力発電所のほか、地熱・バイオマス発電などの発電所の建設を計画している。
2018/06/26
小水力発電シンポジウムのご案内
「小水力発電開発,現在の課題と中長期戦略を考える」
全国小水力利用推進協議会では2018年総会イベントとしまして「政策シンポジウム」を開催いたします。再エネ発電所の開発にとって大きな課題である電力系統への接続問題と地域における小水力発電の開発の在り方を視野に、長期的に自立性のある小水力発電の開発に向けての方向性の報告と討議を行います。ご関心のある関係者各位の積極的なご参加をお待ちしています
日時:7月21日(土)午後1時30分 ~ 5時
会場:日比谷図書文化館 コンベンションホール
(東京都千代田区日比谷公園1-4)
プログラム:
1. 13:30 – 13:35(5分)
開会挨拶:愛知 和男 全国小水力利用推進協議会会長
2. 13:35 – 13:50 (15分)
提言発表「2030まで/以降の小水力の課題と求められる
シナリオ作成」 中島 大 (全国小水力利用推進協議会 理事・事務局長)
3. 13:50 – 14:30(40分)
基調講演『再エネ大量導入の課題とBeyond2030の電力NWに向けて』
曳野 潔 (資源エネルギー庁 電力基盤整備課長)
4. 14:30 – 14:50(20分)
講演・テーマ1 『小水力と消費者の観点からみた、
電力システム・系統の在り方』 船津 寛和 (株式会社パルシステム電力)
5. 14:50 – 15:10 (20分)
講演・テーマ2 『シュタットベルケの可能性』
青山 英明(一般社団法人 ローカルグッド創成支援機構 事務局長)
15:10 – 15:25 (15分) 休憩
6. 15:25-15:55 (30分)
報告 『2030に向けた取り組みと課題(各10分)』
(中小水力4団体のうち公営電,水懇,自家懇、から報告)
7. 15:55-16:55 (60分)パネルディスカッション
『小水力発電開発,現在の課題と中長期戦略について』
モデレーター:小林 久 (茨城大学教授、全国小水力利用推進協議会・理事)
(登壇者、来賓、関係者からの意見表明・問題提起、所管官庁・関係者からのコメント会場を交えての討論)
8. 16:55 – 17:00(5分)閉会挨拶:全国小水力利用推進協議会 代表理事
入場無料・先着順・事前申込不要
(定員200名を超えた場合はお入りいただけません。ご了承ください。)
お問い合わせは 全国小水力利用推進協議会 事務局
(TEL:03-5980-7880 e-mail:info@j-water.org)まで
PDFダウンロード
http://j-water.org/wp-content/uploads/2018/06/sinpo.pdf
2018/06/14
2018年6月2日 掲載
多勢和地区を流れる立梅用水(たちばいようすい)を活用した全国でも珍しい地産地消型の小水力発電装置「彦電」が先月下旬、本格稼働を始め、地域での電力利用がしやすくなった。二〇一二年七月から産学官民協働で開発してきた。機械の故障や、十分な発電量が得られない時もあったが徐々に安定。時を経て動きだした事業に、住民や立梅用水土地改良区は「待望の施設がようやく使えるようになった」と喜ぶ。
発電機は、波多瀬で農産物の加工製造などをしている「元丈の里ゆめ工房」近くの用水路に設置されている。用水の落差五十センチを利用し、最大毎時五百ワットを発電。公募で決めた「彦電」の愛称は立梅用水を整備した江戸時代の地元の偉人、西村彦左衛門に由来する。
水利使用者の立梅用水土地改良区が水路や発電機を管理し、地元の自治会などでつくる勢和地域資源保全・活用協議会も協力している。これまでには、ゴミが発電機に流れ込み、発電効率が落ちたり、故障につながったりしたこともあった。土地改良区などはゴミを取り除くオイルフェンスを用水路近くに置くなど、周辺環境を整えてきた。
六年前の設置以来、改良を重ねた発電機は、二つのプロペラが反対方向に回転することで相対速度が上がる方式で、わずかな落差でも効率的に発電できる。国の補助金を得て東京の協和コンサルタンツが九州工業大と開発した。一機約三百五十万円だが、同社の実証実験も兼ねていたため、地元の費用負担はなかった。
先月下旬、同社が電力の安定供給を確認し、供用開始を宣言。発電した電力は、ゆめ工房内に設置された蓄電池に蓄えられ、波多瀬の自治会が用水沿いに付けた発光ダイオード(LED)防犯灯や、ゆめ工房の低温庫で利用されている。
土地改良区の野呂郷武理事長(73)によると、用水路を活用した小水力発電は売電が主で、地産地消型は珍しいといい、「苦労もあったが、地域の皆さんに安定して使ってもらえるようになった」と喜ぶ。波多瀬区の高橋展生区長(66)は「地域の関心が高い事業だった。時間はかかったけれど本格稼働はうれしい」。
元丈の里営農組合加工部の薗井忠一部長(70)は「低温庫は四六時中電気を使う。少しでも電気代が助かる」と喜ぶ。丹生の一般社団法人ふるさと屋の中西真喜子代表理事(69)は「獣害パトロールを行っている電気自動車(EV)の充電などに役立てたい」と話した。
(古檜山祥伍)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20180602/CK2018060202000028.html