2015/03/28
佐賀市は27日、市清掃工場(高木瀬町)で、ごみ焼却施設の冷却水を使った小水力発電を始めた。未利用資源の有効活用策で、循環している冷却水の落差を利用して水車発電機で発電する。新電力(特定規模電気事業者)を介して市内51の小中学校で使われる。
市清掃工場は、施設内で冷却水を循環させ、高温になる焼却炉などのごみ焼却施設とタービン発電機を冷やしている。小水力発電は、冷却水が通る配管に水車発電機を設置し、建物屋上の機器冷却塔から流れ落ちる22・5メートルの落差を利用して電気をつくる。
年間発電量は40世帯分に当たる14万4400キロワット時を想定。全量を、新電力でごみ焼却施設の運転管理を委託している荏原環境プラント(東京)に販売、年間約500万円の収入を見込む。総事業費は4100万円。
清掃工場では、ごみ焼却熱を利用した発電も行っている。小中学校への配電はこの余剰電力の一部でも賄っており、売電先を九州電力から単価が高い荏原環境 プラントに変更した昨年6月から始めた。余剰電力の年間売電量は992万キロワット時、1億6500万円の収入を見込む。
発電開始式では、御厨安守副市長がスタートを宣言した。「東日本大震災以降、再生可能エネルギーにどう取り組むかは全国的な課題になっている。いろいろな資源の活用を通して循環型社会の構築を進めていきたい」と意欲を語った。
2015年03月28日 08時52分
2015/03/27
民間が発電した再生可能エネルギー電力の買い取りを電力会社に義務付けるなどの法制度が整備されたことで、近年都市近郊でも、多数のソーラーパネルが並ぶ太陽光発電所や巨大プロペラが優雅に回る風力発電機がお目見えするようになった。
一方、これらのように目立つ存在ではないが、全国各地で着々と増えているのが、ダムや調整池でなく、農業用水路や上下水道等の流水を貯めずにそのまま利用する小水力発電プラントだ。「小水力」に厳密な定義はなく、電力業界では1万キロワット以下。さらに1000キロワット以下をミニ水力、100キロワット以下をマイクロ水力と位置づけている。
田中水力(相模原市中央区南橋本4の3の15、田中幸太社長)が手掛けるのは、5000キロワット以下の小水力発電プラントの設計・製造・販売。ことミニ水力の規模では全国で40%のシェアを誇る。
再生可能エネルギー関連のビジネスに参画するのは、東日本大震災を契機に起業した新進気鋭の業者も少なくないが、同社は水力発電の専門会社として83年の歴史を持つ。
前身は、1932年に田中社長の曾祖父・茂氏が都内で創業した田中水力機械製作所。当初から発電用水車の新製・改造・修理を看板に掲げてはいたものの、新製・改造は海外製品と大手の牙城だから、実質的に既存設備の保守点検が長らく同社の基幹だった。
とはいえ、60年代初頭まで国内の発電は水力が主役。各地に次々と建設される水車の保守点検を請け負うことで安定成長できた。しかしその後、火力発電が水力を凌駕し始めると、同社の事業も徐々に厳しくなっていく。
そんな中で同社は、それまで培った技術を生かして、まだ国産のない小水力向き水車の開発研究に着手。80~81年には、通産省(現経済産業省)の補助事業として、流量変化に対する効率特性がフラットで低流領域の効率が高いクロスフロー水車を委託研究。88年には、軽負荷特性に優れ、安価で設置・保守が容易なターゴインパルス水車の国内1号機を納入した。
94年には発電機や制御装置を手掛ける電気部門を新設し、プラント事業に進出。それでも、国内に小水力発電の市場はほとんどなかった。それが突如広がったのは法制度と大震災が要因だが、同社の地道な努力の賜物だといっても罰はあたるまい。
07年には中大水力用として広く普及するフランシス水車を小水力用に改良したインライン式リンクレスタイプを発表。12年には初の国産ターゴ水車を納入。その高い技術力を見込まれて、しばらくはバックオーダーを抱える繁忙期が続きそうだ。
「当面は国内市場拡大が最優先。熟練工の高い技術が弊社の大きな強みだが、競争力を高めるためには、新卒や女性の雇用を積極的に進めきたい」
米国に生まれ育ち、現地で起業経験もある田中社長は若干39歳。その視線は現状に埋没することなく、かなり先に向けられている。
2015/03/27
記事提供元:日本インタビュ新聞社
■UNIDO「アフリカ支援プロジェクト」のプログラムに採用!
グリーン・コミュニティの実現を目指す日本アジアグループ<3751>(東マ)傘下で、水流を利用した超低落差型のマイクロ水力発電システムの実用化を世界に先駆けて成功させ、アジア・アフリカ各国へグローバルに事業を展開しているシーベルインターナショナル(シーベル)は、UNIDO(国際連合工業開発機構)と「アフリカエチオピアプロジェクト」の正式契約を結んだ。
このプロジェクトは、落差の小さい水路でも設置可能なシーベルの技術が認められて採用されたものであり、「超低落差マイクロ水力発電システム独立電源ミニグリッド(商品名:ストリーム)」を設置する。施設の完成後は無電化村約200世帯と電気の通っていない学校へ電力を供給する。なお、同システムの設置完了は15年4月の予定。
■新興国インフラ整備に貢献~ミッション達成と事業拡大目指す
同社はストリーム設置を進めることが、「新興国のインフラ整備に貢献する重要なプロジェクト」であると位置付けて今後も積極的に取組を推進。国内外でストリームの設置と販売活動を強化し、同グループのミッション「Save the Earth, Make Communities Green」へのアプローチと同事業の拡大を目指す。
(写真=アフリカエチオピアプロジェクト現地)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
2015/03/27
中部電力は3月20日、岐阜県高山市で小水力発電設備「丹生川水力発電所」を着工したと発表した。河川法に基づく着手届を岐阜県に提出し、岐阜県と高山市所有の丹生川ダムの直下に建設する。新設備の最大出力は350kW、年間発電量は約210万kWhで、同社では稼働で年間1100t程度のCO2排出削減効果も見込んでいる。竣工~稼働開始は平成28年6月の予定。
2015/03/23
2015/03/27
地域住民の小水力発電導入を支援する「郡上市小水力発電調査研究会」は、市内の八十六カ所で小水力発電が可能だとする調査をまとめ二十四日、市役所で報告会を開いた。小水力発電は防災面で注目が高まっており、二〇一五年度から実現に向けた取り組みが始まる。
市内には災害時に、土砂崩れによる道路の寸断などで、孤立する可能性のある地域が二十六カ所ある。電気も止まってしまった場合、地域に小水力発電施設が あれば、少しでも電気を賄うことができる。普段は地域の街灯に使ったり、売電したりもできる。子どもたちに見学させて教育にも役立てられる。
市内は河川が豊富で、傾斜が急な地形もあり、小水力発電に適したところが多い。研究会がどこで可能かを調べると、農業用水や河川、砂防えん堤などの八十 六カ所が挙がり、中には百キロワット以上の発電出力が見込まれるところもあった。うち十カ所ほどは、災害時に孤立する可能性のある地域だった。
研究会は一三年七月に発足し、専門家や電気工事組合、自治会の関係者らが委員になって活動した。一四年度末で解散する。一五年度には、研究会の委員を中心に市小水力発電事業推進会議が発足し、数カ所をピックアップして実現の可能性を探っていく。
(稲垣時太郎)
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20150325/CK2015032502000019.html