2014/02/07
農業用水路を活用した小水力発電の可能性を検討する上伊那地域農業生産基盤再生可能エネルギー活用研究会(会長・青木一男上伊那地方事務所長)の第4回会議が6日、伊那合同庁舎で開かれ、これまでの検討結果が報告された。上伊那地域4土地改良区の用水路における小水力発電導入の可能性を検討してきたが、伊那市の春富と美和(長谷)両土地改良区は立地、規模、費用対効果などの面から採算性があると判断。国県の補助金を活用する両土地改の発電施設建設計画が示された。
春富土地改は、1988年から小水力発電の検討が進められてきたが費用対効果から一度は導入を断念。しかし2012年からの電気の固定価格買取制度の施行で売電価格が上がり、売電で維持管理費の捻出が可能になったため、同研究会は採算性があると判断した。
設置場所は春富6号地区桜井分水工で、有効落差は21.9メートル。管路延長は40メートルで、最大可能出力は約190キロワットを見込む。発電期間は田畑を潤すかんがい期を想定する。発電所の建設は、県が2014~21年度にかけて県営かんがい排水事業として実施。老朽化した用水路約3キロ区間の更新とともに建設し、総事業費は約8億9000(発電分約3億4000)万円を見込む。
美和土地改は、用水路維持管理費の農家負担の軽減を目的に小水力発電を導入する。有効落差は10.2メートル、管路延長は70メートルで、最大可能出力は約12ワット。発電期間はかんがい期とする予定。事業主体は同土地改で、団体営地域用水環境整備事業を導入し、14~16年度にかけて整備する計画。総事業費は9500万円が見込まれる。
このほか駒ケ根市の上の井と小城川での導入も検討したが、いずれも新たに整備する管路延長が長く、最大使用水量も少ないなど課題がある。費用対効果の面からもメリットが少ないと判断され、駒ケ根、大田切の両土地改は現時点での導入を見送った。
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=30577
2014/02/07
東北電力は3日、福島市内で建設している小水力発電の飯野発電所(出力230キロワット)の運転開始時期を、当初予定の今月から6月に延期すると発表した。基礎を設置する岩盤が想定より固く、掘削工事に時間がかかったのが要因。
飯野発電所は、既存の蓬莱水力発電所(福島市)のダムから阿武隈川に流す水で発電する設備。ダムから放水した水を使用するタイプの発電所の建設は東北電として初めて。
2014/02/07
■県が小水力発電の事業者を募集
こんにちは、もんじゅ君です。今週は栃木県がとりくんでいる、小水力発電のお話をご紹介するよ。
栃木では今月の14日まで、「小水力発電をやりたい会社はいませんか?」と県が事業者を募集しているんだよ。こんなふうに、再生可能エネルギーを手がける会社を自治体が募る、ということ自体はめずらしいことではないのね。けれど栃木のやり方でおもしろいのは、くわしく県内のいろんな場所の地形や水量を調べて「ここなら小水力発電をやるのにぴったりですよ!」というポイントを公表していることなんだ。
■発電に向いた場所を公表
これは栃木県の「河川活用発電サポート事業」というプロジェクトなんだけれど、鹿沼市と日光市のあわせて九つの河川について、15カ所の適地を発表しているの。場所だけではなくて、そこで発電に使えそうな落差や水量はどれくらいか、じっさいに発電機を設置するのにいくらかかるか、年間でどれほどコストがかかって、どれくらい売電収入がありそうかなど、事業をはじめるのに必要なデータもいろいろと公表しているんだよ。
■ぴったりな場所を見つけるのが大事だから
自然エネルギーによる発電っていうのは、火力発電や原発とはちがって、燃料がいらないのがいちばんのメリットでしょ。だけどそのぶん「ぴったりな場所」でやることが重要なんだ。太陽光、風力、小水力など、どれにしても地形や気候の合った場所じゃないと、採算があうだけの発電量を確保できないケースがあるんだよ。
だから、再生可能エネルギーの発電所をつくるときには「場所選び」がとても大切なんだけれど、調べてみてから「だめだった」とわかることも考えられるし、調査にもノウハウや知見も必要だから、いきなり始めるのはちょっとむずかしい。
そこで栃木では、「県がかわりに下調べをしますよ」「いい場所を見つけましたから、あとは県内、国内のやりたい企業がぜひ手を挙げてくださいね」という方式をとっているんだね。
■お金は出さず、情報やサポートを提供する
これまでもほかに山梨や山口、岡山などで小水力発電のポテンシャルの高い場所を探して公表する、ということはおこなわれてきたんだけれども、栃木のとりくみはひと味ちがっていて、発電を始める会社が決まったあとも「河川を利用するための認可手続きや、地元の人たちとの話し合いについても県が手伝いますよ」「国や県に使えそうな融資制度や補助があれば教えてあげますよ」といっているんだ。
このプロジェクトでは、県は直接的にはお金を出さないけれど、かわりに事前の調査をし、必要な情報や手助けをしていくんだね。
■他の県にとってもヒントに
都会にくらべると、地方は自然がゆたかなぶん、再生可能エネルギーのポテンシャルが高い場所がたくさんあるんだ。けれど地方自治体の予算では、それほどたくさん自然エネルギー普及にお金を出せないという事情もあるし、県内の事業者だって中小企業が中心で、大企業にくらべればそんなに予算がない、ということも多いでしょ。
だから、この栃木の「適地の調査は県がします。情報も出します。やると決まったあともお手伝いしますよ」という方式で成功例がひとつでもふたつでも出れば、他の県にとってもきっとよい例になるんじゃないかな。そう思って興味ぶかくニュースを見ているよ。
2014/02/07
昨春から土地改良区の農業用水路を使った小水力発電を研究してきた「上伊那地域農業生産基盤再生可能エネルギー活用研究会」の最終会議が六日、伊那市の県伊那合同庁舎であり、伊那市内の二カ所で小水力発電を導入する方針が報告された。
研究会は県、地域内の市町村、土地改良区などで構成。駒ケ根市と伊那市の計四カ所の土地改良区を対象に、既存施設の視察や現場の流量観測をした。その結果、伊那市長谷の「上伊那美和」、同市富県の「伊那市春富」の両土地改良区で小水力発電を導入する方針が固まった。
上伊那美和は、土地改良区を事業主体とした通年発電。伊那市春富は、県営のかんがい排水事業の一環で、かんがい期に発電する。新年度の国などの補助を申請する。
残る二カ所は、発電用の管路が長くなるため維持費が多くかかることや、安定した流量を得られないといった理由から、導入は困難だと分かった。
研究会は、用水路補修を中心とした土地改良区の負担を、売電の収益で補う仕組みづくりを探る狙いで、研究を進めた。
(近藤隆尚)
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20140207/CK2014020702000020.html
2014/02/07
安倍川上流、関の沢川で、大正から昭和期にかけて活躍した水力発電所の復活を探る調査が静岡市葵区梅ケ島で始まる。同市のNPO法人アースライフネットワーク(県地球温暖化防止活動推進センター)が資源エネルギー庁の事業に応募し、約500万円の調査費が付いた。施設跡の再興には課題も多いが、住民代表の鈴木英次さん(75)は「夢への第一歩を大切にしたい」と期待する。
梅ケ島には電力の地産地消の歴史がある。鈴木さんの叔父で旧梅ケ島村長秋山義則さんが1924年、私財をなげうって関の沢川に発電所を建設した。地域に光をともした施設だったが戦後、役目を終えた。
周辺には、当時の取水口や水路が状態良く残る。発電施設は原形をとどめないが、送水管や発電機の残存物は発電の歴史を物語る地域遺産でもある。NPO法人は今年3月まで川の流量や発電の可能性を調べる。調査結果を踏まえ、資金調達や事業主体を含めた本格的な検討に着手する。
梅ケ島地区はピーク時、約1500人の住民がいた。現在は約480人ほど。鈴木さんは、地域住民に水力発電復活の第一歩を踏み出した情報を「夢舞台プロジェクト」と説明。夢実現への道のりは平たんではないが「少しでも地域活性化の端緒にならないか、調査の推移を見守りたい」と話し、先人が残した遺産の生かし方を模索している。