2015/12/04
2015年12月4日掲載
関西電力(大阪府大阪市)は、富山県黒部市宇奈月町に所在する出し平(だしだいら)ダムにおいて、出し平発電所の建設工事を実施中であったが、2015年11月30日、152箇所目の水力発電所として営業運転を開始した。
出し平発電所の概要
同発電所は、発電用ダムに維持流量による小水力発電設備を増設したダム式水力発電所。ダムに貯まった水を放流する際の落差エネルギーで発電する方式。
最大出力は520kW。年間の発電電力量は約171万kWh、これは一般家庭の480世帯分の消費電力に相当する。最大使用水量は、1秒あたり1.76立方メートル。有効落差は37.29メートル。この未利用エネルギーの活用によって、年間CO2排出量を約900t削減することができると算出される。
同社での維持流量を活用した発電所では2011年6月に営業運転を開始した大桑野尻発電所以降、2箇所目となる。
水力発電はエネルギー変換効率が約80%程度であり、一般的な火力発電エネルギーの変換効率の約2倍と非常に効率が良い電源である。同社は、今後も引き続き、維持流量の有効利用や都市部の用水路を用いた小規模水力開発の検討など、純国産エネルギーである水力について最大限に活用し、再生可能エネルギーの普及・拡大に貢献していく。
2015/12/04
2015 年 12 月 4 日 11:00 JST 更新
京都市右京区の京北第二小学校で、地域産木材を使用した小水力発電用の水車が組み立てられた。学校の敷地内を流れる用水路に設置し、12月中旬から平均約10ワットの発電を開始。災害時には、市が避難所に指定した体育館に電気を供給し、電気ポットや携帯電話の充電などに役立ててもらう。
水車の大きさは直径1.5メートル。本体と蓄電池に加え、用水路が草や葉などで流れがせき止められるのを防ぐバイパスの設置工事などを含め、総工費は約800万円。国の再生可能エネルギー等導入推進基金を活用した。
組み立て前には、長野県の水車製造会社が小水力発電の仕組みを説明。事前に用意したパーツを使い、同社の「職人」の指導を受けながら、4~6年生の児童計31人が力を合わせて完成させた。6年生の田路うたさんは「みんなで作ったものが一つの水車になってうれしい」と喜び、田中三四郎君は「水で電気ができるのはすごい。動くのを楽しみにしている」と笑顔を見せた。
京北第二小では2013~14年、水車に見立てた自転車の車輪で発電し、発光ダイオード(LED)ライトを点灯させる実験を実施。小水力発電など再生可能エネルギーに関する環境教育に力を入れてきたという。京都市の古井幸生エネルギー政策部長は「温暖化対策に向け、こうした地道な取り組みを重ねていきたい。子どもたちは今回の経験を将来の行動につなげてほしい」と訴えた。
[時事通信社]
http://jp.wsj.com/articles/JJ10963658735332863475916576066142072188754
2015/12/02
2015年12月02日 11時00分 更新
富山県は豊富な水源に恵まれており小水力発電が盛んな地域だ。新たに黒部渓谷にある関西電力所有の「出し平ダム」に、未利用の維持流量を活用する発電所が完成した。維持流量とダムの落差を利用して、年間に171万kWhの電力を発電する見込みだ。
[陰山遼将,スマートジャパン]
関西電力が富山県黒部市宇奈月町に所有する「出し平ダム」で建設を進めていた小水力発電所「出し平発電所」が完成し、このほど営業運転を開始した(図1)。黒部峡谷鉄道「出大駅」の近くに位置する発電所で、関西電力が所有する152カ所目の水力発電所となる。
出し平ダムは黒部川水系を利用したダムだ。ここに建設した出し平発電所は同ダムから放流し、これまでに発電に用いていなかった河川の維持流量を活 用している。約37メートルの有効落差を利用して、新設した水圧鉄管で水車発電設備に維持流量を流し込んで発電を行う(図2)。
最大水使用量は1秒当たり1.76立法メートル、水車発電設備の最大出力は520kW(キロワット)。年間発電量は一般家庭480世帯分の使用電 量に相当する171万kWh(キロワット時)を見込んでいる。これによる年間のCO2削減効果は約900トンに相当するという。
出し平発電所が発電に利用する維持流量とは、ダムが河川をせき止めることで、下流を流れる河川の自然環境や漁業などに影響を与えないように優先的 に放流する水のこと。維持流量を活用した発電設備は、ダムの既存設備の近くに小規模な設備を加える場合が多く、周辺環境への影響も少ない。さらに水力発電 は設備利用率が高く、未利用エネルギーを利用した効率の良い発電を期待できるというメリットがある。
出し平発電所は関西電力が手掛ける2カ所目の維持流量を利用した発電設備となる。1カ所目は、2011年6月に運転を開始した長野県木曽郡にある 「大桑野尻(おおくわのじり)発電所」だ。こちらは「読書(よみかき)ダム」からの維持流量と、22.5メートルの有効落差を利用して、年間約375万 kWhの電力を生み出している。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1512/02/news024.html
2015/12/02
2015年12月 2日掲載
山梨県は、大城川発電所および朝穂堰浅尾発電所で発電した電力の売却について、県内の「小売電気事業者」に向けて、一般競争入札を実施する。
大城川発電所は、大城川砂防ダムからの流水というそれまで未利用であったエネルギーを活用した、横軸チューブラ水車を用いた小水力発電設備である。最大出力が49kW、年間発電量が37.5万kWh。一般家庭約100軒分相当の消費電力量を発電する。送電には低圧配電線を利用している。
朝穂堰浅尾発電所は、朝穂堰の用水路の高低落差を利用した竪軸スクリュー型小水力発電設備。最大出力は12kW、年間発電力量は4.5kWh。
対象者は2016年4月1日から施行される改正電気事業法で定められている「小売電気事業者」の登録を行った事業者。もしくは登録申請中であり登録されることが見込まれるもの。また、受給期間中、山梨県内へ受給電力量以上の電力を供給する予定であること。
予定売却電力量は契約期間内の全量であり、契約期間は2016年4月1日から2018年3月31日まで。入札方法は、予定売却電力量に対する1kWh当たりの単価。予定価格は1kWh当たりの単価34円(税抜き)。
入札参加希望者は2015年12月15日(火)午後5時までに入札参加申請書を山梨県企業局電気課に提出し、入札参加資格を有することを証明する必要がある。
2016年4月1日から、これまで各地域で決まった1つの電力会社しか行えなかった、家庭や小規模事業所向けの電気の小売販売に、新規参入が可能になる。これにより、すべての家庭や事業所で、自由に電力会社や料金メニューを選択できるようになる。制度開始後は、登録された小売電気事業者(経済産業大臣の登録を受けた事業者)が、一般家庭を含めたすべての消費者に電気を販売できるようになる。
2015/12/02
県内自治体運営では2例目
津南町は1日、農業用水を活用する小水力発電所「雑水山第2発電所」(同町中深見)の運転を始めた。県によると、農業用水を使う発電所を県内自治体が運営するのは、胎内市に続き2例目。
町内に農業用水を送る雑水山導水路の全水量に当たる毎秒約0・4トンを使い、最大出力は39キロワット。年間の発電量は一般家庭70世帯分に相当し、す べて東北電力に売電する。施設維持費などを差し引いた売電益は年間300万円程度を見込み、農業用ポンプ施設などの電気料に充てる。
総事業費約1億4千万円のうち、55%を国の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金でまかなった。
1日は現地で竣工(しゅんこう)式があり、運転開始のボタンを押した上村憲司町長は「雪の恵みを水力発電として活用し、その利益を農業に還元できると考えている。今後も、雪を資源ととらえる施策を進めたい」とあいさつした。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20151202220900.html