過去に投稿された記事の一覧です。

2016/03/03

小水力発電の手続きを簡素化する方法など紹介 国交省が手引書を改定【環境ビジネスオンライン】

2016年3月3日
 国土交通省の有識者検討会は、資源としての河川利用の促進に向けた「課題の整理と進めるべき方策」として、小水力発電事業の各種事例を広く周知することなどを盛り込んだ報告書を取りまとめた。
 これを踏まえて、同省では、「小水力発電設置のための手引き」を改定し、未掲載であった慣行水利権を利用した従属発電の実施事例などを追加掲載した。
 小水力発電の普及拡大に関する議論の取りまとめ内容の概要等は下記のとおり。
(続きは、転載元HPにて会員登録のうえお読みいただけます)

https://www.kankyo-business.jp/news/012283.php

2016/03/01

トラが棲む森を守りながら電力を供給!スマトラ島で小水力発電機を設置【WWFジャパン】

2016年3月1日公開
 2015年12月、絶滅の危機にあるスマトラトラやスマトラサイが生息するスマトラ島ブキ・バリサン・セラタン国立公園に隣接した小さな村で、森から流れる川を利用した、7機の小水力発電機が設置されました。村の住民は、この川の流れを維持するため、流域の森林を開発せず、長期にわたって保全することに合意。国立公園の森と希少種の保全につながることが期待されています。WWFでは今後、この事例を他の地域に広げる取り組みを目指しています。

森を守る、クリーンで安価な電力

 インドネシア スマトラ島の南東部に位置するブキ・バリサン・セラタン国立公園は、スマトラサイやスマトラトラをはじめとする絶滅危惧種の貴重な生息域であり、ユネスコの世界自然遺産「スマトラの熱帯雨林」の中心的なエリアの一つにも指定されています。
 しかし、同国立公園では、違法な農園開拓による森林伐採が進行しており、2011年には世界遺産危機リストに掲載され、ユネスコから森林保全・回復の改善策に取り組むよう勧告されています。
 こうしたことから、WWFでは、これまでブキ・バリサン・セラタン国立公園の森林と絶滅危惧種を保全するための活動を支援してきました。
 そして、2015年1月、国立公園に隣接するスカ・バンジャール村で、住民に自然エネルギーを供給することで、地域主体の森林保全を促す、新たな取り組みを開始しました。
 このプロジェクトは、森から流れる川を利用した小水力発電機を設置することにより、住民約100世帯にクリーンな電力を供給することを目的にしています。
 自然エネルギーによる小水力発電は、これまで村で使われてきたディーゼル発電機の燃料(軽油)を定期的に購入するよりもメンテナンスの費用が安く、住民の経済的な負担を抑えられる上、温暖化の原因になる二酸化炭素の排出を抑えることにも貢献します。
 そして何よりも、小水力発電機を長期間にわたり持続的に使用していくためには、流域の森林を保全し、川に泥が流れ込んで堆積するのを防ぐことが欠かせません。
 こうしたことから、WWFではプロジェクトの開始にあたり、スカ・バンジャール村の住民の方々に小水力発電の利点と、住民が自ら森林保全に取り組む必要性を説明しました。
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スマトラ島固有亜種のスマトラトラ。推定個体数は300頭ほどといわれる。

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スカ・バンジャール村の位置図

小水力発電機の設置に向けて

 プロジェクトでは、まず村内のどこに森林が残っているのかを把握するために、衛星画像の分析と現地調査を実施し、村の土地利用図を作成しました。
 その結果、村の南部はパーム農園や水田に転換されているが、国立公園に隣接する北東部には比較的森林が残されていることが判明。
 まずは、村の北東部を流れるタタサン川とシリンバラック川に5~10kwの小水力発電機を4機と3機設置することに決定しました。
 そして、発電機ごとに受益世帯をグループにし、それぞれから発電機の管理や運営を担う委員長と書記、経理の3名を選出してもらいました。
 これらグループのメンバーは、特別に発電機の技術研修と組織の運営研修を受け、発電機の操作方法や、メンテナンスのための徴収額の設定方法、財務記録の作成・保管方法などを学びました。
 また、発電機の設置にあたっては、各世帯が流域の森林を農地に転換せず、川の源流を保全することで、小水力発電に必要な水質を維持することに合意。
 その内容は文書化され、各世帯と村長、コミュニティ組織の委員長の3名が署名し、村全体として森の保全に取り組む意志を明らかにしました。
 この文書には、これらの合意事項に違反した場合、小水力発電の使用資格を失うことなども含まれています。

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設置された発電機

116世帯にクリーンな電力を供給!

 9か月にわたる事前調査と準備を経て、2015年10月に小水力発電の設置作業が行なわれました。
 小水力発電では、通常の水力発電のように大規模なダムは建設せず、川の一部せき止めて、そこから川をバイパスする水管へと取水し、タービンに水を流し込むことで発電します。
 こうした堰の建設や水管・発電機の設置作業は、各グループのメンバーが協力して実施。
 そして12月、雨期で川の水量が増す前に、全7機の発電機の設置が完了し、計画を上回る116世帯にクリーンな電力を供給することができました。
 また、発電機の運用・管理は、各グループで決めた曜日毎の担当者が実施。定期的な発電機の点検と取水口の掃除を行なっています。
 今後プロジェクトでは、森の保全につながるスカ・バンジャール村の取り組みを、ブキ・バリサン・セラタン国立公園周辺の他の地域に広げてゆくため、このプロジェクトを題材とした動画や手引きを作成し、周辺の村落や政府機関に配布する予定です。
 さらに、県知事や国立公園長を招いたシンポジウムの開催も計画しています。
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発電機は村の人たちが協力して設置

スマトラ島の森を守るために、日本の消費者に求められる行動

 ブキ・バリサン・セラタン国立公園をはじめ、スマトラ島の国立公園で起きている違法伐採や違法な農園開拓は、日本とも深いつながりがあり、問題解決のためには、日本の消費者にも行動が求められています。
 スマトラ島における森林破壊の主な原因は、オイルパーム農園の開拓と紙・パルプ用の人工植林であり、こうして生産されたパーム油や紙は日本にも輸出されています。
 パーム油は、日本の消費者が直接目にする機会は少ないですが、チョコレートやカレールーの一部、スナック類やインスタント麺の揚げ油、石鹸や化粧品の原材料など、身の回りの様々な商品に使われており、パーム油なしで日常生活をするのは不可能なほど広範に利用されています。
 また、日本で使用されるコピー用紙の3分の1がインドネシアで生産されたものです。
 日本で使用されているパーム油や紙の中には、破壊的な大規模伐採の跡地で生産されたものも含まれており、日本の消費者がこうした商品を購入することで、知らず知らずのうちにスマトラ島の森林破壊に加担している可能性があります。
 しかし、消費者個人が商品やその原材料の生産方法まで遡って、追跡するのは困難です。
 そこで、環境破壊的な方法で生産された商品の購入を避けるために、最も簡単で効果的な方法は、「RSPO認証」や「FSC認証」が付いた商品を購入することです。
 これらの認証は、パーム油や林産物が環境、社会、経済的に持続可能な方法で生産されたことを証明する国際的な制度です。
 日本の消費者がRSPO認証やFSC認証が付いた商品を意識的に選択することで、スマトラ島の破壊的な森林伐採に対して厳しい態度を示し、持続可能な生産を支援することになります。
 WWFは、今後もスマトラ島の現場で森林と絶滅危惧種の保全に取り組むと同時に、日本の企業や消費者に対して、環境に配慮して生産された原材料の購買・調達を働きかけていきます。

※この小水力発電の設置プロジェクトは、トヨタ自動車株式会社のトヨタ環境活動助成プログラムの助成を受けて実施しています。

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アブラヤシのプランテーション

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http://www.wwf.or.jp/activities/2016/03/1307501.html

2016/03/01

馬路村で小水力発電が3月稼働 売電収益は創生事業に充当【高知新聞】

2016年3月1日掲載
 高知県安芸郡馬路村が馬路村朝日出地区に建設を進めている馬路村直営の小水力発電施設が、4月から稼働する見通しとなった。馬路村は年間約2千万円の売電収入を見込んでおり、2月下旬に四国電力と20年間の売電契約を締結した。高知県内で自治体直営の小水力発電は高岡郡梼原町に続き2例目。馬路村は収益分を地方創生の各施策に充当していく考えだ。
 馬路村は2012年3月から再生可能エネルギーの利用を本格的に検討し、年間3千ミリを超える全国有数の降水量を生かそうと、小水力発電の事業化を決めた。
 安田川沿いの馬路村有地で、2014年9月から発電施設の建設工事に着手し、高低差約75メートル、長さ約120メートルの導水管(内径30センチ)を敷設した。安田川に流れ込む細井谷から取水して施設内の発電機に水を流して発電する。総事業費は約2億3千万円。
 当初は2015年9月に完成する予定だったが、配管工事の遅れなどからずれ込んでいた。現在は配管工事も終了し、発電施設内の電気系統の整備などを進めており、3月中に完成する見込みとなった。
 最大出力は145キロワットで、年間発電量は約56万キロワット時。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づき、20年間にわたって売電する。年間維持管理費約900万円を差し引いた約1100万円を、少子化対策などの事業費に充てる。
 上治堂司村長は「再生可能エネルギールギーで得た収益を地方創生を推進する各施策に活用していきたい」としている。

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4月に稼働する予定の小水力発電施設(高知県安芸郡馬路村馬路)

http://www.kochinews.co.jp/article/5609/

2016/02/26

古河電工グループのKANZACC、小水力利用の水流型マイクロ水力発電機を開発【マイナビニュース】

2016年2月26日
 古河電工グループのKANZACCは2月26日、水流型のマイクロ水力発電機「ENEFALL-DAN 5215」を新たに開発し、プロトタイプを完成したと発表した。
 水力発電では水量と落差を利用して発電するが、発電機の設置にあたっては大掛かりな土木工事が必要となるケースが多く、発電設備と合わせた設置コストが大きいという課題があった。
 同水力発電機は水流型で、高低差が小さな川や水路でも発電が可能。全長1635mm、直径400mm、重量85kgという持ち運びができる大きさで、水路に沈めるだけで設置が可能なため、大幅なコスト削減が期待できる。また、ゴミ詰まりしにくい構造で、維持管理が容易となっている。
 同社は今後、河川用水路などの小水路において、小電力発電の展開を図っていくとしている。

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マイクロ水力発電機「ENEFALL-DAN 5215」

http://news.mynavi.jp/news/2016/02/26/293/

2016/02/25

福岡・朝倉市に「白木発電村」 小水力発電 過疎集落に光【西日本新聞】

2016年2月25日掲載
 河川や農業用水の流れを利用した小水力発電の拠点が2月、福岡県朝倉市杷木白木地区に完成した。その名は「白木発電村」。市民団体「朝倉市に小水力発電を進める会」(手嶋政春代表)や地元、大学が協働し、間もなく5年目となる小水力発電を生かした地域おこしを紹介する。
 大分自動車道の杷木インターチェンジ(IC)から、北東へ車で約15分の山間部に、31世帯103人が暮らす白木地区がある。高齢化や過疎化が深刻な集落で20日、発電に利用する手作り水車や発電機を備える発電村がお披露目された。
 市内外から集まった約60人が興味深そうに水車などを眺める姿を見て、発電村の「村長」を務める白木地区の井上陽生さん(76)は「普段は静かな集落がにぎやかになった。さらに多くの人が来るように活動を続けたい」と話した。
 同会は東日本大震災を契機に、再生可能エネルギーに関心を持った市民有志が2012年4月に設立。豊かな水を生かした農業が基幹産業の朝倉市には、江戸時代に造られたかんがい施設「三連水車」があることから、水車を活用する小水力発電に目を付けた。
 初年度は小水力発電の普及に取り組む九州大大学院工学研究院の島谷幸宏教授(60)の研究室や市と一緒に、市内32カ所の河川や水路で発電可能性を調査。井上さんらが湧き水を生かした地域おこしに取り組んでいた白木地区に注目した。
 建設業の経験がある井上さんは、木製の馬車の車軸を活用して直径約1・3メートルの水車を自作。13年春、所有するブドウ畑跡地の水路に設置し、島谷研究室が作った発電機で実験を繰り返したが、1時間当たりの発電量は100ワット程度で蓄電もできないことから実用レベルには及ばず。14年秋には水車の軸が折れ、稼働不能となった。「売電できるかもという考えもあったが、甘かった」。同会の林清一副代表(68)は振り返る。
 それでも井上さんは「白木地区を明るくしたい」との思いを胸に2基目の水車作りに挑戦。車軸を鉄製に変え、鉄工所に発注。糸島市の電気モーター製造会社「明和製作所」が水路でも効率的に発電できる小水力発電機を製作したことを聞きつけると、同会が中心となって発電機を購入した。1時間当たりの発電量が110ワットに上がった上、同社が「地域活性化のため」と容量7・2キロワットの蓄電装置を無償貸与してくれたこともあり、ゲートボール場の照明や街灯、イベントで使う精米器など「地産地消」で活用できるようになった。発電村では近く、小中学生を対象とした公開講座も呼び掛けることにしている。
 お披露目の後に行われたシンポジウムでは、当初から関わってきた同大学院の仲野美穂さん(24)が「皆さんの姿から自ら学び、行動することの大切さを実感した。地域の幸せは発電量に比例しないことを教えてもらった」と感謝。島谷教授は「地域主体の取り組みは、各地で進む地域づくりのモデルとなる。広がりを期待し、活動を支援したい」と力を込めた。
 小さな集落から始まった地域を照らす挑戦は、これからも続く。

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小水力発電に利用する水車などがある「白木発電村」

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発電能力を高めた2基目の発電機

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/226929

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