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2014/11/05

日光市と今市工高が連携協定 再生可能エネルギー活用目指す【下野新聞】

【日光】再生可能エネルギーの普及や促進を目的に市と今市工業高(渡辺勉校長)は4日、同校で官学連携協定を締結した。エネルギー環境教育に重点を 置く同校の技術力などを活用し、小代地区の国内希少野生動植物種の水草「シモツケコウホネ」の保全対策で使用する取水ポンプ用小水力発電機の開発と実用化 を来年度にも目指す。県教委学校教育課によると、県内の自治体と公立高校が正式に連携協定を結ぶのは珍しいという。

 市はことし4月、バイオマス発電や太陽光発電、温泉熱利用の普及などに積極的に取り組むため環境課に環境政策室を新設。環境問題への意識が高く、 「ソーラーLED(発光ダイオード)街路灯」を製作し市内に2カ所設置するなど地域貢献も進める同校の技術力や知的財産を施策に反映させることにした。

http://mainichi.jp/edu/news/m20141105ddlk09010282000c.html

2014/11/04

相次ぐ太陽光発電の買い取り拒否 関西電力があの黒部に小水力発電所を建設したワケ

2014年11月04日(火) 町田徹

 黒部ダムは、毎年100万人の観光客が訪れる観光名所だ。「立山黒部アルペンルート」の出発点として幅広く知られ、筆者が取材した先月(10月)19日も多くの人が内外から訪れていた。

 電源とみた場合、北アルプスに源流をもつ黒部川水系は、国内有数の“水力発電所銀座”だ。人を寄せ付けない急峻な地形にもかかわらず、この水系は大 正時代末期から開発が繰り返されてきた。51年前の完成当時、黒部川第四発電所(クロヨン)は国内最大の水力発電所だった。難航を極めた建設工事を描いた 石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」を観た読者も多いだろう。近畿の電力危機を解消しただけでなく、経済成長を長年支えてきた発電所である。

 その黒部川水系で今、ひと味違った発電所の建設が進んでいる。計画段階より増強してもクロヨンの620分の1にあたる540kWしか出力のない小水 力発電所の「出し平発電所」だ。背景には、再生可能エネルギーとして「小水力発電」が脚光を浴びていることがある。あえて黒部の地を選んだ裏には、乱立に よって各地で買い取り拒否騒ぎが起きている太陽光発電の轍を踏むまいという電力会社ならではの配慮もあるという。そんな黒部の最新事情をレポートしよう。

513億円を投じて建設

黒部川水系の水力発電所第1号は柳河原発電所だ。柳河原発電所は、関西電力の前身の一つである日本電力が大正13(1924)年に着工し、昭和 2(1927)年に稼働した。以来、黒部川水系では急峻な渓谷を上流に遡る形でダムと水力発電所が次々と建設されてきた。現在は5つのダムと11の発電所 があり、発電出力が合計で約90万kWに達している。これは大型原子力発電所(100万kW前後)に迫る能力である。

工事が最も過酷だったのは、昭和15年(1940年)の完成まで約4年の歳月を要した仙人谷ダムと黒部川第三発電所の建設だ。吉村昭の記録小説『高 熱隧道』(=こうねつずいどう)によると、日中戦争が本格化する中で突貫工事が行われた。雪崩被害が多かったうえ、岩盤の温度が最高165度に達し、ダイ ナマイトが自然発火する過酷な環境で資材運搬トンネルを掘る必要に迫られ、300人を超す犠牲者が出た。

資材運搬用のトンネル工事が困難を極めたのは、黒部ダムとクロヨン発電所も同じだ。長野県大町市から北アルプスの赤沢岳を抜けるトンネルの工事で は、地盤が脆く大量の地下水が噴出する破砕帯を掘り進んだことから、全体の犠牲者が171人に膨らんだ。彼らの名前は、ダム脇の慰霊碑に刻まれている。

当時の貨幣価値で513億円という巨費を投じたクロヨンは、完成当時、日本最大の発電能力を誇り、滋賀、奈良両県全域を賄うのに必要な電力を供給した。その後の増強もあって、クロヨンは現在、33万5000kWの発電力を持つ。

水力発電のタービンはクリーンそのもの

夜間の余剰電力を使って下部のダムから上部のダムへ水を汲み上げて日中の発電に備える揚水発電が主流になった今日では、水力でも奥多々良木発電所 (関西電力、出力193万2000kW)、奥清津発電所(電源開発、第一、第二の合計で160万kW)といった巨大発電所が珍しくない。

クロヨンはこうした揚水式発電所に最大出力でかなわない。が、その半面で、揚水式発電所は半日程度しかフル稼働できない。これに対して、巨大ダムに 大量の水を貯めておき、長い水路を使って落差を得る仕組み(ダム水路式発電)のクロヨンは、大規模な発電を長時間継続できる強みがある。

水力発電は再生可能エネルギーのひとつだ。初期投資が膨大になりがちだという大きな弱点がある一方で、化石燃料の輸入代金が嵩むうえ温暖化ガスの排出も多い火力発電や、使用済み核燃料の処分という重い十字架を背負っている原子力発電と比べて、メリットは多い。

筆者はかねて、水力発電のポテンシャルを検証してみたいと考えていた。そこで敢行したのが、今回のクロヨン取材だ。

前夜から長野県大町市入りして、19日朝、一般の観光客と一緒に、扇沢駅から排気ガスを出さないトロリーバス(電動)に乗って、黒部ダムに辿り着い た。観光客が想定より多かったのだろう。8時半発のバスは5台から6台に増便になったものの、ラッシュアワーの通勤電車のように込み合っていた。車内は、 中国語、韓国語、タガログ語、タイ語、英語などが飛び交い、賑やかだった。

筆者は、黒部ダムで220段の階段を上り慰霊碑や渓谷の紅葉をみた後、観光客と別れてチャーターバスに乗り、黒部川に沿って進むトンネルを経由し て、地下発電所のクロヨンに辿り着いた。原発のような防護服をつけずにすぐそばまで近づくことができ、火力のような騒音や熱のない水力発電のタービンはク リーンそのものだ。いかにも再生可能エネルギーという印象だ。

小水力発電の「出し平発電所」

クロヨンの取材を終えて乗り込んだのは、『高熱隧道』の舞台になった軌道トンネルを走る軌道列車だ。軌道列車が深い渓谷にかかった鉄橋を渡るため地 上に出ると、左手に紅葉に包まれた仙人谷ダムが見える。このダムを過ぎて再びトンネルに入った辺りからが高熱隧道の中心で、車内はうだるような熱気と強い 硫黄臭に包まれた。

軌道列車の終点の欅平(=けやきだいら)に到着すると、エレベーターに乗り換えて一気に200mを下り、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に乗り込んだ。 すでに陽は傾きかけていたが、駅ごとにすれ違う登り列車はいずれも家族連れやアベックで満員だった。そして、16時頃、黒部峡谷の富山側からの入り口にあ たる宇奈月に辿り着いたのだった。

宇奈月の5駅手前の出平駅の脇にある出し平ダムで、ライ年中の営業運転開始を目指して建設が進んでいるのが、冒頭で紹介した「出し平発電所」だ。出 し平ダムは、下流の景観や環境を維持するために常に一定の水の放流を義務付けられている。その水の流れを発電に活用しようという発電所だ。

水量が限られているので、最大出力はわずか540kWに過ぎないが、それでも「CO2削減やエネルギーセキュリティの観点から、再生可能エネルギー の普及促進について、積極的に取り組んでいる」(関西電力)という。一般的な火力発電所の二酸化炭素(CO2)の排出量に換算して年間に約110トンを削 減できるそうだ。

もうひとつ見逃せないのは、発電した電力を消費地である都会に運ぶためには、送電線網が不可欠なことだ。出し平発電所の場合は、主に消費地である京 阪神地区向けの送電線網が必要になるが、黒部川水系は水力発電所銀座のため、この地域で発電した電気を運ぶためのネットワークがすでに整備されており、出 し平に水力発電所を作っても、追加のコストがほとんどかからない利点があるという。

経済官僚の見識のなさ

ここで気掛かりなのが、九州電力、北海道電力など電力5社が太陽光で発電した電気の買い取りを各地で拒否する姿勢を打ち出したことに対して、新聞・ テレビを中心に電力会社を悪者と言わんばかりの報道がこのところ目立っていることだ。ざっくり言うと、太陽光発電という善いことに参入しようとしている人 たちを、電力会社がいじめているといわんばかりの報道である。

経済産業省・エネルギー庁は「実態を調査する」などとコメントしているが、本当に責められるべきは、2年前、こうした消費地への電気の輸送手段の問 題をまったく視野に入れず、太陽光で発電した電気を相場の2倍前後で買うという「固定価格買取制度」(FIT)を導入して発電能力の強化だけを目指した経 済産業省・資源エネルギー庁の経済官僚にあるまじき見識の無さのはずである。

東京電力の福島第一原発事故によって我々の間に定着してしまった感のある“電力会社性悪説”に、いつまでもとらわれていては、エネルギー政策を見誤ることになりかねない。

再生可能エネルギーの普及で必要だったのは、電力会社による高値買い取りを前提にした発電所の乱立支援策ではない。新たな送電網の巨大投資を必要としない、地域のニーズに応じた地産地消型の発電と配電のシステムの立ち上げ支援だったはずである。

そうしたことは再生可能エネルギーで試行錯誤を繰り返してきたドイツなどの軌道修正の実績をみれば、明らかだったのだ。問題は、なんでもかんでも電 力会社に強制的に購入させて、我々が支払う電気料金に上乗せさせてきた経済産業省・資源エネルギー庁の短慮にあり、当時担当した行政官こそ、その責めを負 うべきである。

とはいえ、電力各社の「過去20年にわたって水力発電の占める比率が延びていないのはポテンシャルが低い証拠だ」という主張が、専門家から「電力各 社は水力発電の可能性を過小評価しがちだ。あれでは原発再稼働を有利にしようとしていると誤解されかねない」と批判されているのも事実だ.

再生可能エネルギー導入ポテンシャル

 そうした批判派の根拠のひとつが、FITの導入を経済産業省に迫っていた環境省が2009年にまとめた「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」 (中小水力発電所については最大出力3万kW以下のものを対象に試算)だ。それによると、全国の2万0848地点で水力発電所の建設が可能で、その出力は 最大で1500万kW。大型の原発15基分に匹敵するという。

 ただ、この調査は、既存の水力発電所の存在を無視した試算であるうえ、1kWの電源開発に260万円以上のコストをかけられることも前提だ。実現に は40兆円近い資金が必要になるので現実的でないと示唆し、太陽光と風力のFIT導入要求を強める根拠として、環境省が活用してきた経緯がある。

 しかし、水力発電所建設のためだけにダムを作るのではなくて、治水や飲料水の確保のための事業を絡めて多目的なダムを整備するなどの工夫によって、コスト負担はある程度分散できるはずである。事業化できるものも出てくる可能性は十分にある。

 政府が来年4月の統一地方選挙の後にまとめる予定のエネルギーミックスの試算では、将来へ向けて長期の時間軸をきちんと考慮し、大胆な節電を織り込 んだうえで、火力(天然ガス、石炭、石油)、水力、地熱、風力、太陽光などのポテンシャルを算出することが不可欠だ。そして、原発の利用をそれらの実現ま での間の不足分に限定して、時間はかかっても原発依存度を着実に下げていくエネルギー戦略が求められている。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40980

2014/11/04

農山漁村再生エネ法施行/地域活性化へ活用模索/東北再生 あすへの針路【河北新報】


林業振興の一環として地元の森林組合が積極関与する「グリーン発電会津」の発電所=会津若松市

農林水産省の主導でことし5月、「農山漁村再生可能エネルギー法」が施行された。過熱する再生エネ市場を横目に法理念は、 再生エネ施設の野放図な整備に 警鐘を鳴らし、地域社会との調和を訴える。理念に共鳴する全国の農山漁村では、再生エネを「目的」ではなく「手段」にした地域再生の取り組みが始まってい る。

<仕分けに載る>
政府の行政刷新会議は2012年11月、農水省の「農山漁村活性化再生エネモデル事業」(17億円)を事業仕分けの俎上(そじょう)に載せた。事業は「経済産業省による再生エネ発電の固定価格買い取り制度との二重支援だ」と指摘された。
それから2年がたち、状況は一変した。
再生エネ施設は太陽光を中心に急増。対応限界を超えた東北電力など電力5社は再生エネ事業者からの契約受け入れ中断を表明。経産省は制度の抜本見直しに着手せざるを得なくなった。買い取り制度を商機と捉えていた事業者に動揺が広がっている。

<合意形成 重視>
一方、農水省幹部は「当時の政策は間違っていなかった」と述懐する。こうした思いを反映して農山漁村再生エネ法は、あえて条文に「基本理念」を挿入。政府提出の法律としては極めて珍しい構成になった。
農山漁村再生エネ法の骨格を成すのは、地域の課題解決を地元住民に委ね、そのためにエネルギーや資金が必要なら再生エネという手段がある、と提示している点だ。
再生エネ施設整備を優先した乱開発にくぎを刺し、地域住民の合意形成に重きを置く。事業者には、売電収入のほか運転維持費などの支出面でも可能な限り地域へ利益を還元するよう求めている。

<働き掛け強化>
さらに、これらを実現する仕組みとして市町村、事業者、農林漁業者、住民らで構成する協議会の設置を奨励した。
制度の見直し議論では、買い取り価格を引き下げるため、入札制など競争原理の導入が取り沙汰されている。これでは農山漁村での小規模再生エネ事業は淘汰(とうた)されかねない。
危機感を募らせる農水省再生エネグループは「地域活性化という再生エネ普及の本来の目的を忘れないでほしい」と訴える。農山漁村でも事業の継続が担保されるよう関係機関への働き掛けを強める考えだ。

◎各地の事例

投機的ブームとは一線を画し、地域の課題解決や資源発掘に取り組む過程で再生エネルギー活用にたどり着いた事例を紹介する。

<グリーン発電会津(会津若松市)>
地元の森林組合と木質バイオマス発電の燃料供給体制を組む。山林を管理しながら間伐材を提供する組合に売電益を還元する。

<那須野ケ原土地改良区連合(栃木県那須塩原市)>
小水力発電で電気を土地改良施設へ供給。余剰分を売電し、利益を農業用水路などの維持管理費に充当する。

<石徹白(いとしろ)地区地域づくり協議会(岐阜県郡上市)>
過疎集落の住民がNPOを設立して小水力発電を導入。休眠していた農産物加工施設に電気を供給し、規格外の高糖度トウモロコシでケーキなどを作って6次産業化を実現した。

<高知県梼原(ゆすはら)町>
風力発電の収入を町の環境基金に積み立て。基金から森林所有者に間伐交付金を補助し、里山を保守する。

<テイクエナジーコーポレーション(熊本県菊陽町)>
休眠地を有する集落が、応募の中から地域振興の提案に優れた太陽光発電事業者をパートナーに選定。事業者は借地料のほか農産物のブランド化や加工品開発に協力し、売電収入の一部を集落に還元する。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201411/20141104_62014.html

2014/11/01

小水力発電:農業用水で 売電収入、環境保全も 上津ダムに大和高原北部土地改良区が設置--山添 /奈良【毎日新聞】

 農業用水を利用した「上津(かみつ)ダム小水力発電施設」(山添村西波多)が完成し、10月から運転を始めた。同村や奈良市などの農家らでつくる「大和高原北部土地改良区」(理事長、窪田政倫・山添村長)が設置し、農業用水施設による小水力発電は県内初。【宮本翔平】

 小水力発電は、河川や水路の流れを利用して水車を回す小規模発電(国内では一般に出力1000キロワット未満)…


http://mainichi.jp/area/nara/news/m20141101ddlk29040525000c.html

2014/10/31

東吉野に水力発電を – 有志が株式会社設立【奈良新聞】


設立総会であいさつする森田社長=29日、東吉野村役場

東吉野村で大正から昭和にかけて行われていた水力発電事業「つくばね発電所」の復活に向けて、村内外の有志が「東吉野水力発電株式会社」を設立した。平成28年2月の発電開始を目指す。
同村小の高見川支流・日裏川を利用した水力発電。標高約400メートルの山中に、旧取水口や旧導水路(約1・4キロ)が残る。昨年11月に東吉野村小水力利用推進協議会の有志が倒木処理などを行い、調査した。

http://www.nara-np.co.jp/20141031102939.html

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