2015/01/05
長野県企業局は小規模町村の水道事業や土地改良区が管理する農業用水路での小水力発電について、設備更新や整備を一括して請け負う構想を進めている。電気・水道事業を経営する県企業局の人材やノウハウを、水道の設備更新に悩む小規模町村の支援や小水力発電普及に役立てる。4月から新たに作り始める企業局の経営戦略に盛り込み、来年度以降の実施を想定。資金調達も代行するため、自治体向けの借金「公営企業債」を使えるよう国に働き掛けている。
構想は、公共施設の設計や建設、維持管理、運営などをノウハウのある民間に一括して委ねる「PFI」と呼ばれる手法にちなみ、「企業局版PFI」と銘打って検討。水道事業の専任職員確保が難しく設備更新に二の足を踏む小規模町村や、農家の高齢化が進む土地改良区から県企業局が事業を受託、代行する。
人材難に悩む小規模町村の水道事業は、設備の更新計画立案、資金調達、工事まで一括して県企業局が担う。経費は企業局がいったん立て替え、その後に人件費分も含めて町村側が分割で企業局側に返済する。
小水力発電は、企業局が土地改良区から設備の設計や施工を受託し、初期投資も立て替えて整備。改良区は、国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を活用して得た売電収入により、分割で企業局側に返す。
総務省は昨年8月、全国の地方公営企業に対し、安定的な経営の確立を念頭に将来の事業方針を定める経営戦略を作るよう通知。県企業局は、水道、発電事業の経営基盤を固めつつ、人口減が進む地域への貢献を事業の柱とする方針を決めた。
http://www.shinmai.co.jp/news/20150105/KT141228ATI090002000.php
2015/01/02
◆<再生可能エネルギー> 長野県 上田市
小水力発電機の設置場所
【発電施設の設置場所】
上田市は染屋浄水場(同市古里)の水道水用の導水管を有効利用した小水力発電(出力51kw)の取り組みを進めており、3月末までに施設整備を完成させ、4月から発電、売電を開始する予定だ。
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東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故以来、新エネルギー「再生可能エネルギー」への転換が求められているが、国によると国内の総発電量に占める割合は大規模水力発電を除くとまだ2・2%にとどまっているという。
上田地域は豊かな自然環境を生かした太陽光発電、小水力発電、バイオマスなどによる「エネルギーの地産地消」の取り組みに優位性があるとみられ、他の地域に先駆けて普及を加速させることが地域を元気にすることにもつながるため、注目される。
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この計画は神川の新屋取水口から染谷浄水場までの全長3・8㎞、落差70mという水力による発電。小水力発電にも国の固定価格買取制度があり、現在は1kw当たり34円で20年間。
発電した電力は全量売電する。市の試算では年間発電量は43万4000kwh、売電収入は1590万円。総事業費は1億4500万円のため、10年目からこの投資額が返済され、大きな収入源になるとみられる。
この水道の導水管を利用した小水力発電は安定した水力が24時間利用可能のため、太陽光発電と比較して格段に稼働率が高く、他の自治体からも注目されている。
一方でこの染屋浄水場の場合は好条件があって導入できたもので、他の同市の水道施設では不可能だという。農業用水などを利用する場合も年間を通じた一定量の水力確保や水利権問題などの課題も多く、普及が進まないのが現状だ。
2014/12/22
発電所の起動スイッチを入れる水江社長
関電工は19日、葛野川マイクロ水力発電所(流れ込み式、160キロワット)の竣工式を東京電力葛野川ダム(山梨県大月市)で開催した。新エネルギー導入促進協議会(NEPC)の補助事業として、メーカーや大学と協力して高効率・低コストな小水力向け水車ランナーを開発、同発電所で実証試験を行う。実証試験終了後はFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)認定を受け、関電工が発電事業に使用する。同社の再生可能エネルギー発電事業では初のマイクロ水力となる。(9面)
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/construction/20141222_01.html
2014/12/20
鈴木基顕 2014年12月20日03時00分
坂城町の坂城中学校3年3組の生徒が19日、総合的な学習の時間の一環として、山沿いにある新幹線横穴トンネルで小水力発電に挑戦した。手づくりの発電機を設置し、1基当たり約2~3ボルトの発電に成功、無事にLED電球がともった。
3組(35人)の生徒らは6班に分かれ、新幹線五里ケ峯(みね)トンネルの下の工事などで使用された横穴トンネルに入り、地下水が流れる側溝に発電機を設置した。
発電機は、ライトを点灯させる装置「ハブダイナモ」が付いた自転車の車輪を使った。廃品業者や自転車店から使用済みの自転車を譲り受け、取り外した車輪 に、班ごとに雨どいやペットボトルなどを切って水流を受ける羽根を取り付けた。側溝に車輪を固定し、回り始めると、LEDが点灯し、生徒から「すごい」な どと声があがった。
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/construction/20141222_01.html
2014/12/20
大鹿小水力発電 大鹿村は18日、鹿塩の小塩地区に整備した「小塩小水力発電施設」の通電式を現地で開いた。一帯は地すべり危険区域にあり、地すべり防止用工事で水抜きされた水を活用。発電した電力は再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を活用し、全量売電する。
落差は約30メートル、水量は毎秒16リットル。水車型の小水力発電システムを設置し、出力は平均2・4キロワット。
再生可能エネルギー固定買い取り制度により、1キロワット当たり34円で売電する。試算だと、収入は年間59万円ほどになり、20年間でおよそ1183万円を見込む。総事業費は536万円で、10年で発電施設の初期費用を償却できる見通しだ。
通電式には柳島貞康村長や村議、発電システムのメーカーら約20人が出席。発電施設が披露され、通電を開始した。柳島村長は「水源が豊富な大鹿の特性を生かした発電施設が完成し、大変うれしい。条件が良いところが他にもあれば取り組みたい」と話した。
村住民税務課によると、小塩地区では1994(平成6)年、国の直轄事業として地すべりを防止するためのトンネル(小塩第一隧道)が掘られ、そこから黒いパイプを通して水抜きしている。一定量の水を近くの小塩沢川に流しており、村は発電に必要な水を確保できると判断。取水用のパイプを新たに取り付け、水車型の小水力発電システムを設置することになった。
水車は直径30センチ、幅6センチのステンレス製。注ぎ込まれた水を使って回転させることで水車の脇にある発電機を稼働させる。
小水力発電は、固定価格買い取り制度の対象で、高低差と豊富な水量が確保できる山間部が好適地とされている。