2016/02/17
2016年2月17日掲載
平成30年度までに県内で導入される再生可能エネルギー(大規模水力発電を除く)の発電設備容量は1472メガワットとなる見込みで、27年度の推計値994メガワットに比べて478メガワット(48.1%)増える見通しとなった。県が16日、28年度から3年間の導入見込み量などを示した次期アクションプラン(行動計画)の最終案を公表した。 現行・次期行動計画で県が示した再生可能エネルギーの導入状況は【図】の通り。設備容量に変動がないダムなどの大規模水力発電は除いている。
30年度に太陽光発電は836メガワットとなる見込みで、27年度推計値より272メガワット(48.2%)増える。風力発電が105メガワット(62.1%)増、バイオマス発電は101メガワット(56.4%)増となる。地熱発電、小水力発電は横ばいとなっている。
県は再生可能エネルギー推進ビジョンで、52年度までに県内エネルギー需要の全てを再生可能エネルギー(大規模水力を含む)で賄う目標を掲げている。次期行動計画では、30年度の県内需要に占める再生可能エネルギーの割合を約30%と見込む。県は目標達成に向け、原子力災害に伴う避難地域での太陽光発電の普及、陸上風力発電の推進などに力を入れる。
ただ、大量導入の実現には送電線の容量不足解消、接続予約した事業者の早期事業化などが求められる。県は新たな行動計画で、送電網の強化・新設、契約通り進めない事業者の認定取り消しなどを国、電力会社に求めることを明記した。
行動計画にはこの他、省エネ推進や水素エネルギーの普及、スマートコミュニティーの導入促進も盛り込んだ。県民の意見を公募し、今年度内に策定する。
2016/02/08
2016年2月8日更新
新潟県の柏崎市で浄水場の構内に建設した小水力発電所が運転を開始した。山間部のダムから低地にある浄水場まで、110メートルの落差で流れてくる水力を利用して発電する。柏崎市と発電事業者が共同事業方式をとり、水力を提供する柏崎市は年間に480万円の収入を得る。[石田雅也,スマートジャパン]
柏崎市の中心部から2キロメートルほどのところに「赤坂山浄水場」がある。市内の水道水の8割以上を供給する浄水場の構内に、小水力による「赤坂山発電所」が2月1日に運転を開始した(図1)。
発電能力は198kW(キロワット)で、年間に86万kWh(キロワット時)の電力を供給できる想定だ。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して240世帯分の電力に相当する。柏崎市の総世帯数(3万4000世帯)の1%に満たない電力量ながら、これまで使われていなかった水力で発電できるうえに、市の収入を増やせるメリットがある。
この小水力発電は柏崎市が発電事業者の東京発電と共同事業方式で実施している。柏崎市は水力のエネルギーと発電所の設置場所を提供して、東京発電が建設・運転・保守を担当する役割分担だ。柏崎市が事業者を公募した結果、関東を中心に数多くの水力発電所を運転している東京発電を選んだ。
発電した電力は固定価格買取制度で売電する。発電能力が200kW未満の小水力発電の買取価格は1kWhあたり34円(税抜き)で、売電収入は年間に約2900万円になる。このうち柏崎市には1kWhあたり5.1円の納付金と行政財産の使用料が入り、年間に約480円の収入を得られる見込みだ。さらに発電量が想定値を上回った場合には、1kWhあたり6.1円の納付金が加わる。
発電に利用する水は遠く離れた山間部にあるダムから流れてくる。柏崎市の水道は3カ所のダムから引き込んだ水を2カ所の浄水場で処理して市内に供給するシステムになっている(図2)。このうち最も上流にある「赤岩ダム」から赤坂山浄水場まで、110メートルの高低差で水が流れてくる。
図2 柏崎市の水道システム。出典:柏崎市ガス水道局水道設備に適した円筒型の水車発電機
実際に小水力発電に利用できる有効な落差は80メートルになる。水量は最大で毎秒0.4立方メートルある。この水力を使って「円筒ケーシング・インライン型フランシス水車」を回転させる発電方式を採用した(図3)。
フランシス水車は水力発電で最も多く使われるタイプだが、通常は渦巻型の構造で水を取り込むため、水平に設置した送水管に適用することはむずかしい。これに対して水平方向に円筒型で水を取り込む構造のフランシス水車であれば、既設の送水管に直結できて水道設備に導入しやすい。
赤坂浄水場には長方形の大きな配水池が2つある。このうち赤沼ダムから水を引き込む「6拡配水池」に隣接する場所に発電所を建設した(図4)。赤沼ダムから流れてくる水は「6拡導水管」を通って配水池に入る直前に、水流の落差が生み出すエネルギーを伴って水車発電機の中を通過する仕組みだ。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1602/08/news039_2.html
2016/02/05
2016年2月5日掲載
日本政府はフィリピン北部のイサベラ州の小水力発電所の整備支援を実施していたが、この支援が完了したことを、独立行政法人の国際協力機構(JICA)は発表した。
フィリピンの農村部においては、多量の電力は必要としていないが、発電・送電インフラが十分に整備されていないため、電力が安定的に供給されていない地域が存在していた。そのため日本政府は、小水力発電分野で優れた技術を有する日本製の技術や製品などを供与することにより、これらの地域へ電力を安定して供給する支援を実施することを決定していた。なお、この支援は、日本企業の国際展開を支援する側面もある。
この支援は、2013年4月25日に環境・気候変動対策無償資金協力プロジェクト「イサベラ州小水力発電計画(Mini-Hydropower Development Project in the Province of Isabela)」(供与額:1億4,700万円)として締結していた。この支援プロジェクトでは、イサベラ州の灌漑地域において、45キロワット程度の小水力発電所の整備を実施した。この発電所を建設したことにより、米作用灌漑での小水力発電の活用と、フィリピンにおけるエネルギー源多様化の政策支援を実施することが可能となった。
2016/02/04
津山市は4日、自然エネルギー事業のエリス(岡山市南区福田)、JAつやま(津山市横山)と、JAの桑谷発電所(加茂町黒木)の放水路にエリスが新設する小水力発電所に関する協定を結んだ。
2016/02/04
2016年2月4日掲載
柏崎市新赤坂1の赤坂山浄水場で1日、水源となっている赤岩ダムと同浄水場との高低差を利用して発電する小水力発電「赤坂山発電所」の通電式が行われ、営業運転を開始した。
ダムと浄水場は約10キロ離れており、高低差は約110メートル。落差と水の流量で発生するエネルギーを使って水車を回して発電する。
東京電力の子会社「東京発電」(東京都)と市の共同事業で、東京発電が事業主体となる。市は発電所の土地や発電に使う水などを提供する。
柏崎市は施策の柱の一つに「再生可能エネルギー活用の推進」を掲げ、低炭素社会の実現を目指している。通電式で会田洋市長は「エネルギーの地産地消を含め、再生可能エネルギーの利活用を進めていける。極めて意義がある」と話した。
発電出力は198キロワット。年間発電量は86万キロワット時で、一般家庭約300世帯分を予定している。発電した電力は、固定価格買い取り制度を利用して東京発電が電力会社に売電する。市は発電納付金など年間約485万円の収入を見込む。
市ガス水道局によると、上水道施設の小水力発電で高低差が100メートルを超えるのは全国でも珍しく、100キロワット超の出力は県内初。事業は20年間を予定する。
小水力発電を始めた赤坂山発電所を視察する会田洋市長(中央)ら=1日、柏崎市新赤坂1
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20160204233036.html