過去に投稿された記事の一覧です。

2014/05/02

大都市の水道を利用した小水力発電、さいたま市が5カ所で導入【スマートジャパン】

120万人の人口を抱えるさいたま市の水道局が小水力発電に積極的に取り組んでいる。浄水場から送られてくる水を分配するための配水場の中に水車を設置して、100kW以下の発電設備を市内の各地域に展開中だ。すでに稼働している5カ所を合わせると700世帯分の電力を供給する能力がある。
[石田雅也,スマートジャパン]

さいたま市には水道設備として浄水場と配水場が20カ所にある。浄水場から配水場へ送られる水は、いったん配水池に貯めてからポンプで送り出す仕組みになっている。この間の水の流れを利用して発電することができる。さいたま市の水道局は2014年3月と4月に連続して2カ所の配水場で小水力発電を開始した。

 1カ所目は市内南部の「尾間木(おまぎ)配水場」で稼働した「尾間木発電所」である。水力発電では最もポピュラーな横軸フランシス水車を使った発電設備だ(図1)。発電能力は64kWで、年間の発電量は47万kWhを見込んでいる。

図1 「尾間木発電所」(左)と「深作発電所」(右)に設置した水車発電機。出典:さいたま市水道局

 2カ所目は北部にある「深作(ふかさく)配水場」に設置した「深作発電所」で、同様に横軸フランシス水車を使って63kWの電力を供給することができる。年間の発電量は43kWhを想定している。尾間木発電所と合わせて一般家庭で260世帯分の電力に相当する。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を電力会社に売電している。発電能力が200kW未満の小水力発電の買取価格は1kWhあたり34円(税抜き)に設定されているため、年間の売電収入は約3000万円になる。さいたま市は発電事業者の東京発電と共同事業で運営している。東京発電が設備の建設・運転・保守を担当して、さいたま市は水力エネルギーを提供する。

 さいたま市の水道局は固定価格買取制度が始まる以前にも、3カ所の配水場に小水力発電設備を導入済みだ。いずれも配水場の施設内で電力を消費している。3カ所を合計すると年間の発電量は157万kWhになり、440世帯分の電力使用量に相当する。新たに発電を開始した2カ所を加えれば700世帯分になる。

 さいたま市は2020年度に向けた「水道事業長期構想」の中で、配水場の水圧を利用した小水力発電を施策の1つに掲げている。まだ小水力発電を実施していない配水場が4カ所あり、今後も導入計画を推進して発電量を増やしていく。

図2 さいたま市の水道施設。出典:さいたま市水道局

2014/05/02

宇奈月谷小水力発電所が完成【KNB NEWS】

 黒部市の宇奈月温泉で開発が進められてきた宇奈月谷小水力発電所が完成し、2日起動式が行われました。
 電源開発の街、宇奈月温泉が進める環境にやさしい観光地の姿とは?
 お伝えします。
 「ここが今日から動き出した宇奈月谷小水力発電所です。この坂を流れ落ちる水がこちらの装置に流れ込み、水車を回して発電します」
 宇奈月谷小水力発電所は、宇奈月谷用水を水源に、高低差およそ10メートルの坂を流れ落ちる水流で発電します。
 総工費およそ800万円、流れ込む水は1秒間におよそ40リットルで、年間およそ1万5千キロワットの発電が可能です。
 これは一般家庭およそ4軒分の1年間の電力に相当します。
 発電した電力は、宇奈月の街中を周遊する電気バス「エミュー」の動力などに使います。
 愛称は「でんきウォー太郎1号」ゆるキャラフェス黒部のご当地キャラクター・ウォー太郎から命名しました。
 宇奈月温泉が電気で町おこしを始めておよそ5年。
 小水力発電などに取り組む一方で、街中に電動バスを周遊させ、電気自動車や電動自転車のレンタルも始めています。
 町の電力は町でまかなう、いわば電力の地産地消に取り組もうとしています。
 でんき宇奈月プロジェクト、大橋聡司代表理事「宇奈月温泉は電源開発で発展してきた歴史を持った電気の町、また大自然の恵み、小水力で得られた電気で電気自動車バスが宇奈月の町を走ることは、宇奈月温泉のエコ・温泉リゾートとして魅力を高めると期待している」
 平成24年の宇奈月への入り込み客はおよそ32万人。
 宇奈月温泉では新幹線開業の来年までに年間35万人の集客を目指しています。
 この取り組みを始めてから、年間300人から400人が宇奈月を視察に訪れていると大橋代表はいいます。
 でんき宇奈月プロジェクト大橋聡司代表理事「成果として誰の目から見てもわかる、地域の人がこの取り組みで豊かになることは、これから歩みを進めて行く部分」「可能性は充分ある、手ごたえを感じている」
 電力の地産地消を売りに、変わろうとする町。
 プロジェクトでは、でんきウォー太郎2号、3号と小水力発電の設置を進めたい考えです。

http://www2.knb.ne.jp/news/20140502_40338.htm

2014/05/01

土湯温泉に水力発電所が起工【朝日新聞】

●自然エネ事業、地熱は8月着工

 福島市の土湯温泉で、原発事故後の苦境を乗り越えようと計画した二つの自然エネルギー事業のうち、小型水力発電所の起工式が30日にあった。源泉の熱を利用する地熱発電も8月に着工するという。温泉の特徴を生かした新事業には、客足回復への起爆剤としての期待もかかる。

 「全国に先駆けた温泉ならではの取り組み。他の温泉も勇気づけられるのでは」。土湯温泉の復興を目指して2012年に設立された「元気アップつちゆ」の加藤勝一社長(65)は、根本匠復興相も出席した起工式の後、そう語った。東日本大震災後の11年10月から知恵を練ってきた自然エネルギーによる発電計画が、実現に大きく近付いた実感が言葉ににじむ。

 ●客足回復の起爆剤に

 土湯温泉では大震災と原発事故の影響で、16軒のうち4軒の旅館が廃業。10年度は約25万人が訪れた客数は11年度に約6万人まで減り、3年経った今も震災前の半数ほどに留まっている。

 温泉ならではの資源を活用し、新たな観光資源を作れないか。そんな発想で、設置を目指してきたのが二つの発電所。今回着工される「東鴉川(ひがしからすがわ)小水力発電所」は、土湯温泉を流れる源泉の約45メートルの落差を利用し、毎秒0.45トンの水で水車を回す仕組み。一般家庭約100世帯分の電力をまかなえる。発電した電気は当面は全て売却するが、将来的には地熱発電とともに、温泉街内での電力の自給自足にあてることも視野に入れている。

 12年に事業計画が知られるようになってから、再生可能エネルギーに取り組む多くの企業やNPOの関係者が、視察も兼ねて温泉を訪れるようになったという。加藤社長は「景観と伝統がそろった温泉街に、新たな観光資源ができる。全国のお客さんにぜひ来て欲しい」と話した。(佐藤啓介)

http://www.asahi.com/articles/CMTW1404300700004.html

2014/05/01

小水力発電施設が着工 福島・土湯で祈願祭【福島民友】

 再生可能エネルギーを通して福島市土湯温泉町の復興を目指す「つちゆ清流エナジー」(加藤勝一社長)は30日、同市で「東鴉川(ひがしからすがわ)小水力発電事業」の安全祈願祭、起工式を行った。来年2月に完成、同3月に売電開始予定。
 同事業は、土湯温泉を流れる東鴉川の砂防堰堤(えんてい)の水流落差を利用し、発電する。工事区間は320メートルで、発電設備や取水口、水圧管路などを設ける。
 発電所は、環境に配慮した半地下式で建設する。事業費は3億1900万円。発電出力は140キロワット。固定価格買い取り制度を活用、東北電力に売電する。年間売電価格は3千万円を見込んでいる。
 安全祈願祭では関係者が玉串をささげ、工事の安全を祈った。続く起工式で加藤社長は「事業は土湯を復興させる重要な手段。結果を残し、愛する古里の再生に努めたい」と式辞。根本匠復興相が祝辞を述べた。
(2014年5月1日 福島民友トピックス)

http://www.minyu-net.com/news/topic/140501/topic5.html

2014/04/30

福島の温泉地が小水力発電事業へ【NHK】

震災と原発事故のあと落ち込んでいる観光の復活を目指して、福島市の温泉地が、近くを流れる川を利用して再生可能エネルギーの1つ、小水力発電の事業に取り組むことになり、30日、起工式が行われました。

福島市西部にある「土湯温泉」は、3年前の震災と原発事故のあと、風評被害などで観光客が大幅に落ち込み、現在も震災前の半分程度までしか回復していません。
このため、観光の復活を目指して地元の温泉事業協同組合などが再生可能エネルギーとして注目される小水力発電の事業に乗り出すことになり、30日、根本復興大臣も出席して起工式が行われました。
神事のあと、根本大臣は「皆さんの情熱的な取り組みで地域に付加価値を生み出す先駆けとなるよう、頑張ってください」と激励しました。
小水力発電の事業は、温泉の組合などが中心となって会社を立ち上げ、温泉地の近くを流れる川を利用して行います。
総事業費は3億2000万円で、国の補助金なども活用し、来年3月の稼働を目指して発電設備を建設します。
事業会社によりますと、発電量は年間最大80万キロワットアワーで、温泉街の電力の1割程度に当たり、当面は電力会社に売電する予定だということです。
土湯温泉では、地熱発電にも力を入れていて、事業会社の加藤勝一社長は、「再生可能エネルギーによって一歩先を行く取り組みを行い、土湯温泉に新たな魅力を生み出したい」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140430/k10014136131000.html

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