大野市の奥越明成高校機械科の三年生六人が小水力発電装置を手作りした。市内の山の水で水車を回して発電し、外灯などに電気を供給に挑戦している。“卒業作品”的な位置付けだが、小水力発電の可能性や課題も実感できている。
装置は横六十センチ、奥行き四十センチ、高さ百センチ。三百五十ワットの発電機四基を搭載している。今月十日、大野市花房の林道脇の小川に持ち込み、高 低差二十メートルの上流から長さ約百メートルのパイプで水を水車に供給したところ、白熱電球一個と発光ダイオード(LED)外灯一基が見事点灯した。
課題研究の一環として十月から製作してきた。水車は特注したが、水車で生み出した回転数を増幅させるベルト伝動の装置などは生徒たちが手作り。現地測量や小川の流量調査も実施してきた。太陽光発電などを手掛けるSP電機(中挾一丁目)の協力を得た。
ただ、十二日に発電装置の確認に行ったところ、パイプの取水口が落ち葉や枯れ木などでふさがれ、発電は停止していた。現在は学校に発電装置を持ち帰り、年内の再運転に向けて機械を調整する。
橋本優也君(18)は「給水パイプの角度調整など、現地での作業が大変だったけれど、発電できたときには感激した」と語り、班長の片倉優介君(18) は、「小水力発電は設置後の(ごみ除去などの)メンテナンスが必要だと分かった。仲間と難しい課題に向き合えたことが良かった」と話していた。
(尾嶋隆宏)
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