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2015/03/18

マイクロ水力発電、点灯 江東・横十間川親水公園【東京新聞】

2015年3月18日 夕刊
東京都江東区が扇橋3の横十間(よこじっけん)川親水公園にある水門橋下に設置を進めてきたマイクロ水力発電施設が18日、完成した。発電量はわずかだ が、平たんな都心部での水力発電という意外性は十分。区の担当者は再生可能エネルギーの可能性を考えるきっかけになればと期待する。 (荘加卓嗣)
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東京都江東区の横十間川親水公園水門橋下に完成したマイクロ水力発電施設=18日午前10時32分(中西祥子撮影)

江東区内には河川が縦横に走っており、これを生かした環境学習や観光資源にと、職員の提案で二十三区で初めて設置した。治水対策の水門に集水板を取り付けることで最大で一・五メートルの高低差を生みだし、流れ下る水力で水車を回して発電する。
費用は調査費、工事費合わせて約三千五百万円。発電出力は約一キロワットで、電子レンジ一台を動かせる程度。生まれた電力は水門橋の上に設置された発電量や観光情報などを表示するモニターと橋の夜間ライトアップに充てられる。
水力発電は、山間部に大型ダムを設置して高低差をつくり行われるのがほとんど。だが近年、技術の進歩に伴い高低差のあまりない平地の河川などでも小規模 な発電ができるようになった。一般的に発電出力千キロワット以下が小水力発電、そのうち百キロワット以下がマイクロ水力発電に分類される。
都内では、都水道局が六つの浄水場や給水所で導水管の水流などを活用、下水道局が二つの下水処理施設で処理した後の水を川などへ放流する経路の高低差を活用し、小水力発電を行っている。
完成式典で山崎孝明区長は「環境を学び、東京、日本、地球を守る気持ちを、小さいころから刻んでもらえたら」とあいさつ。近くの区立つばめ幼稚園園児が歌を歌って完成を祝った。
区温暖化対策課の担当者は「水は区内の至るところにある。売電まではいかなくても、工夫をすれば都市部でも電気を起こせることを実際に見て知ってもらいたい」と話した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015031802000256.html

2015/03/16

小水力発電理解深めて 鳥取で歴史や課題講演【読売新聞】

「小水力発電」を通して、自然との共生や地域活性化について考えるフォーラム「いまこそ、地域のお宝を再発見!鳥取の小水力発電」が15日、鳥取市富安のさざんか会館で開かれ、約60人が現状や歴史、課題についての講演に聴き入った。
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20150315/20150315-OYTNI50052-L.jpg
小水力発電の取り組みなどが紹介されたフォーラム(鳥取市のさざんか会館で)

自然エネルギーの普及などに取り組む団体「市民エネルギーとっとり」などが、環境への負荷が少なく、地域活性化の可能性を持つ小水力発電への理解を深めようと企画した。
中国小水力発電協会事務局で、JA広島中央会の土井崇司・小水力発電担当課長が「中国地方の小水力発電~その歴史と現状~」と題して基調講演。中国地方 に100程度あったとされる同協会会員の小水力発電所は現在53か所まで減少。ほとんどの施設が60年以上稼働し、修繕や改修を行いながら運用しているこ とや、売電価格の安さもあって普及が進まない現状を説明した。
一方、小水力発電を導入した岐阜県郡上市の石徹白(いとしろ)集落の取り組みを支援しているNPO法人・地域再生機構の野村典博副理事長は、集落の住民 が費用を出し合い、自ら建設や維持管理を行っていることを紹介。活動は注目を集め、人口約250人の集落に全国からの視察、若者の移住が相次ぐなど、活気 を取り戻しつつあることを報告した。
参加者からは「小水力発電は、住民に身近で地産地消ができる方法として魅力的」といった声が聞かれた。
2015年03月16日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

http://www.yomiuri.co.jp/local/tottori/news/20150315-OYTNT50226.html

2015/03/12

天龍村が小水力発電施設の点灯式開く【南信州新聞】

天龍村で小水力発電所 天龍村は平岡の西原―中央の恵平沢川に小水力発電施設「龍吐水力発電所」を整備し、10日に起動点灯式を開いた。電気は同地区の防災避難施設に指定している天龍保育所で利用し、余剰分は売電する。平岡ダムが象徴する水力とともに生きる村として、自然エネルギー発電のシンボルとする。
 西原の天龍小学校西側に取水口を設け、120メートルの導管で中央の保育所東側に設置した発電施設に水を運ぶ。36メートルの落差で水を落とし、発電機を稼働する。
 災害に強い自立・分散型のエネルギーシステム導入を支援する県のグリーンニューディール基金1460万円を活用し、総事業費は1970万円。発電量は5キロワット時で、日中は保育所の電力を補い、夜間は売電する。
 大平村長が村を象徴する龍に見立て、かつての手動ポンプ「龍吐水」の名称からも引用して「龍吐水力発電所」と名付けた。
 点灯式では、大平村長と野竹正孝議長が起動ボタンを押して発電を開始。保育所の園児や天龍小学校の児童らが見守り、設計者から説明を受けた。
 大平村長は「村は中部電力の平岡ダムとともに暮らしてきた自然エネルギーと親和性の高い地域。村のシンボルにして、水力をはじめとする自然エネルギーに対する村民の関心を高めたい」と話していた。
 村は2011年度に有識者を含めた自然エネルギー普及推進協議会を発足。小水力発電の導入と太陽光発電の普及拡大に向けて研究・調査を進めた。
 標高300メートル―800メートルの間に集落が点在する村内では、標高差が大きい地形特性を生かした小水力発電への期待が高く、前年度に複数カ所を候補に調査を実施。水量と落差の条件がそろう恵平沢川を選定し、本年度当初予算に建設費を計上していた。

http://minamishinshu.jp/news/politics/%E5%A4%A9%E9%BE%8D%E6%9D%91%E3%81%8C%E5%B0%8F%E6%B0%B4%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%96%BD%E8%A8%AD%E3%81%AE%E7%82%B9%E7%81%AF%E5%BC%8F%E9%96%8B%E3%81%8F.html

2015/03/11

横十間川親水公園に23区初の「マイクロ水力発電」施設-オープニングイベント開催へ【江東経済新聞】

 横十間川(よこじっけんがわ)親水公園水門橋(江東区扇橋3)に3月18日、23区初となる「マイクロ水力発電施設」設置を記念してオープニングイベント「橋の上のエコランド」が開催される。

水門橋

 若洲風力発電施設に続く新たな再生可能エネルギーのシンボルとして注目され、環境学習施設・観光資源としての活用が期待される同施設。
 マイクロ水力発電は水の落差(高低差)と量を活用して発電するもので、これまでは立地条件の適した山間部で主に導入されてきたが、近年の技術開発により都市の低平地でも使えるようになった。
 同施設の発電出力は最大で約7キロワットアワー、1日あたりの発電量は約100キロワットアワー。発電した電力は水門橋上に設置する表示モニターやライ トアップ用LEDに使う。モニターは発電量を知らせるほか、環境学習や周辺の観光情報も表示する。同装置は設置場所が海水に近い塩分濃度のため、塩害対策 も施している。
 同日、夕方からライトアップを予定し、同施設近くにあるクローバー橋からの眺めが新たなビュースポットとなる見込み。
 「水彩都市・江東」を象徴する同施設の完成について、江東区温暖化対策課の荒川さんは「川の小さな落差があれば発電できるので、多くの自治体でもぜひ活用してほしい」と話す。
 オープニングイベントは、10時30分~16時。和船やカヌーによる水上パレードや、エネルギーの大切さを体感できる企画を予定する。


http://koto.keizai.biz/headline/101/

2015/03/10

鹿児島:水力と地熱を中核の電力源に、スマートグリッドで再エネを増やす【スマートジャパン】

再生可能エネルギーの導入量に制限がかかった九州にあって、鹿児島県では早くから蓄電池を使って電力の安定化を図るスマートグリッドの実証試験に取り組ん できた。天候の影響を受けて出力が変動する太陽光と風力を蓄電池と連携させながら、安定した出力の水力と地熱を拡大していく。
[石田雅也,スマートジャパン]
鹿児島県は高温で多雨の亜熱帯に近い気候が特徴だ。豊富な降水量を生かして、水力発電の開発が古くから進んできた。世界自然遺産にもなっている屋 久島が典型例で、島内の電力の大半を水力発電で供給している。九州電力が鹿児島県の本土で運転する発電所を見ても、薩摩川内市(さつませんだいし)に火力 と原子力がある以外には、地熱が2カ所、風力が1カ所で、残りはすべて水力である(図1)。

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図1 鹿児島県の本土にある九州電力の発電所。出典:鹿児島県企業局

最近でも水力発電所の新設が相次いでいる。その中で注目すべきプロジェクトの1つは、県北部の伊佐市で106年前の1909年に運転を開始した 「曽木(そぎ)発電所」の設備を生かした小水力発電である。2013年に稼働した「新曽木発電所」は滝の右岸にある旧・発電所の取水口を改造して、古い水 圧管路の先に新しい水車発電機を設置して実現した(図2)。

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図2 「新曽木発電所」の所在地と滝の水流(上)、小水力発電設備の設置状況(下)。出典:日本工営、新曽木水力発電

 

発電機までの水流の落差は13メートルあって、最大490kWの電力を供給することができる。年間の発電量は400万kWhになり、一般家庭の 1100世帯分に相当する。川から常に安定した水量を確保できるため、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は93%と極めて高い。
同様に滝が流れる地形を利用した小水力発電所は県中部の姶良市(あいらし)でも建設中だ。九州電力グループが手がける「龍門滝(りゅうもんだき) 発電所」で、滝の近くを流れる農業用水路に沿って発電設備を造成する。用水路から取り込んだ水を水槽に貯めて、そこから低い位置に設けた発電機まで水圧管 路で水を流し込む(図3)。

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図3 「龍門滝発電所」の小水力発電設備。出典:九州電力

発電能力は140kWで、年間の発電量は110万kWhを想定している。一般家庭で300世帯分の電力を供給することができる。この小水力発電所の設備利用率も90%に達する。運転開始は2015年6月を予定している。

鹿児島県では水力のほかに太陽光と風力、さらに地熱の導入量も全国のトップクラスを誇る(図4)。地熱発電所は薩摩半島の南端にある指宿市(いぶ すきし)に集中している。九州電力の「山川発電所」が1995年から運転を続けているほか、市内の温泉施設で1.5MWの地熱発電設備が2015年2月に 運転を開始したところだ。このほかにも低温の温泉水で発電できるバイナリー方式のプロジェクトが進行中である。

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図4 固定価格買取制度の認定設備(2013年12月末時点)
太陽光発電は事業用の250kWのほか、家庭用の4kWのパネル7枚を方位や角度を変えて設置した。蓄電池の容量は事業用が70kWh(出力 100kW)で、家庭用が10kWh(同3kW)×6台の構成だ。この実証試験設備と市内の230世帯に設置したスマートメーターを組み合わせて電力の安 定化を図る。今後は「川内原子力発電所」が稼働すると、電力の供給体制は大きく変わる。それによってスマートグリッドの効果がどう変化するかにも注目したいと ころだが、実証試験は2015年3月に終了してしまう。鹿児島県に国内で最先端のスマートグリッドを構築するためにも、試験期間の延長か早期の再スタート を期待したい。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1503/10/news017.html

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