2015/03/11
横十間川親水公園に23区初の「マイクロ水力発電」施設-オープニングイベント開催へ【江東経済新聞】
横十間川(よこじっけんがわ)親水公園水門橋(江東区扇橋3)に3月18日、23区初となる「マイクロ水力発電施設」設置を記念してオープニングイベント「橋の上のエコランド」が開催される。
水門橋
若洲風力発電施設に続く新たな再生可能エネルギーのシンボルとして注目され、環境学習施設・観光資源としての活用が期待される同施設。
マイクロ水力発電は水の落差(高低差)と量を活用して発電するもので、これまでは立地条件の適した山間部で主に導入されてきたが、近年の技術開発により都市の低平地でも使えるようになった。
同施設の発電出力は最大で約7キロワットアワー、1日あたりの発電量は約100キロワットアワー。発電した電力は水門橋上に設置する表示モニターやライ トアップ用LEDに使う。モニターは発電量を知らせるほか、環境学習や周辺の観光情報も表示する。同装置は設置場所が海水に近い塩分濃度のため、塩害対策 も施している。
同日、夕方からライトアップを予定し、同施設近くにあるクローバー橋からの眺めが新たなビュースポットとなる見込み。
「水彩都市・江東」を象徴する同施設の完成について、江東区温暖化対策課の荒川さんは「川の小さな落差があれば発電できるので、多くの自治体でもぜひ活用してほしい」と話す。
オープニングイベントは、10時30分~16時。和船やカヌーによる水上パレードや、エネルギーの大切さを体感できる企画を予定する。
http://koto.keizai.biz/headline/101/
2015/03/10
鹿児島:水力と地熱を中核の電力源に、スマートグリッドで再エネを増やす【スマートジャパン】
再生可能エネルギーの導入量に制限がかかった九州にあって、鹿児島県では早くから蓄電池を使って電力の安定化を図るスマートグリッドの実証試験に取り組ん できた。天候の影響を受けて出力が変動する太陽光と風力を蓄電池と連携させながら、安定した出力の水力と地熱を拡大していく。
[石田雅也,スマートジャパン]
鹿児島県は高温で多雨の亜熱帯に近い気候が特徴だ。豊富な降水量を生かして、水力発電の開発が古くから進んできた。世界自然遺産にもなっている屋 久島が典型例で、島内の電力の大半を水力発電で供給している。九州電力が鹿児島県の本土で運転する発電所を見ても、薩摩川内市(さつませんだいし)に火力 と原子力がある以外には、地熱が2カ所、風力が1カ所で、残りはすべて水力である(図1)。
図1 鹿児島県の本土にある九州電力の発電所。出典:鹿児島県企業局
最近でも水力発電所の新設が相次いでいる。その中で注目すべきプロジェクトの1つは、県北部の伊佐市で106年前の1909年に運転を開始した 「曽木(そぎ)発電所」の設備を生かした小水力発電である。2013年に稼働した「新曽木発電所」は滝の右岸にある旧・発電所の取水口を改造して、古い水 圧管路の先に新しい水車発電機を設置して実現した(図2)。
図2 「新曽木発電所」の所在地と滝の水流(上)、小水力発電設備の設置状況(下)。出典:日本工営、新曽木水力発電
発電機までの水流の落差は13メートルあって、最大490kWの電力を供給することができる。年間の発電量は400万kWhになり、一般家庭の 1100世帯分に相当する。川から常に安定した水量を確保できるため、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は93%と極めて高い。
同様に滝が流れる地形を利用した小水力発電所は県中部の姶良市(あいらし)でも建設中だ。九州電力グループが手がける「龍門滝(りゅうもんだき) 発電所」で、滝の近くを流れる農業用水路に沿って発電設備を造成する。用水路から取り込んだ水を水槽に貯めて、そこから低い位置に設けた発電機まで水圧管 路で水を流し込む(図3)。
図3 「龍門滝発電所」の小水力発電設備。出典:九州電力
発電能力は140kWで、年間の発電量は110万kWhを想定している。一般家庭で300世帯分の電力を供給することができる。この小水力発電所の設備利用率も90%に達する。運転開始は2015年6月を予定している。
鹿児島県では水力のほかに太陽光と風力、さらに地熱の導入量も全国のトップクラスを誇る(図4)。地熱発電所は薩摩半島の南端にある指宿市(いぶ すきし)に集中している。九州電力の「山川発電所」が1995年から運転を続けているほか、市内の温泉施設で1.5MWの地熱発電設備が2015年2月に 運転を開始したところだ。このほかにも低温の温泉水で発電できるバイナリー方式のプロジェクトが進行中である。
図4 固定価格買取制度の認定設備(2013年12月末時点)
太陽光発電は事業用の250kWのほか、家庭用の4kWのパネル7枚を方位や角度を変えて設置した。蓄電池の容量は事業用が70kWh(出力 100kW)で、家庭用が10kWh(同3kW)×6台の構成だ。この実証試験設備と市内の230世帯に設置したスマートメーターを組み合わせて電力の安 定化を図る。今後は「川内原子力発電所」が稼働すると、電力の供給体制は大きく変わる。それによってスマートグリッドの効果がどう変化するかにも注目したいと ころだが、実証試験は2015年3月に終了してしまう。鹿児島県に国内で最先端のスマートグリッドを構築するためにも、試験期間の延長か早期の再スタート を期待したい。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1503/10/news017.html
2015/03/07
全国の水道で発電力調査…「小水力」普及促進へ【読売新聞】
環境省は来年度、小規模な水流で発電する「小水力発電」の導入を促進するため、全国の水道施設で発電可能量を一斉調査する。
上水道を使った発電は水量が安定しており、落ち葉などを頻繁に取り除く必要もないため、維持費が割安になる利点がある。環境省は各施設ごとに具体的な発電可能量を示し、助成制度や導入事例の周知を徹底することで普及を促す方針だ。
小水力発電は高台の浄水場から、家庭に水を供給する配水場に流れ下りる標高差などを利用して発電する仕組み。さいたま市水道局は、大宮配水場で2011年度に導入した出力50キロ・ワットの発電機で、112世帯分を発電する。
民間の発電事業者に、配水場の敷地の一部と高圧の水道管を貸し出す代わりに、発電機の設置は業者負担とし、市が業者から割安の電気を購入できる契約を結んだ。市水道局の担当者は「火力で発電した電力の消費を削減できるメリットは大きい」と強調する。
2015年03月07日 14時29分 Copyright © The Yomiuri Shimb
http://www.yomiuri.co.jp/eco/20150306-OYT1T50111.html
2015/03/06
鈴与商事、静岡初の取り組みとなる農業水利施設利用の小水力発電事業に参加【リーフヘッド】
一般家庭500世帯分の年間使用量相当を発電
鈴与商事株式会社は2015年2月9日、静岡県として初の取り組みとなる、農業水利施設を利用した小水力発電事業で発電された電力の買い受け業者に決定したことを発表した。
太陽光発電や風力発電などとともに、CO2を排出しないクリーンエネルギーとして注目を集める小水力発電は、天候や昼夜に左右されず安定した発電が可能なことから、太陽光発電と比較しても設備利用率が高く、特に、水資源が豊富な静岡県では農業水利施設への小水力発電の導入には大きな期待が寄せられていた。
大井川地区の環境整備などへの貢献にも繋がる
同社は、静岡県が事業推進する西方発電所および、伊達方発電所で発電された電力を、この施設を管理運営する大井川右岸土地改良区から買い受け、新電力事業における電力販売用の電源として活用し、静岡県内の事業所や施設などへ供給する予定。
今回の電力買い取りによって得られる売電収益は、大井川右岸土地改良区が管理する土地改良区施設の光熱費や点検補修などの維持管理費に充当される予定。
http://news.leaf-hide.jp/news_impyJ7qbyY.html
2015/03/06
小水力発電の試運転開始 洲本の集落、街灯などに活用【神戸新聞】
2015/3/6 05:30
試運転を始めた小水力発電。過疎地域再生の一助になるか=洲本市千草戊
電源は集落を照らす街灯に利用される(太田明広さん提供)=洲本市千草戊
限界集落が生活に必要なエネルギーを自給自足-。4世帯8人のみが山あいに暮らす兵庫県洲本市の千草竹原集落で、農業用水を活用した小水力発電施設が2 月から試運転を始めた。大学研究者らと共同で開発し、街灯などの電源に活用。地元住民は“廃村危機”からの再生につなげたい考えで、3月下旬には見学イベ ントを催す。
(佐藤健介)
中心市街地から約6キロ南、曲がりくねった山道を抜けた先に位置する同集落は極端な過疎化に悩み、荒廃した里山の保水力低下で水害も招きかねない。
人を呼び込むための第一歩として、自然エネルギーを生かした生活環境を整えようと、洲本市と活性化協定を結ぶ龍谷大学(京都市)が連携し、小水力発電施設を整備した。
機器は同大学研究者らが立ち上げた再生エネルギー設備会社が開発し、2月15日に試運転を開始。山の斜面に渡したパイプを通って、水が約4・5メートル下に勢いよく流れ落ち、水車の羽根を押し回すことで電気が起こる。
出力は120ワットで蓄電機能も備え、街灯や防犯カメラ、フットライト、災害時の非常電源などに利用。羽根を回し終えた排水は水に弱い特定外来生物「ナルトサワギク」を駆除するなど、生態系保全にも役立つ。近く本格稼働する予定だ。
「夜は真っ暗闇だった場所が明るくなり、安心度が増した」と喜ぶのは、町内会長で集落最年少の太田明広さん(57)。「限界集落活性化へのチャレンジ。将来的には農地を囲う電柵に用いるなど、獣害対策も進めたい」と意気込んでいる。
◇
小水力発電施設の見学イベントは3月29日午前11時~午後4時に開催。観光農園「源流の郷・あわじ花山水」でシイタケの菌打ちを体験し、お花見ランチや龍谷大学生によるバンドと吹奏楽の演奏も楽しむ。
参加費は大人千円、小中高校生500円、未就学児無料。申込期限は22日だが、先着20人で締め切る。
http://www.kobe-np.co.jp/news/awaji/201503/0007792396.shtml