2014/10/24
奈良県は、平成25年度より農村資源エネルギー支援事業にて支援してきた上津ダム小水力発電施設(山辺郡山添村)が完成し、21日より発電を開始したと発表した。農業用施設を活用した小水力発電施設としては県内初となる。
また、再生可能エネルギーの普及啓発を図るため、本水力発電施設の完成見学会を10月29日に開催する。
2014/10/24
鳥取県が江府町の日野川水系で建設中の下蚊屋(さがりかや)小水力発電所(最大出力197キロワット)を活用し、自治体では全国初となる「災害時無停電システム」の構築を計画している。自然災害などで大規模停電し、孤立しても復旧までの間、独自の電力網を使って特定の地域に電気を流す仕組み。県は中山間地の集落維持サービスと位置付け、2016年度の運用を目指している。
このシステムは災害時マイクログリッドと呼ばれ、停電している間は小水力発電施設からの電力に頼り、完全復旧までの間をしのぐ。
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=548777005
2014/10/22
九州電力は21日、再生可能エネルギーの買い取り手続きを中断している問題で、出力が50キロワット未満の低圧に関して買い取り手続きを再開すると発表した。対象は9月24日までに送電網への接続申し込みがあった約32万キロワット分で、大半は小規模な太陽光発電とみられる。政府も九電など電力5社に、再生エネの買い取り量を増やすよう求めており、電力各社は送電線への負担が小さい再生エネの受け入れを検討する。
九電は25日から買い取り手続きを再開する。9月24日までに申し込みのあった1185万6000キロワット分のうち、同一敷地内の高圧を細かく分けた「低圧敷地分割」を除く低圧32万1000キロワット分が対象となる。申込件数では6万6688件のうち、1万1129件分となる。
天候による発電量の急な増減を吸収できず、電力の安定供給に影響を及ぼす恐れがあるとして、九電は9月25日から送電網への接続申し込みの回答を保留している。ただ、太陽光発電の事業者からの反発は強く、九電が開いた説明会でも批判が出ていた。「国からも安定供給に支障のない範囲で対応するように要請を受けた」(九電)ことから、手続き再開を決めた。
経済産業省は10日、電力5社による再生エネの買い取り手続き中断に対し、各社に送電網の空き容量の調査を要請した。各社が太陽光から地熱・水力まで一律に受け入れを止めたのには「乱暴だ」との声が上がったためだ。
特に家庭や小規模事業者が設置するような50キロワット未満の小口太陽光は、九電管内だけでも申し込みが1万件超にのぼり、利害関係者が多い。一方、天候により発電量が変わることで送電網にかける負担は、大規模な太陽光に比べて小さい。
このため、経産省も小口太陽光の買い取り手続き再開を九電に水面下で求めていた。経産省や電力各社は、地熱や水力など送電網への負担が小さいほかの再生エネの買い取り手続きも再開できないか検討する。
一部の再生エネの買い取り手続きを再開しても、容量が足りない状況は変わらない。このため、経産省は年内に受け入れの拡大策を固める。具体的には、電力会社が既存の発電事業者からの買い取りを制限できる余地を増やし、新たな事業者の受け入れ枠を確保する案を検討している。
2014/10/22
茅野市は21日から、市の上水道施設を利用した小水力発電事業の実証実験を始める。八ケ岳山麓にある美濃戸水源と上原山配水池の標高差(40~45メートル)から生じる水圧で発電機を回し、電気を取り出す新たな試み。21日には柳平千代一市長が同市玉川の現地を視察し、「茅野モデル」としての実用化と全国的な普及に意欲を示した。
同事業は、産学官連携で自然エネルギーの利用を推進する「茅野市環境未来都市研究会」の取り組みの一つ。発電装置は、動力ポンプ製造メーカーの小松製作所(諏訪市)が国の補助金を活用し、2年掛かりで開発した。
具体的には、配水池の減圧弁をう回する管路を設けて発電機を接続し、減圧弁で捨てていた未利用エネルギーを電気に変換する。市は、発電機を収納する仮設建屋の建設工事を7月下旬から進めていた。
市によると、理論上の発電出力は12.75キロワット。一般的な小水力発電の発電効率(30~60%)で換算した場合、一般家庭7~14世帯分を賄う電力量を確保でき、売電すれば年127~254万円の収入になる。小水力発電には、昼夜を問わず安定的に発電できる優位性があるという。
実証実験は11月5日までに計5日間行い、流量を調整して発電量の変化を調べたり、発電機の性能を検証する。市は、より効率的な発電ができる市内の上水道施設を選定し、早ければ来年度の実用化を目指す方針。実験費用は建屋建設費を含めて約950万円(発電機導入費除く)で、小松製作所が請け負った。
柳平市長は「自然エネルギーの地産地消を諏訪圏域の企業と取り組むことに大きな意味がある。いい形で汎用性を持たせて『茅野モデル』として全国展開できれば」と話した。
研究会は、一帯を自然エネルギー関連施設の集積地にする構想で、民間企業によるメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設も進んでいる。
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=32587
2014/10/22
【2014年10月22日(水)夕刊】
西胆振の企業、室工大で構成する産学交流プラザ創造(会長・北山茂一アール・アンド・イー社長)は21日夜、同大の活動拠点・テクノアゴラ(室蘭市輪西町)でシーズ発表会を開いた。小水力発電に着目し、新たな開発テーマを求めて見識を深めた。
創造はこれまでNHK室蘭放送局前のオブジェ・FURAIの再生事業や、函館野外塾の水舞台設計など、大学と企業間の連携でプロジェクトに取り組んでいる。今回は小水力発電を研究する同大くらし環境系領域社会基盤ユニットの中津川誠教授を講師に招いた。
小水力は出力1万キロワット以下の発電を指す。中津川教授は、山梨県都留市の小水力市民発電所の試みを紹介。「上掛け、下掛け、らせんの3種類の水車を市街地の水路に導入した。売電だけでなく一部電力はエコハウスの暖房、植物工場に利用し付加価値をつけている」と指摘した。
太陽光や風力と比べ、水力は設備が60年と長持ちする点から「発電コストが低く設備稼働率が高い。水さえ確保できれば人為的にコントロールした発電ができる」と強調。同大が研究した空知川の金山ダムの事例では、洪水に備えて水が貯められる容量分を小水力に活用する手法も伝えた。
法規制などの課題はあるものの「普通河川であれば室蘭市内にも存在し、小水力発電ができる可能性がある」とした。メンバーからは「創造として何かできないか」との声が挙がり、さらに検討を深める方針だ。
創造は35社の企業と室工大でつくり、情報交換や企業見学会などを通して連携を深め、一致協力して研究開発に取り組む。事務局は室蘭テクノセンターが担っている。
(粟島暁浩)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2014/10/22/20141022e_01.html