2015/09/07
2015年9月 7日掲載
京都市は、町内会や商店街等の地域のコミュニティ組織が主体となって行う再生可能エネルギー発電導入可能性調査を支援する助成制度を新たに創設した。
助成金の交付を希望する団体を9月18日(金)から10月30日(金)まで募集する。なお、本事業は2016年3月31日までに完了する調査が対象となる。
京都市は、昨年度、地域のコミュニティ組織が主体となり、地域に太陽光発電や小水力発電などの再生可能エネルギー利用設備を設置しようとする意欲的な取組み(市民協働発電制度地域コミュニティ版)を支援するため、地域住民の合意形成や再生可能エネルギーを活用した発電事業に関する簡易調査や事業化の検討等を行う「コーディネーター派遣制度」を創設した。
今回、地域主体のこれらの取組みに対する支援を一層拡大するため、新たに「再生可能エネルギー発電導入可能性調査に対する助成制度」を創設した。
助成制度の概要は以下の通り。
助成対象者
地域のコミュニティ組織。町内会、自治会、商店街、マンション管理組合、各種市民団体等(個人、個人事業者を除く)。
助成対象事業
市民協働発電制度地域コミュニティ版に係る再生可能エネルギー発電導入可能性調査
再生可能エネルギーの種類
太陽光発電(自家消費、余剰売電、全量売電を問わない)
小水力発電(発電出力1,000kW以下のもの)
風力発電、地熱発電等、その他市長が認めるもの
調査内容
現状調査
発電設備の設置に係る法規制等の確認(景観保全、環境アセスメント等)、発電に係る権利(水利権,所有権等)の確認等
現地調査
太陽光であれば日射量や日影の影響の確認等、小水力であれば高低差や流量の長期的な測定等
系統連系の調査
系統連系の可否に関する電力会社との技術的な検討および申請に係る事前協議
経済性等の調査
発電出力および収入見込の調査、発電設備の設置に係る工事費やメンテナンス費等の検討
※いずれの調査もコーディネーター派遣制度で実施する支援内容を除く
助成対象経費
導入可能性調査を行うために必要な機器・設備の使用料および調査・分析・報告に要する経費等
助成金額
助成対象経費の1/2(上限:100万円)。ただし、小水力発電については、9/10(上限:100万円)
募集期間
9月18日(金)~10月30日(金)
応募方法
京都市のホームページに掲載されている募集要項を参照のこと
問合せ先
京都市環境政策局地球温暖化対策室(電話222-4555)
事業の背景・目的
京都市は、広く市民誰もが再生可能エネルギーの普及に関わることができる「市民協働発電制度」を2012年度に創設し、これまで市有施設9箇所において市民協働発電所を稼働してきた。また、2013年12月に策定した「京都市エネルギー政策推進のための戦略」において、市民力・地域力を生かした、地域の活性化につながる仕組みを活用し、再生可能エネルギーの普及拡大を図ることを施策推進の方向性に掲げている。
前述のとおり、地域のコミュニティ組織が主体となって行う再生可能エネルギー発電導入の取組みを支援するために、2014年度から「コーディネーター派遣制度」、そして、今回新しい助成制度を開始した。
2015/09/05
2015/9/5 05:30
福知自治会が小水力発電に取り組む福知川=宍粟市一宮町福知
自治会として小水力発電事業への参入を検討してきた兵庫県宍粟市一宮町福知地区はこのほど、事業主体となる「福知水力発電株式会社」を設立した。設計・施工を担う業者を25日まで公募し、発電規模や事業費などの提案を受ける。
同地区の福知渓谷は県内有数の景勝地として人気を誇ったが、2009年の県西・北部豪雨で被害を受け、観光客が減少した。少子高齢化が進んでいることも あり、売電収益を山林などの維持費に充てようと自治会が発電事業を検討。14年度に福知川の流量調査を行い、事業化は可能と判断した。
会社の資本金は500万円で、自治会内の互助組織「福知救護社」が全額出資する。事業費の上限は4億円とし、金融機関の融資を受け15年間で償還する計画。
発電には既存の農業用取水堰(せき)や水路を使い、周辺の景観に配慮する予定。電気は再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」を活用し、電力会社に20年間売電する。
同社社長に就任した前福知自治会長の飯田吉則さん(59)は「専門家ではないので事業に不安もあるが、地区として自立し、未来を切り開くために取り組んでいきたい」と話した。(古根川淳也)
http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201509/0008366933.shtml
2015/09/04
2015/09/04
九州電力グループの西技工業(福岡市、井上和敏社長)が鹿児島県姶良市に建設していた、小水力の龍門滝発電所(最大出力約150キロワット)がこのほど竣工した。姶良市が所有する既設の農業用水路から取水し、約50メートルの落差を利用して発電を行う。年間約110万キロワット時の発電量を見込んでおり、全量をFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を用いて、九州電力に売電する。
昨年7月から本体工事に着手していた。2日には現地で竣工式が行われ、井上社長、笹山義弘・姶良市長らが発電所の安定運転を祈願した。今年6月に運転を開始。発電所は、姶良市の観光名所として知られる「龍門滝」付近に設置された。
同社は水力発電所の水路保守や河川の流量調査、土木建築設備の巡視点検、工事などを行っている。国産エネルギーの有効活用や地球温暖化対策の観点から、小水力発電事業を積極的に手掛けていく方針で、今回はその第1弾となる。
2015/09/04
2015年09月04日 10時24分
佐賀県が小水力発電の普及を目指している。再生可能エネルギー分野の裾野を広げ、新たな産業につなげる狙いで、技術開発や実証事業に取り組む県内事業者を募集している。
小水力発電は河川や水路の水をためることなく、そのまま利用する発電方式。昼夜や年間を通して安定した発電が可能で、太陽光に比べて設備利用率が高い点などが長所とされる。出力は大きくないものの、独立した電源として多目的に使え、売電収入も見込める。
募集は県内の民間企業や団体、大学・研究機関などを対象にしている。小水力発電の開発や普及につながる新規事業に対して経費を助成する。補助率は総事業費の2分の1以内で、250万円を上限とする。事業期間は来年3月10日まで。
県内16カ所の水力発電のうち、出力が1千キロワット以下の小水力発電は5カ所にとどまる。水利権に加え、落差と流量が見込める設置場所の確保がネックになっているが、新エネルギー課は「唐津や脊振、太良の山あいなどには適した環境がある」とみている。
県内に小水力発電メーカーは2社あり、県は2018年度までに4社に増やす目標を新総合計画に掲げている。応募は9月25日まで受け付け、審査で1、2件を採択する。
問い合わせは新エネルギー課、電話0952(25)7522。
2015/08/28
2015/08/28
経済産業省は2016年度から、水力発電の促進に向け、新設と既設の両面に対する支援を始める方針を固めた。新設では事業化に向けた調査費用や地域住民への理解促進事業に補助を行い、既設では最新技術を使った機器に更新する際などに財政面から支援する。16年度の概算要求で、計51億円を盛り込む予定。エネルギー基本計画では、水力は運転コストが低くベースロード電源として重要な役割を担うと位置付けており、積極的に普及拡大を図る。
新設分は「水力発電事業化促進事業費補助金」とし、11億円を計上。事業者が新規開発地点で事業化に必要な流量調査や測量、地質調査、設計などを行う際に補助するほか、地方自治体が有望地点のデータを公表して事業化を促す取り組みを支援する。
事業者には費用の2分の1、自治体には全額を補助。水力分野で新規事業者が増えているため、技術者の育成や技術情報の収集に関する委託事業も実施する。
さらに新規立地地域の住民に対する理解促進事業も全額補助で支援する。具体的には、発電所の見学会や湖面の有効利用、水質などの環境調査といった取り組みが対象となる見込み。
これらの事業を進めることで、20年度までに新たに10万キロワット分の事業化を目指す。
一方、既設に対しては「水力発電新技術活用促進事業費補助金」として、40億円を盛り込む。経産省によると、国内にある水力発電所約2千カ所のうち、千カ所程度が運転開始から40年間を超え設備更新の時期を迎えている。更新の際に最新技術を使った機器の採用を促すことで、出力・発電量の増加を実現する。
新技術を使った機器に関する増出力や発電量増加の可能性調査、更新工事に対して補助を行う。補助率は調査が3分の2、工事が3分の1とする考え。
また、水力発電の高効率化やコスト低減に向け、設備の製作や実証を財政面で支援する事業も行う。この事業では、費用の3分の2を補助する予定。