2013/12/20
川の流れを活用した小水力発電導入の有望地点選びを進めてきた県は19日、絞り込んだ15か所を公表した。来年1月に発電業者を募集して今年度内に決め、早ければ2016年度に発電を始める。15か所で実現すれば、一般家庭約7300世帯分の年間電気使用量を供給できるとしている。
再生可能エネルギーの普及の一環として、県は小水力発電の導入が可能な約40か所を選定し、さらに採算性を見極めていた。その結果、日光市の6河川11か所、鹿沼市の3河川4か所に絞り込んだ。発電出力は19~473キロ・ワット。15か所で計約2500キロ・ワットとなる。
発電施設の建設や導入に向けた調査などは民間業者が実施し、県は地元自治体や漁協との合意形成などで支援する。発電施設の設置により、自治体は固定資産税の増収が期待でき、県は非常時の電力源としても活用する方針。
(2013年12月20日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20131219-OYT8T01499.htm
2013/12/19
福岡県は発電に利用していない県営ダムから再生可能エネルギーを取り出そうとしている。手段は放流水を利用した小水力発電。12のダムについて投資回収年数などを計算。最も効果的な2つのダムについて自治体主導の発電計画が進み始めた。
[畑陽一郎,スマートジャパン]
福岡県は市町村と連携して県営ダムから電力を取り出す試みを進めている。これまで発電に使われていなかったダムからの放流水を、小水力発電のエネルギー源として使うというもの。
2013年7月には既に発電を行っているダムを除く12の県営ダムについて、採算性の検討結果を公表。4つのダムが有望だと発表した。「発表した結果に基づいて立地自治体と協議していく。県の試算では採算が取れない評価になったダムでも手法によっては可能性が残っている」(福岡県企画・地域振興部総合政策課エネルギー政策室)。
4つのダムとは瑞梅寺(ずいばいじ)、藤波(図1)、力丸、陣屋だ。図2には投資効果が高い上位6位のダムを示した。4つのダムは20年以内に投資を回収できることが分かる。図3では12のダム全てについて結果を示した。発電施設の配置計画や最適な規模を設定し、工事費用と保守費用を勘案したものだ。売電収入では固定価格買取制度(FIT)を前提としている。
図2 ダムに対する投資効果の試算結果(上位6位) 出典:福岡県
図3 ダムに対する投資効果の試算結果(全12ダム) 出典:福岡県
県は小水力発電を再生可能エネルギーの地産地消モデルの1つだと捉えている。ダム共同事業者や市町村と小水力発電の実施について協議する他、事業化が決まった際には技術的支援と事業費の支援を用意している。技術的支援とは計画の策定や設計に関する指導・助言だ。事業費の支援は2段階に分かれる。2013年度は導入可能性調査の補助金として500万円を提供し、2014年度以降に設備導入補助事業として採択された場合、最大1億円を補助する。
端梅寺ダムに続いて藤波ダムに着手 2013年8月にはまず端梅寺ダムについて糸島市が発電に向けた具体的な検討に入った(関連記事)。2015年度末からの発電開始を目指す。県営ダムを対象とした市町村による小水力発電としては九州初だという。
続いて2013年12月には藤波ダムについてうきは市が具体的な検討を開始した。藤波ダムの計画では概算事業費を3億4500万円と試算している。まず、2013年度第4四半期に導入可能性調査を進める。2014年度は実施設計と諸手続きに充て、2015年度と2016年度に工事を進める。発電を開始するのは2016年度第4四半期末だ。
藤波ダムは筑後川水系の巨瀬川(こせがわ)にある多目的ダム(図4)。2010年3月に完成した比較的新しいダムであり、発電には使われていない。ダムの高さ(堤他)は52.0m、総貯水容量295万m3。小水力発電に使う最大使用水量として0.55m3/sを想定しており、最大出力は153kWだ。想定年間発電量は86万kWh。従って、設備利用率は64%という計算になる。国家戦略室の「コスト等検証委員会」では、電源コストを検証する場合に小水力発電の設備利用率を60%としているため、平均以上の能力があることが分かる。
県の試算によれば、固定価格買取制度(FIT)を利用し、買取価格が34円/kWh(税別)の場合、年間の売電収入は約2900万円となる。うきは市は発電した電力を売電に充てるか、需要先に供給するのかを今後決定する。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1312/19/news036.html
2013/12/19
標高差や豊富な水資源のある本県で再生可能エネルギーの小水力発電を普及させるため、県は18日までに、水力発電の有望地点として鹿沼市と日光市の9河川の15カ所を選定した。2014年1月から発電事業者の公募を始める。想定される発電出力は19~473キロワット。全てが稼働すれば、一般家庭約7200世帯分の年間電気使用量を発電できるという。
県地球温暖化対策課によると、有望地点は鹿沼市で4カ所、日光市で11カ所。9河川は鹿沼市の思川、黒川、大芦川と日光市の渡良瀬川、餅ケ瀬川、庚申川、内籠川、神子内川、熊野沢。
県は13年度、876万円の予算を計上し、河川活用発電サポート事業に取り組んでいる。有望地点を選定し、そこで水力発電をする事業者に対し、国をはじめ関係機関との協議や許認可の手続きなどを支援する。
山梨や山口、岡山などの各県が水力発電の有望地点を調査し、公表しているが、事業者を支援するのは本県が全国で初めて。
県は6~11月に掛けて、想定される有効落差や使用水量、年間売電量、概算事業費、年間経費などを調査した。候補地の41カ所から15カ所に絞り込んだ。
http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/welfare/environment/news/20131219/1447309
2013/12/19
小田原市内で自然エネルギーの普及を目指す「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」の会合が18日、同市役所で開かれ、小水力発電の検討状況などが報告された。荻窪用水など市内2カ所の候補地を対象に、水利関係者との合意形成といった課題を整理した上で、2014年度以降に事業化計画を策定する。
小水力発電は、身近な河川や農業用水などを活用でき、太陽光など再生可能エネルギーの中では稼働率が比較的高いのが特徴。東京電力福島第1原発事故以降、安全な地域分散型電源として全国各地で導入事例が増えている。
同協議会では12年8月、検討チームを設けて調査に着手。候補地の選定作業を進める一方、水利組合や自治会の代表ら関係者もチームに参加、協議を行ってきた。
その結果が同日の会合で報告された。候補地は、同市水之尾の「荻窪用水」と同市久野の「坊所川の民間発電所跡」周辺の2カ所。発電能力を左右する平均流量は荻窪用水が1秒当たり0・6立方メートル、坊所川は0・05立方メートルだった。
荻窪用水については、100キロワット以上の発電で採算性を確保するために必要とされる0・1立方メートルの最低ラインをクリア。ただ、水利権者ら関係者が多数おり、合意形成が課題とされた。
一方、坊所川では利害関係者は少ないものの、流量不足などが懸念材料になった。
同協議会では引き続き詳細調査を実施、河川法など規制の調整や発電施設の建設費算出、採算性を分析した結果を来年3月までにまとめる。これを受けて、具体の事業化計画を策定する予定という。
このほか、協議会が1年前に設立した「ほうとくエネルギー」が来年1月下旬に市立小学校など3カ所の屋上を借りて太陽光発電事業をスタートさせるとの報告があった。
委員からは「避難所の非常用電源にもなるのだから、防災対策として夜間に電力を得られるように蓄電設備も導入すべき」「エネルギー問題に関心を持ってもらう教材としても活用したい」などの意見が出された。
2013/12/17
県議会12月定例会は16日、4常任委員会を続開した。産業経済委員会では、農業用水利施設を活用した小水力発電について、委員から費用対効果などに関する情報を農業関係者へ提供するよう求める声が上がった。農村環境課長は、本年度中に策定する県の基本構想に基づいて対応する考えを示した。