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2015/09/08

兵庫県有数の清流景勝地が小水力発電に参入、台風災害復興に住民が立ち上がる【スマート・ジャパン】

兵庫県宍粟(しそう)市は、清流として有名な揖保川水系を抱えており、その1つである福知川には景勝地として有名な福知渓谷がある。この景勝地で有名な福知地区が小水力発電に乗り出すため、EPC事業者を公募している。
[三島一孝,スマートジャパン]
福知渓谷は、「関西の風景100選」や「ひょうご風景100選」に選ばれたこともある兵庫県内でも有数の景勝地であり、清流とともに秋の紅葉などで多くの観光客が訪れていた(図1)。

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図1 福知渓谷の様子 出典:宍粟市

しかし、2009年8月の台風災害により大きな被害を受け、復旧工事が完了した現在も以前に比べて観光客が減少している状況だという。加えて、少子高齢化や人口流出の影響などもあり、地域の活力低下への問題意識が高まっていた。

そこで、兵庫県宍粟市一宮町福知自治会は、エネルギー産業による活性化と将来的な観光振興の原資とするために、福知川を活用した小水力発電事業へ の参入を決め、2015年8月に事業推進母体として「福知水力発電」を設立した。福知水力発電は福知地区の住民により設立。出資者である福知救護社は福知 地区住民の交互扶助などを目的とした非営利型の一般社団法人で福知自治会と同じ構成員で構成されているという。

事業の目的は、以下の3点となる。

地域活性化へとつながる小水力発電事業の実施(営利を目的とするのではなく住民がいきいきと暮らせる地域社会の実現に資することを第一の目的とする)

地球温暖化対策およびエネルギー安全保障への貢献

地球主導型の小水力発電事業モデルの確立(小水力発電を活用した地域活性化の先進事例としてモデルケースを目指す)

これらの実現向けて、新たに発電設備の設計・調達・施工(以下、EPC)を一括して請け負うEPC事業者の公募を開始した。公募は同年8月24日から開始され、参加申込書の締め切りは同年9月25日までとなっている。

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図2 EPC事業者募集の流れ 出典:福知水力発電

 

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1509/08/news020.html

2015/09/08

小水力発電で村おこし、農業用水路が新たな価値を生む【スマート・ジャパン】

 面積の8割以上を森林が占める岐阜県には水力とバイオマス資源が豊富にある。過疎に悩む農村では農業用水路に小規模な水力発電機を設置して電力の自給自足が始まった。ダムを利用した小水力発電も相次いで運転を開始する一方、都市部では地域ぐるみのバイオマス発電が広がっていく。
[石田雅也,スマートジャパン]

 岐阜県の中部に、小水力発電による村おこしで全国の注目を集める農村がある。郡上市(ぐじょうし)の「石徹白(いとしろ)」と呼ぶ古くからの集落 だ。標高700メートルの高地にあって、夏の涼しさを生かしたトウモロコシが主な農産物である。冬には大量の雪が降り、厳しい寒さから過去50年間で人口 が4分の1以下に減ってしまった。現在は100世帯の270人が暮らしている。

 地域の住民が村を活性化するために取り組んだのが小水力発電である。2007年から小規模な発電設備を農業用水路に設置して実験を開始した(図 1)。一時は反対の声も上がったが、2014年に発電事業の主体になる「石徹白農業用水農業協同組合」を設立して小水力発電を本格的に推進中だ。

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図1 石徹白地区の小水力発電の取り組み。出典:石徹白農業用水農業協同組合

 小水力発電は2カ所で実施する。1つは郡上市が建設して2015年6月に運転を開始した「石徹白1号用水発電所」である。農業用水路を利用して 63kW(キロワット)の電力を供給することができる。年間の発電量は39万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間 3600kWh)に換算すると、石徹白の全世帯をカバーできる110世帯分に相当する。

 もう1つの小水力発電所は地元の協同組合が建設・運営するプロジェクトで、発電能力は103kWを予定している。総事業費は2億4000万円にのぼり、県と市が75%、残り25%を協同組合が負担する。2016年内に運転を開始できるように準備を進めているところだ。

 市が運転中の発電所と同様の発電効率を想定すると、年間に60万kWh程度の発電量になる。固定価格買取制度を適用すれば、年間の売電収入は約 2000万円を見込める。維持管理費などを除いて出る利益を新たな農業の振興策に役立てる方針だ。豊富な水量を発電に生かしながら、農産物の生産・販売量 を増やして地域の魅力を高めていく。過疎に歯止めをかける期待は大きい。

 こうして小水力発電で地域を活性化する試みは、岐阜県を横断する木曽川の上流でも始まっている。東部の中津川市では大正時代からの農業用水路を改 修して小水力発電に利用するプロジェクトがある(図2)。64メートルの落差の水流から最大126kWの電力を供給する計画で、2015年12月に運転を 開始する予定だ。

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図2 中津川市の小水力発電計画。農業用水路の改修前(左上)と改修後(右上)。発電機の外観(左下)と構造(右下)。出典:飛島建設、オリエンタルコンサルタンツ

民間企業2社が発電事業者になって、地元の水路管理組合から農業用水路の使用許可を受けた。小水力発電に欠かせない設備の清掃・点検業務の一部も管理組 合に委託する。発電事業による農業用水路の効率改善に加えて、清掃・点検業務による新たな収入が地域のメリットになる。
<h4> ダムが放流する河川維持流量を生かす</h4>

潜在する水力のエネルギーは農業用水路のほかにもある。数多くの川が流れる岐阜県には治水用と発電用のダムが各地域に設けられている。ダムには大 量の水を貯めるだけではなく、下流の自然環境を守るために常に一定の水量を流し続ける必要がある。「河川維持流量」と呼び、最近は小水力発電に利用する ケースが増えてきた。岐阜県は全国の先頭を切って河川維持流量を生かした小水力発電を拡大中だ。

2015年に入って2カ所のダムで小水力発電所が相次いで動き出した。1つは石徹白と同じ郡上市にある「阿多岐(あたぎ)水力発電所」である(図3)。岐阜県が1988年から運営している治水用のダムの河川維持流量を利用する。

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図3 「阿多岐水力発電所」の小水力発電設備。出典:中部電力

発電事業者は中部電力で、ダムの直下に発電所を建設して7月に運転を開始した。ダムから放流する毎秒0.7立方メートルの河川維持流量を38メー トルの落差で取り込んで発電する。発電能力は190kWになり、年間に130万kWhの電力を供給することができる。一般家庭で360世帯分の使用量に相 当する。

もう1カ所は「新串原(しんくしはら)水力発電所」で、中津川市の隣にある恵那市で6月に運転を開始した。中部電力が1970年から発電用に運営している「矢作(やはぎ)第二ダム」からの河川維持流量を利用した小水力発電所だ(図4)。

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図4 「新串原水力発電所」の小水力発電設備。出典:中部電力

水流の落差は20メートルだが、毎秒1.6立方メートルの水量を生かして発電能力は230kWになる。年間の発電量は170万kWhを見込んでい て、470世帯分の使用量に匹敵する。阿多岐水力発電所と合わせれば830世帯分になり、これまで未利用だった水流が新たな電力源に生まれ変わった。

環境省の調査によると、発電能力が3万kW未満の中小水力発電の導入可能量は岐阜県が全国の都道府県の中で最も多い。固定価格買取制度の導入量で も現時点で第3位になっている(図5)。さらに最近になって太陽光とバイオマスが増えてきた。特にバイオマス発電は都市部で先進的なプロジェクトが始まっ ている。

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図5 固定価格買取制度の認定設備(2014年12月末時点)

※以下省略

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1509/08/news021_3.html

2015/09/07

市民の手で遺構復活 100年前の小水力発電所【カナコロ】

9月7日(月)7時0分配信
約100年前に造られた小水力発電所を市民の手で復元させようという取り組みが、小田原市内の山林で進められている。再生可能エネルギー(再エネ)の普 及促進に力を入れる同市は、事業化を検討してきたものの費用対効果の問題などで断念。それでも「自然の力を活用して里山の再生を」と、山林所有者や地元の 市民グループなどが遺構の復元整備に向けた作業に汗を流している。
発電所跡があるのは小田原駅の西約3キロにある同市久野の山林。スギやヒノキなどの林に、水路として整えられた石組みなどが残る。
山林を所有するのは辻村百樹さん(58)。発電所は辻村さんの祖父・常助さんが建設し、1917(大正6)年ごろに完成したと伝えられる。約2キロ離れた坊所川上流から水を引き、急角度な山の斜面を落下させ、ドイツ製の水車式タービンを回して発電していた。
出力は117キロワット時。発電した電気は自宅や製材所で使ったり、近くの紡績工場に売ったりしていた。戦時中に旧陸軍が砲台設置のために電線を整備したことで、発電所は48(昭和23)年ごろには稼働を終えたという。
発電所のタービンや電線、鉄管などは何者かに持ち出されてしまったものの、当時の設計図などは残されている。脱原発を訴え各地で講演活動をしている小泉純一郎元首相も今月3日に発電所の遺構を視察した。
2011年の東日本大震災を機に再エネの重要性が高まる中、小田原市はこの発電所に着目、復活による発電事業化を検討してきたが、(1)取水する川の水 量が稼働当時に比べ少ない(2)多額の工事費がかかり採算が合わない-などの理由から、昨年秋に「事業化は実現性に乏しい」との判断を下した。
自身の山林でのメガソーラー(大規模太陽光発電施設)建設に協力した辻村さんは、同市の事業化検討に並行して12年には市民グループのメンバーらと発電 所復活に向けて発掘整備作業をスタートした。雑然としていた跡地周辺で樹木を伐採したり、水路にたまっていた土砂を除去したりする周辺整備を定期的に続け ている。徳島県内では、ほぼ同時期に建設された小水力発電所を復活させる取り組みが先行している。小田原でも復活に向けた本格的な整備を今後進めたい考え だ。
コンサルタント業者の試算では、復活させるには建設コストが5億円ほどかかる。辻村さんは「民間の力でなんとか復活させたい。エネルギーの産出地という里山の役割を果たし、小田原の新しい可能性を見いだせれば」と語る。
メンバーの1人で、市内で再エネの普及を進める地域企業「ほうとくエネルギー」の蓑宮武夫社長(71)も「ビジネス的には厳しくても出力50キロワット時ぐらいの小水力発電で復活させ、天然エネルギーを活用したフォレストタウンを実現したい」と意欲的だ。

(写真:大正期に建設された小水力発電所跡と辻村さん=小田原市久野)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150907-00003620-kana-l14

2015/09/07

京都市、町内会・商店街など地域主体の再エネ導入調査に補助金【環境ビジネス】

2015年9月 7日掲載
 京都市は、町内会や商店街等の地域のコミュニティ組織が主体となって行う再生可能エネルギー発電導入可能性調査を支援する助成制度を新たに創設した。
 助成金の交付を希望する団体を9月18日(金)から10月30日(金)まで募集する。なお、本事業は2016年3月31日までに完了する調査が対象となる。
 京都市は、昨年度、地域のコミュニティ組織が主体となり、地域に太陽光発電や小水力発電などの再生可能エネルギー利用設備を設置しようとする意欲的な取組み(市民協働発電制度地域コミュニティ版)を支援するため、地域住民の合意形成や再生可能エネルギーを活用した発電事業に関する簡易調査や事業化の検討等を行う「コーディネーター派遣制度」を創設した。
 今回、地域主体のこれらの取組みに対する支援を一層拡大するため、新たに「再生可能エネルギー発電導入可能性調査に対する助成制度」を創設した。

助成制度の概要は以下の通り。

助成対象者
地域のコミュニティ組織。町内会、自治会、商店街、マンション管理組合、各種市民団体等(個人、個人事業者を除く)。

助成対象事業
市民協働発電制度地域コミュニティ版に係る再生可能エネルギー発電導入可能性調査
再生可能エネルギーの種類

太陽光発電(自家消費、余剰売電、全量売電を問わない)
小水力発電(発電出力1,000kW以下のもの)
風力発電、地熱発電等、その他市長が認めるもの

調査内容
現状調査
発電設備の設置に係る法規制等の確認(景観保全、環境アセスメント等)、発電に係る権利(水利権,所有権等)の確認等
現地調査
太陽光であれば日射量や日影の影響の確認等、小水力であれば高低差や流量の長期的な測定等
系統連系の調査
系統連系の可否に関する電力会社との技術的な検討および申請に係る事前協議
経済性等の調査
発電出力および収入見込の調査、発電設備の設置に係る工事費やメンテナンス費等の検討

※いずれの調査もコーディネーター派遣制度で実施する支援内容を除く

助成対象経費
導入可能性調査を行うために必要な機器・設備の使用料および調査・分析・報告に要する経費等

助成金額
助成対象経費の1/2(上限:100万円)。ただし、小水力発電については、9/10(上限:100万円)

募集期間
9月18日(金)~10月30日(金)

応募方法
京都市のホームページに掲載されている募集要項を参照のこと

問合せ先
京都市環境政策局地球温暖化対策室(電話222-4555)

事業の背景・目的
京都市は、広く市民誰もが再生可能エネルギーの普及に関わることができる「市民協働発電制度」を2012年度に創設し、これまで市有施設9箇所において市民協働発電所を稼働してきた。また、2013年12月に策定した「京都市エネルギー政策推進のための戦略」において、市民力・地域力を生かした、地域の活性化につながる仕組みを活用し、再生可能エネルギーの普及拡大を図ることを施策推進の方向性に掲げている。

前述のとおり、地域のコミュニティ組織が主体となって行う再生可能エネルギー発電導入の取組みを支援するために、2014年度から「コーディネーター派遣制度」、そして、今回新しい助成制度を開始した。

http://www.kankyo-business.jp/news/011261.php?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+kankyo-business%2FzfIf+%28%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E6%96%B0%E7%9D%80%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%29

2015/09/05

水力発電の会社設立 宍粟・一宮の福知地区【神戸新聞】

2015/9/5 05:30
http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201509/img/b_08366934.jpg
福知自治会が小水力発電に取り組む福知川=宍粟市一宮町福知

自治会として小水力発電事業への参入を検討してきた兵庫県宍粟市一宮町福知地区はこのほど、事業主体となる「福知水力発電株式会社」を設立した。設計・施工を担う業者を25日まで公募し、発電規模や事業費などの提案を受ける。
同地区の福知渓谷は県内有数の景勝地として人気を誇ったが、2009年の県西・北部豪雨で被害を受け、観光客が減少した。少子高齢化が進んでいることも あり、売電収益を山林などの維持費に充てようと自治会が発電事業を検討。14年度に福知川の流量調査を行い、事業化は可能と判断した。
会社の資本金は500万円で、自治会内の互助組織「福知救護社」が全額出資する。事業費の上限は4億円とし、金融機関の融資を受け15年間で償還する計画。
発電には既存の農業用取水堰(せき)や水路を使い、周辺の景観に配慮する予定。電気は再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」を活用し、電力会社に20年間売電する。
同社社長に就任した前福知自治会長の飯田吉則さん(59)は「専門家ではないので事業に不安もあるが、地区として自立し、未来を切り開くために取り組んでいきたい」と話した。(古根川淳也)

http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201509/0008366933.shtml

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