2015年02月11日09:27
写真:阿多岐ダムに水車設置 県と中電、小水力発電「第1弾」
小水力発電の水車を設置する作業員=郡上市白鳥町、阿多岐ダム県内の既存のダムで、下流の流量を維持するため流している水を活用した小水力発電が、今年から来年にかけて相次いで運転を始める。その第1弾として今年 6月に運転開始する県営阿多岐ダム(郡上市白鳥町)では、中部電力による工事も大詰めを迎え、10日には水車を据え付ける作業が始まった。
東日本大震災以降、県と同社は再生可能エネルギーの活用を模索。県が同社に県営ダムを使った水力発電を提案したことから、2012年11月に同社と発電 所建設の協定を締結した。既存のダムを利用する小水力発電は、ダムを新設するコストが削減でき、もともと河川に放流していた水を発電に使うため、環境への 負荷もほとんどないという。
同協定に基づき、丹生川ダム(高山市丹生川町)の発電所が来年運転を開始。このほか、今年6月に同社が自社で所有する矢作第二ダム(恵那市串原)で、来年4月には同社の秋神ダム(高山市朝日町)で子会社のシーテックが、それぞれ小水力発電を始める。
この日は、阿多岐ダム直下の発電所内で、円筒形の小型の水車を設置する作業が行われ、滑車でつり上げた水車を作業員が慎重に設置場所に下ろしていった。作業に立ち会った県の担当者は「自然エネルギーを有効活用できる事業を今後も進めたい」と期待をあらわした。阿多岐ダムの発電出力は190キロワット、想定年間発電量は一般家庭約360世帯の年間使用電力に相当する130万キロワット時。